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苦しかった時の話をしようか、を読んで、難聴の方に合う仕事を考える

年が明けて、ある本を読んだ。それは、苦しかった時の話をしようか、ビジネスマンの父が我が子のために書きたかった働くことの本質、森岡 毅著作だ。

私自身の興味の一つは、難聴の方は、どのようにしたらより良く生活できるようになるのか。ここがある。

今現在、難聴は治すことができない。補聴器をつけても聞こえにくさが残ってしまうので、その場合において困りやすいところの代表格は、仕事だろう。

仕事の際に聞こえにくさがあると、他の人は普通にできることが自分にはできない。そういった劣等感を感じること、実際にできなくて周囲に迷惑をかけてしまうこと、あげればキリがないが、難聴による仕事への影響度は、計り知れないものがある。

さらに仕事に関してできなくなると、お金を稼ぐこともしづらくなる。そうなるとどんどん貧困にもなってしまう。

聞こえにくいことによる弊害は、とても大きいものだと自分自身が難聴者で補聴器を使っている当事者としては思う。

そういったこともあり、私の中での一つの興味は、難聴の方に合う仕事、あるいは、難聴の方はどのように仕事について考えたら良いのか。があった。

この本を読んで、そのヒントを掴めたように思うので、私自身が感じたことを書いていこう。

苦しかった時の話をしようか、とは、どんな本?


この本は、日本を代表するマーケターの一人、森岡毅氏という方がご自身の娘さんに向けて書かれた仕事、ビジネスに関して、書かれた本だ。

資本主義社会というもの、そして、仕事に関しては、どのように考えていけば良いのか。そういった仕事全般について書いてあるのが、この本の特徴である。

森岡氏は、日本を代表するマーケター(マーケティングという職能を主にしている人のこと)ということもあり、本の内容は、実にマーケターらしい話の内容になっている。

私自身が学びになったのは、自分の特徴が活きる文脈を見つけ、そこに向かって泳いでいくこと。ここになる。

本の中に書かれている内容を一部、抜粋すると

成功は必ず人の強みから生まれるのであって、決して弱みからは生まれない。

苦しかった時の話をしようか 森岡 毅 著作

同じ特徴が「宝物」になるか、弱点になるかを決めるのは、文脈である。

苦しかった時の話をしようか 森岡 毅 著作

キャリア戦略とは、その人の目的達成のために、その人の持っている"特徴"を認識して、その特徴が強みに変わる文脈を探して泳いでいく。その勝ち筋を考えるということだ。

苦しかった時の話をしようか 森岡 毅 著作

このようなものがある。

一言で言えば、強みを軸にして、仕事をする。そして、強みを活かすとは、自分の特徴とその特徴が活きる文脈の上で仕事をすること。ということだ。

つまり、強みとは、自分の特徴とそれを活かす文脈がセットである。ということになる。どちらか片方だけでは足りない。

私の中でもなんとなく感じていたことを言語化してくれて、また一つ、私の中の解像度が上がった。

なぜ、特徴だけではダメなのか。それは、どのような特徴にも良い点もあれば、悪い点もあるからだ。状況によって、その特徴は、良い面になるし、状況によって、それは裏目にでる。ということだ。

例えば、どうしても性格上、慎重に物事を進める人がいるとする。このような方は、物事を慎重に進めるがゆえに仕事が遅い、というように捉えられる人もいるかもしれない。

しかし、世の中の仕事には、むしろ慎重にしないといけないものもある。経理や銀行関連のお金に関する仕事などは、その代表格だろう。

つまりどのような特徴にも得手不得手がある。だからこそ、自分はどのような特徴があり、その特徴が活きる文脈はなんなのか。それを考えることが必要なのである。

文脈というとちょっとわかりづらいかもしれない。文脈というのは、状況や環境というようにいうともう少しわかりやすいかもしれない。

どちらにしても、自分の特徴を知り、そして、その特徴が活きる環境、状況は、どのようなところなのか。それを知ることが大事、ということだ。

そして、それを軸に仕事をしていくこと。ここは、難聴の方の場合、ものすごく大事な概念になると、私は感じている。

なお、投資の神様 ウォーレンバフェットも同じようなことを言っている。

投資家のウォーレンバフェットは、「能力の輪」という素晴らしい表現を用いている。人間は、自分の「能力の輪」の内側にあるものはとてもよく理解できる。だが、「輪の外側」にあるものは理解できない。あるいは、理解できたとしてもほんの一部だ。
バフェットは、人生のモットーとして、「自分の『能力の輪』を知り、その中にとどまること。輪の大きさは、さほど大事じゃない。大事なのは、輪の境界線がどこにあるのかをしっかり見極めることだ」と述べている。

