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雪の小樽でゴールデンカムイの世界を辿る

2024年、あけましておめでとうございます。

年明けから北陸の大地震、羽田空港の旅客機炎上と大きな災害・事故が相次ぎ、素直におめでとうと言える空気ではなくなってしまいましたが、今年もよろしくお願いいたします。

被災された方、事故に遭われた方々には、心よりお見舞い申し上げます。

年末の北海道旅行の話の続きになりますが、今回は小樽の話をしたいと思います。

小樽といえば、そう、ゴールデンカムイの物語の始まりの地でもあります。



小樽へのアクセス

小樽へは、札幌から日帰りで訪問が可能です。

所要時間は札幌駅から快速エアポートで32分、バスで約1時間です。

ちなみに、列車は小樽に近付くと海沿いを走行するので、車窓からは壮大な冬の海の景色を眺めることができました。

小樽に着いたら、小樽駅構内に観光案内所があるので、ここでガイドマップをもらっておくといいと思います。

雪の中の金カム聖地

小樽と聞いて思い浮かべるレトロな街並みは、駅から小樽運河に向かって600mほどの「堺町通り商店街」という通りになります。

運河の1本手前の通りです。

ゴールデンカムイの聖地となっているあの建物も、このエリアに建っています。

小樽駅

駅から出ると、まずは堺町通り商店街を目指します。

小樽の街は札幌以上に雪が降り、札幌以上に道路が滑りやすく凍結していました。

屋外では小幅で、何度も足が滑りそうになるのを踏ん張りながら、慎重に歩きます。

よってたかが600mくらいの距離が、えらく遠く感じます。

しかも深々と降る雪と、身を刺すような冷たい空気……

それでも小樽は人気観光地のようで、周りには外国人観光客(特に中国系&韓国系が多かった)を含むたくさんの人々が歩いていました。

やがて堺町通り商店街へやってくると、明治・大正にタイムスリップしたかのような街並みが目の前に広がります。

堺町通り商店会


この辺りにはオルゴール屋さんやガラス細工の店が軒を並べていて、観光客が足を止めて物色していました。


雪が積もり地面が凍結し、寒々としているのがわかるでしょうか?


そんな中、ゴールデンカムイに登場する建物がこちら。


大正硝子館
北海道小樽市色内1丁目1−8

鶴見中尉が「そこまで」と言いながら、天に銃を放ったシーンの背景の建物です。

これは、明治39年建造の「旧名取高三郎商店」になります。

左側に突き出た外壁は、「うだつ」と呼ばれる防火壁です。

作中では、このうだつの位置が反転していました。

そしてそのお向かいには……

小樽浪漫館
北海道小樽市堺町1−25


これは、旧百十三銀行小樽支店の建物です。

土方歳三が、金庫に納められた自らの刀を取り返すべく爆破した銀行のモデルです。

まんま作中の銀行の外観でした。

現在は「浪漫館」という、アクセサリーショップになっています。

堺町通り商店会にはこの他にも、観光客が喜びそうな工芸品の店やお土産店が多く点在しています。

通りの端には、北海道銘菓「ルタオ本店」も……

しかしながら、凍った地面を転倒に気を付けながら歩くのはもう限界です。

というか、ここまでこの日だけで3回すっ転びました(汗)

うち1回は後ろに転び、とっさに防御したものの、軽く後頭部を打ち付けてしまいました。

あれ、もうちょっと強打していたら危なかったです……

万が一人けのない通りで転倒し、意識を失ったら、氷点下の中発見されず最悪は……といった、命の危険とも隣り合わせです。

冬の寒冷地を旅行中、凍った地面を歩くときはくれぐれもご注意ください。

というわけで、最低限の名所しか見ていませんが、次へ行くことにします。

小樽で杉元佐一と同じものを喰う

小樽へ来たら、どうしても行ってみたいと思った店がこちら。

新倉屋本店
北海道小樽市花園1丁目3−1

堺町通り商店街より400mほど駅寄りの、「花園銀座商店街」という通りに位置しています。

鶴見中尉が捕えた杉元に「甘いものは好きか?」と訊いて振舞った、花園だんごの店です。

上記の「大正硝子館」の前で、銃を放った後のことです。

お店では杉元&鶴見中尉が食べた串だんごを、イートインでいただくことができます。

ショーケースの中の櫛だんご
小さくてわかりにくいが、左2種類の団子の中に、ゴールデンカムイのアクリルスタンドが立っている(笑)


イートインの場合、串だんごにプラス250円で飲み物を付けることができます。

だんごの種類は、黒餡、白餡、抹茶餡、ゴマ、醤油の5種類です。


私が頼んだのはごま&抹茶あんの団子とホットコーヒー
意外とコーヒーとの組み合わせも悪くない


杉元いわく、「唾液腺が弾けそうだ」(笑)

だんご生地が柔らかくもちもちして、甘さ控えめでおいしかったです。

そして店頭には、だんご以外にもたくさんの焼き菓子が販売されていました。
小樽土産の一つに、いかがでしょうか?

