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外資スタートアップ・カントリーマネージャーに挑戦して失敗した話 #1 ~わずか8ヶ月の挑戦

こんにちは。ジュンイチヤマシタです。

昨今、スタートアップ、あるいはベンチャー企業の存在感が日に日に増して、身近な存在になってきていますね。ビジネスパーソンであれば、毎日のようにスタートアップのニュースを耳にする人も多いのではないでしょうか

スタートアップは数百社に数社成功すれば良い方と言われますが、成功した時のインパクトや脚光の浴び方、上場やM&A時のキャピタルゲインによる一攫千金の「ドリーム」も大きいですね。多くの特に若者が挑戦し、人知れず失敗し、ごく一部の成功した人が社会的脚光を浴びます

私が8ヶ月で辞職したカントリーマネージャーの職

かくいう私も6年前、(ネット系ではありますが)大企業からスタートアップ業界に飛び込んだ一人でもあります。

厳密に言うとビジネスをゼロから立ち上げる「起業家」ではなく、海外のビジネスのローカル国の責任者、通称「カントリーマネージャー (以下、『カンマネ』)」、という役割で日本マーケットの立ち上げ・拡大をミッションとしてジョインしました。

そのスタートアップは韓国系スタートアップで、いわばアジア版Slackのサービスを開発し、シリーズA直後、まもなくリリースするという段階で、韓国・日本・台湾マーケットの同時立ち上げをするということで、日本からは私、台湾からは台湾人のカンマネが採用されました

ちなみにプロダクトは韓国Toss lab社のJANDIというサービスでした

Slackと似ていながらも、アジアに受け入れられやすい設計・UIであったり、エンジニアよりも一般ビジネスパーソン向けにターゲットしたプロダクトで、充実したテキスト・ファイル検索機能や、ファイル授受機能などは、当時としては結構イケる感触がありました

しかし、本当に色々あり、結局8ヶ月でカンマネを辞職し、前職であった楽天の元々いた部署に出戻るという(楽天歴代No2の速さの出戻りだそう)、それはそれでツッコミどころのある結末になりました

世間の起業家ほどでは全くないですが、自分にとっては十分大変でしたし、また社長業を経験したという意味では貴重な経験でもありました

カンマネ失敗談を書こうと思った理由

せっかくの経験ですし、忘れてしまう前に自分の経験や失敗談、ラーニングが誰かの役にたてばいいと思い、カンマネ経験談について少しずつ書いていこうと思います。理想と現実もいろいろ違いますし、一般的な国内スタートアップの数と比べると、外資カントリーマネージャーの絶対数が少なく、業種や規模もバラバラだったりで、まだまだノウハウが少ないと感じたためです

こちらの本は、そういう数少ないカントリーマネージャーの実態や苦労がリアルに書かれていて、とても貴重かつオススメです。私も非常に共感ポイントが多かったです

カンマネについて、この本を読めば非常に理解が深まると思います。ですが、Uberという既にグローバルでは知名度が高く、サービスとしてはまだ日本にない物をもってくるという役割と、私の場合はまだプロダクトリリース直後で知名度ゼロ、かつビジネスメッセンジャーという意味では後発での立ち上げ、という意味ではやる(できる)事、戦い方、違うところもあると思います(すでにこの時点で勝ち目薄いことに気づくべきでしたが・・・)。そういったスタートアップのカンマネに興味がある人に、参考になればと思っています

カンマネの魅力と、求められる厳しい期待値

カンマネはハードな役回りですが、金銭的なリスクは負わずに優れたプロダクトを手にした状態で経営者としての経験ができる、という意味では良い選択肢かもしれません。グローバルな環境、世界の先端を行く各国の人達と近い距離で働きやすいというのも魅力の一つ。社長ですので、世間の社長ネットワークにも入り込んでいけるかもしれません

実際、私も割とそういう考えを持っていました。(今考えれば大分考えが編まなかったなと思いますが・・・)

しかしカンマネに挑戦し、成功したいのであれば、いくつか備えておくべき要素があります。単純に地頭の良さや行動力だけでも、営業力だけでも難しいです。もちろん、後から知識や能力を身につけることも必要ですが、カンマネに与えられる時間的猶予は非常に短いのです。

なぜなら、現地の事情に詳しく、手放しでいても、数多の問題を解決し、速攻で事業を立ち上げて数字を作り、ハイペースで事業と組織を成長させることを期待されているし、それが出来るはずということで採用されているのですから、時間かけて業界研究したりラーニングしようとしていると、「このカンマネは力不足だ」とすぐに見限られてしまいます。

日本を知らない本国が、そもそも非現実的な期待値を描いていたりすることもよくあるのですが、彼らもスタートアップであるため、資金も時間も限られていますので、必然的に要求水準は高く、そして短納期になっていきます

自分に足りなかった所も振り返りつつ、成功するために必要な最低限の要件は何かを、後により詳しくまとめてみようと思います

ちなみに、参考にすべき良い例は、経費精算クラウドのコンカーの日本事業の立ち上げをゼロから行い、今や経費精算といえばコンカー、行政を巻き込んだ改革をリードし、「働きがいのある会社」ランキングでもトップに輝く企業に作り上げた三村さんです。

長くなったので、一旦ここで切ります

次回は「カンマネの構造的弱点」について書いてみますが、
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