think clearly ロルフ・ドベリ 著作 P136

ここで言われていることも全く同じだ。自分の特徴を知ること、そして、その特徴が活きる文脈で仕事をすること。それはまさに能力の輪そのものだ。

ウォーレンバフェットは、さらに先ほどの内容にプラスして、輪の大きさは、さほど大事ではない。ということも言っている。

大事なのは、輪の境界線を知り、どこからどこまでが自分のテリトリーなのか、そして、テリトリー外では、仕事をしない。というように分けることが大事だと伝えてくれている。

なぜ、強みを軸にして、仕事をする必要があるのか

強みを軸にして仕事をする理由の一つには、人との関係は、Win-Winが理想だからだ。

win-winとは、自分にとっても相手にとっても良い状態である。自分が他者に貢献できる仕事をすることで、他者が喜び、その結果として、Winという名の報酬(お金)をもらえる。

そして、Win-Winを築けるようになると、相手も協力しやすくなる。協力することによって、自分がWin-を受け取れるようになるのであれば、相手側だって協力する理由にもなる。

耳のことを伝える。ということに関して、苦手な意識がある方は多い。しかし、ここに関しては、自分のために伝える。ではなく、自分と相手のWinのため、つまり、お互いにとって、Win-Winの関係になるために伝える。というのが本当のあり方だ。

そして、大事なことは、相手に提供できるWin-があるから、こういったことができることだ。もし、相手に何も提供できるものがないのに関わらず、お願いばかりされたら、誰だって鬱陶しいと感じるだろう。

自分が相手に提供できるものを作る。どうやって?それが、上記の強みを軸にして仕事をすることだ。

それができるようになれば、自分が他者に提供できるものができ、そして、他者も協力する理由ができる。全てのケースでうまくいくわけではないが、少なくとも、お互いにとってWin-Winを心掛けるというのは、人との関係において、一番大事なことだ。

このWin-Winは、人間関係全てにおいて言えることだ。家族との関係も友人との関係も、会社と労働者の関係も会社と取引先との関係も全てWin-Winが基本だ。

自分が他者に貢献できるものがあるから、他者からWinなり、報酬なりもらえる。そして、難聴の方の場合、できることより、できないことの方が多くなるので、自分は、どのようなことならできるのか。まさに、自分の特徴を知り、その特徴が活きる文脈で仕事をしていくこと。それが大事になる。

それができれば、周りの人は協力しやすくなるし、お金も稼ぎやすくなるし、就職だってしやすくなるだろう。

大事なのは、Win-Winを目指すことだ。そして、その一歩は、自分には、どのような特徴があり、その特徴は、どのような文脈であれば活きるのか、を知ること。そして、間違っても自分の特徴が死ぬような文脈、環境にはいかないことだ。

そのようにできれば、少なくとも今現在の状態より、より良くすることはできるだろう。

まとめ

この本からは、そのようなことを学べた。もし、興味がある方は、読んでみるといいだろう。少々、ビジネス色が強いので、読み慣れていない人は、なかなか難しいかもしれないが、私自身としては、半分くらい参考になった。

半分くらいというと少ないように思うが、半分も参考になるような本は、まず珍しい。ほとんどの本は参考にならないし、参考になっても、ほんの数ページであることが多い。しかし、この本は、半分ほどが参考になっているので、私の中では、すごく良い本の一つだ。

私も自分の特徴を知り、自分の特徴が活きる文脈を見つけること。それに注力していこうと思う。それが自分を活かすことであり、お客様に貢献することに繋がり、さらにお金を得ることにも繋がる。

やはり自分自身をどう活かすか。そこが大事になるということだ。そして、特徴には、得手不得手がある。だから、その特徴を知り、その特徴が死ぬところは避けて、自分の特徴が活きる文脈(領域)で仕事をすること。それが大事になるのだろう。

特に難聴の方や障害を持っている方は、特にその考えが大事になると考えられる。なぜなら、できることがどうしても限られてくるからだ。

だからこそ、自分の強みに集中するという考えは、まさに障害を負ってしまった方にとっては、非常に大事な考えになるだろう。

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