この店はどら焼きも有名らしい
私のおすすめは左奥の「樽都(たると)」
やわらかいカステラ生地に優しい味のクリームチーズが挟まっている
どこかの都市のお土産に似た名称の「小樽の女」
中身はカスタードの入ったカステラで、〇の月にそっくりだった(笑)


そして小樽といえば、杉元も食べた鰊そばです。

ただこの時、時刻は既に夕方に近づいています。

近所のそば屋を検索すると、多くは昼のみの営業です。

そんな中、夜も営業している数少ない店を見つけました。

そば処 こびやま
北海道小樽市花園3丁目8−18

脇道にひっそり構える小さなそば屋さんで、新倉屋本店さんから徒歩4分くらいです(雪道なので実際はもっとかかりましたが)

私がお店に入ると、まだ他のお客さんはおらず、店主のおじいちゃんが座敷でうたた寝していました。

まだちょっと早かったかな?と思いつつ、「すみません」と声をかけるが反応がありません。

大きな声で何度か呼びかけ、やっと目を覚ましてくれました。

「今、大丈夫ですか?」と尋ねると、「はいはい、いいですよ」と、あわててカウンター席へ案内してくれたので、さっそく鰊そばを注文しました。

お蕎麦を待っている間、ふと厨房の壁を見上げると「少々耳の遠い爺ちゃんですので、大きな声でゆっくりお話し下さい」と書かれた貼り紙が目に入りました……

待望の鰊そば
一人前1,400円

そばの上には、大きな鰊の甘露煮がどんっ、と乗っています。

鰊そばの元祖・京都では薄味が主流だが、小樽の蕎麦文化は関東風の濃い口が主流(ゴールデンカムイ作中の説明より)

鰊の甘さが、濃い目のそばつゆによく合います。

杉元いわく、「関東生まれの俺好みだな」
私も関東人なので同感です(笑)。

お会計の時、ご主人から「北海道の人ですか?」と訊かれました。

私は、「いいえ、旅行者です。横浜から来ました」と答えました。

するとご主人は、
「やっぱりね。地元の人は鰊そばなんて食べないからね。よそから来る人は、小樽に来れば鰊だと思うみたいなんですよ」
と笑って言いました。

さらにご主人は、
「観光客の方が来た時に鰊を切らしてると、ああ大変だ!ってね(笑)。
昔は鰊の甘露煮は、みんな自分たちで作っていたんですよ」
と話してくれました。

私は「観光客ってバレバレですね」と、笑って会計を済ませました。

お蕎麦に限らず、やはり地元飯は観光客が集まる店より、地元民に愛されていそうな小さな店の方がおいしくて居心地がいいです。

小樽運河のライトアップを見る

冬の小樽でぜひ見たいものが、小樽運河のライトアップです。
運河沿いが青い電球で鮮やかに照らし出されます。

今年は1/31まで開催されています。


暗くなるのを待ち、凍てつく空気の中を小樽運河までやってくると、運河の水面が青いライトを反射して、とても幻想的に輝いていました。

小樽運河ライトアップ

これは地元若者の恰好のデートスポットだろうと思ったら、運河の前を歩いて写真を撮っているのは、みな観光客ばかり(笑)。

地元民はこんな寒い夜に、運河でデートなんかしないのかもしれません。

小樽運河もゴールデンカムイの作中にたびたび登場しましたが、私が印象に残っているのは、月島軍曹がいご草ちゃんの思い出の品を投げ捨てたシーンです。


……半日間の観光で、雪と氷の中の街歩きとなったため、最低限のスポットを巡ることしかできなかった小樽旅ですが、一通りゴールデンカムイの足跡をたどることができました。
(余裕があれば鰊御殿にも行きたかったですが、小樽中心地から遠いため諦めました)

明治~大正の建物が残り、当時の面影がそのまま残っている街なので、まんま主人公たちの気分を味わうことができました。

ちょうど物語の始まりも、こんな雪の降り積もる小樽だったはず。

金カムファンの皆さんは、ぜひ一度お訪ねあれ。

鰊そばと花園だんごは必食ですよ(笑)

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