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物乞いにお金を渡すべきか

カンボジアではローカル市場に行くと必ずと言っていいほど「物乞い」に遭遇します。

みなさんは出会ったことがありますか?

私は初めて物乞いに出会った時は恐くて、何も言えませんでした。
もちろん何も渡しませんでした。

日本では物乞いは軽犯罪に当たるので、
ほとんど見かけませんし、日本人は人にお金を渡すことに慣れていないような気がします。

しかし、カンボジア人を見ていると、渡している人が割と多くいます。
それは仏教の考え方で、
貧しい人に施しをすることは、美徳(自分の徳が上がる)という考えがあるからです。
渡した後、渡した方も、渡した後も、両手を合わせる姿をよく見かけます。

それを見て感化された私も、かなりの確率で、渡していたことがありました。

しかし、来て半年ほどたったころ、
「物乞いをしている人によって対応を変えている」というカンボジア人の話を聞きました。
また、最近
フリーランス国際協力師の原貫太さんの
「物乞い」に関するYOUTUBE動画『海外でお金をくれと物乞いされたら、代わりに○○を渡すべき』を観たことで、
自分なりの物乞いへの対応の仕方を変えていこうと思いました。
(気になる人は原さんのユーチューブを調べてみてください!)

さて。まずはカンボジア人の友人の話。
第一に、物乞いに出会ったら、
その人をまずよーく見ること。
お年寄りなのか、若者なのか、子供なのか。あるいは障がいがある人もいます。
まずは、どんな人かを見ること。
これが一番大事だという。でも日本人は人をじろじろ見る事にも、見られることにも慣れていません…のでなれないと始めは難しいかも。
でも、どんな物乞いの人も、同じ人間。
無視はしないこと。

そして、
お年寄りや、障がいがある方など、自分一人で働くことが難しそうな人で、かつ自分も時間とお金に余裕があるときは、少額を渡す。
でも、もし、仕事ができそうな年齢や状態の人であれば、渡さない。もし、ちょっとがんばれば、仕事ができるのに、お金を渡してしまったら、その人ためにならないから…。という。でも、その見極めが難しいのよね・・・

次に、
子供が来た時。
私も、飲食店の中、トンレーサップ湖周辺や、公園、つい最近ではSea gamesのパブリックビューイングなど、人が多く集まる場所で、子供の物乞いに出会いました。
原さんの動画によると、
子どもの物乞いの裏には「物乞いビジネス」が絡んでいる場合もあり、
悪い大人がバックについていることも。
なので、100パーセント子供に行くとは限らないことを知りました。
そのため、なるべく子供達には渡さないようにしたい…と思いつつ。
ぼろぼろの服を着た子供に、まっすぐ真剣な目で「ソムローイ(お金ちょうだい)」ねだられると困ってしまいます。

「その1$がその子の人生を救うのか?」

私の大好きな、カンボジアのボランティアがテーマの映画「ぼくたちは世界を変えることができない」に出てくる一節です。
ただその場限りの、一時的な支援をしても意味がないのでは?
という感じの場面での台詞だったと記憶していますが、
要は、渡したところで、何か変わるのか?
ということ。
答えは否。一時的に助かるのかもしれないが、それだけでその子の貧困は止まらない。

じゃあ、どうするべき?
原さんの動画では、
「その子供に食べ物を渡して、一緒に食べながら、家族や家のことなどをあれこれ話す」
と語られていました。そうすることで、次にあった時に物乞いされにくいんだとか。なんかいいなあ。

これを聞いて、私もある経験を思い出しました。
友人3人と「ウドン」という古都の寺がある有名な観光地で、昼食を食べていると、男の子と女の子が隣のお客さんの座敷にある、食べ残しの料理をがつがつ食べていました。
店の人に「こら!」と注意されながらも、食べ終わると私たちの所に来て、物欲しそうにロックラック(カンボジアで有名な牛肉炒め)の食べ残しのお皿を見つめています。
お腹いっぱいになった私たち。
私は、3人の友人に「残ったご飯、この子たちにあげていい?」と聞くと
「いいよ。」
と言ってくれたので、
ご飯をあげました。
その時に「どこに住んでいるの?」「二人は友達?」「お父さんとお母さんはどうしているの?」など、みんなで質問しました。
すると、二人は兄弟で、ここから歩いて一時間ほどいった村から来ていること、お父さんとお母さんは働いていていそがしく、ご飯が食べられていないことなどが分かりました。(まあこれが本当の話かは定かではありませんが‥‥)

また、この二人以外にも、そこには子供達は十数人おり、感じからして、かなりの頻度で、ここに来ては、残飯を食べている様子でした。
ご飯をくれたため、安心したのか、
私がそのお店の座敷にあるコンセントで携帯を充電している様子をみると
「携帯は、他の子たちが持って行ってしまう時があるから気をつけて」と
注意もしてくれました(笑)

しかし、食べ終わったあと、この外国人はいけると思われたのか、
最後に「学校に行くためのお金がほしい」
とさらにねだられ、(苦笑)
断ることもできましたが、身の上話も聞かせてもらったし、ちょっと情も入り、1ドルほど渡してバイバイしました。(結局お金も渡してしまった・・・)
***

動画の最後に原さんは、物乞いに対しては
機械的にパターンを決めて対応するのではなく、
その時の自分自身の状況や、相手の状況に応じて、
渡したければ渡したらいいし、
渡したくない時は「今お金を持っていない」
と相手に伝えればいい
と言っています。
***
カンボジアに来なければ、
物乞いに対して私は
「恐いから無視」をし続けていたと思います。
でも、物乞いへの対応を通して、
どんな人でも、
同じ尊厳を持った人間であることに気づかされました。

長くなりましたが今日はここまで。



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