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小説「リーマン救世主の憂鬱」

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リーマン救世主の憂鬱 あらすじ 「加藤生留は35歳。独身で仕事にやる気のないサラリーマン。とにかく働きたくなく、やりたいこともないし夢もないし彼女もいない。 でも彼には唯一趣味… もっと読む
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記事一覧

小説「リーマン救世主の憂鬱」 最終話

「そうですか。悪魔が自ら。そんなことがあるとは」    教会に戻ると、神父は心底驚いた表…

SONE
4年前
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小説「リーマン救世主の憂鬱」 第25話

 会社での出来事をどうにか考えないようにしながら目黒の住宅街にたどり着いた。金曜日の喧騒…

SONE
4年前
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小説「リーマン救世主の憂鬱」 第24話

 同僚の転職活動は思っていた以上にうまくいっていなかった。  谷山は威勢良く10社ほどの…

SONE
4年前
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小説「リーマン救世主の憂鬱」 第23話

 「久しぶりですね。アザゼル」  神父は変わらぬ笑顔を浮かべていた。アザゼルも笑う。二人…

SONE
4年前
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小説「リーマン救世主の憂鬱」 第22話

 スポットライトを一度でも浴びた人間が、その場所を失いたくないという思いなど、そんな経験…

SONE
4年前
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小説「リーマン救世主の憂鬱」 第22話

 人生の憤りも寂しさも不安も、過ぎ行く毎日の中で溶けるような溶けないような。そして、俺は…

SONE
4年前
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小説「リーマン救世主の憂鬱」 第21話

 同僚達は皆、心を決めていた。 「転職サイトに登録したんだ」 「いいサイトってどこなんだろう」    やりたいことをするには力がいる。そのことを学び、そのための方法を考えた挙句の選択なのだろう。  そもそも俺たちの世代は同じ会社に何十年もいようとは思ってない。新入社員の時からそうだ。いつか辞めると常に考えている。  こうやって何もできない30代を過ごし、40代後半にやっと力を持つまで一つの会社にしがみつく気なんてサラサラない。  堪え性がないと言われればそれまでだが、早く

小説「リーマン救世主の憂鬱」 第20話

 久々に、そこまで憂鬱ではない出社だった。前の日に明日香に会ったおかげだ。 色々あったが…

SONE
4年前
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小説「リーマン救世主の憂鬱」 第19話

 目黒にあると言う明日香の所属事務所にシンと向かった。  シンはスーツの上からでもわかる…

SONE
4年前
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小説「リーマン救世主の憂鬱」 第18話

 何万人もの人の前に立つ気分など俺には想像できない。しかもその前で歌を唄うなんて地獄でし…

SONE
4年前
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小説「リーマン救世主の憂鬱」 第17話

 同僚達は意気消沈し、飲み直す事もなく「がんばろう」と言い合って散り散りに別れた。  教…

SONE
4年前
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小説「リーマン救世主の憂鬱」 第16話

 飲み会には谷山を始めとする同僚も誘われていた。 「会社をこうして行きたい」 「僕のキャ…

SONE
4年前
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小説「リーマン救世主の憂鬱」 第15話

 仕事が忙しすぎる。アホみたいに会社にいる時間が長くなってしまった。  もちろんこの原因…

SONE
4年前
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小説「リーマン救世主の憂鬱」 第14話

 オールして会社に行くことほど憂鬱なことはない。  夢魔を対峙したその日、俺は会社を病欠にする事にして神父の元に向かった。  夢の中にいたとはいえ、眠った気はまったくしてなくて体力的に限界だったし、俺が一人休んだくらいで会社は困らない。  教会に着くと、いつも通り神父が十字架を見上げていた。 「やはりそうですか。夢魔。彼らは厄介なんです。人間の夢の中にいるので感知も退治も非常に難しくて」 「もしかしたら出会い系アプリの制作者にも悪魔が取り憑いているのかもしれません。そのア