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ローマの世界6大猫スポット「トッレ・アルジェンティーナ広場」を訪問した話

突然ですが、2月22日は猫の日です。

近年の猫ブームのおかげで、すっかり日本に定着した記念日となりました。

2月に入ると、あちこちの企業が猫グッズや猫にちなんだ限定スイーツを販売し、一定の経済効果も編み出しているようです。
猫好きにとって、2月はテンションの上がる月となります(笑)

私は愛猫家でもあるので、旅行の際はよく国内外の猫スポットを訪ねたり、猫との出逢いを楽しむ旅をしています。

以下は、地中海の猫の楽園・マルタの猫スポットについて書いた記事です。

2月は猫の日にちなんで、猫スポットや猫旅についての記事を多く書いていきたいと思っています。

今回は、「世界6大猫スポット」でもある、ローマの古代遺跡についてお話します。



ローマの世界6大猫スポットは古代遺跡

世界6大猫スポットとは、CNNが選出した次の6ヶ所のことを指します。

  • 宮城県・田代島

  • 福岡県・相島

  • 米フロリダ・キーウェスト「ヘミングウェイの家」

  • トルコ・カルカン

  • 台湾・侯硐

  • ローマ・トッレ・アルジェンティーナ広場

いずれもたくさんの猫が暮らす猫天国ですが、日本の島が2ヶ所も選出されているのには驚きました。

この中の「トッレ・アルジェンティーナ広場」を初めて訪れたのは、2015年5月のことでした。

トッレ・アルジェンティーナ広場はローマ中心部にある古代遺跡で、テルミニ駅から#40のバスに乗車し、Argentinaで下車してすぐです。

現在は廃墟となっているこの場所に、当時は4つの神殿があり、古い神殿は紀元前4世紀に造られたと言われています。

英雄カエサルが暗殺された場所として知られる遺跡です。

有名なシェイクスピアの、「ブルータス、お前もか……」の舞台です。

トッレ・アルジェンティーナ広場
Largo di Torre Argentina, 00186 Roma RM, イタリア
広い敷地に古い石柱や石垣が残っている


ご覧のように、遺跡は周囲の道路より一段低くなっています。

現在、この遺跡に「人」は入場することはできません。

周辺の柵越しに、外から遺跡を覗き見るだけです。

そんな遺跡を見下ろすと、中にはたくさんの猫たちの姿が見られました。

トッレ・アルジェンティーナ広場の遺跡内
小さくてわかりにくいが、所々に猫の姿が確認できる
遺跡の中で昼寝する猫
石垣で黄昏ている雰囲気の猫
ここの猫は、人が近づいてもわりと平気らしい
あちこちに石垣や石柱が転がっているので、昼寝する場所には困らないだろう(笑)
外からしか覗けないのが残念だが、猫たちがみなゆったりしているのは、人が入ってこないからかもしれない
ここは人が歩ける通路だが、通路にもたくさんの昼寝中の猫が見られる


人が入場できない遺跡に、ご覧のように猫が好き勝手に出入りしているのです(笑)

そんな猫のいる遺跡を、上からなら360度どこからでも見下ろすことができます。

なぜ古代遺跡に多数の猫がいるのかというと、昔からトッレ・アルジェンティーナ広場には、猫を捨てていく人が後を絶たなかったそうです。

そしていつしか、この遺跡は野良猫たちの棲み処となりました。

ただ、ちゃんと世話をする人もいるらしく、通路には猫皿やキャットフードの空き箱が転がっていました(笑)

通路には猫にごはんをあげた形跡が……
遺跡に現れたマダムと、彼女について歩く猫
おそらく、定期的に猫の世話に来ている人だと思われる

この時は5月で気候もよく、多数の猫が屋外で気持ちよく過ごしている姿が見られました。

遺跡を一通り見物すると、周辺の観光名所に立ち寄って、この日は帰りました。

この界隈には、ナヴォーナ広場、パンテオン、トレビの泉等、一度は訪れたいローマの名所が集まっています。

猫と市内観光を、同日のうちに楽しむことができます。

ナヴォーナ広場
Piazza Navona, 00186 Roma RM, イタリア
この辺にはレストランやオープンカフェが集まっているが、値段は観光客プライスである(汗)


2度目の遺跡訪問で

その猫のローマ遺跡を再訪したのは、2018年1月でした。

元旦にローマへ到着した私は、やはり真っ先にトッレ・アルジェンティーナ広場へと向かいました。

元旦とはいえ、ローマ中心部は多くの人が出歩いていました。
さすが世界屈指とも言える観光名所です。

季節は変わって冬となったので、5月の訪問時と比べて、果たしてどのくらいの猫に逢えるか?

遺跡に到着すると、真っ先に目に入ったのは美しい三毛猫でした。

遺跡の柵の上にいた三毛猫

なんとモフモフした立派な毛並みでしょう。

そして遺跡を覗くと、5月の訪問時ほどではないものの、中でのんびりしている猫たちの姿が確認できました。

遺跡の石垣に、ぽつぽつと猫の姿が見られた。


猫たちは、新年を平和に迎えているようでした。
あの時と変わらぬ光景が見られて一安心です。

その時、足元の石畳を、1匹の白黒猫がうろうろしているのに気が付きました。

遺跡の周りの石畳をうろうろしていた猫


妙に人懐こくて、通りかかる人に甘えています。
私は気になって、その子の後について行ってみました。

すると突如、目の前に大きな看板が現れました。

突然目に入ってきた看板


目力のあるキジ猫の大きな看板で、矢印とWelcomeの文字が書かれています。

一体これはなんだろう?

以前来た時は見逃していたのか、このような看板があったことに気付きませんでした。

私はキジ猫の訴えるような視線に惹かれ、矢印の方へ進んでみると、下へ降りる階段を見つけました。

階段の下には別の看板が立っていて、そこにも矢印が書かれています。

第2の看板

WAY INの方へ進んでみると、そこにはプレハブ小屋のような建物があり、入り口には人が並んで、順番に中へ入っていくところでした。

私も列に並んで、恐る恐る中へ入ってみました……

謎の建物の入り口


トッレ・アルジェンティーナ・キャットサンクチュアリ

中に入ると、そこは猫のシェルターでした。
その名も「トッレ・アルジェンティーナ・キャットサンクチュアリ」

建物の中
奥には猫のケージが

中にはキャットタワーや猫皿やベッド、ケージが設置されており、たくさんの猫たちが過ごしていました。

まさか遺跡の地下に、このような施設があったとは。

建物の前に並んでいたのは施設の見学に来た人々で、来訪者は自由に中を見て周ることができました。

キャットタワー
水を飲む猫
ごはんや水は随所に用意されている
ベッドで昼寝中
背後に並んでいるケージには、病気等で隔離が必要な子が入っているらしい
建物は思っていた以上に広く、猫が遊ぶスペースも充分にある


遺跡に猫の保護施設が設けられたのは、1994年のことです。

先述したとおり遺跡に猫を捨てていく人が後を絶たず、野良猫で溢れていたころ、リアとシルビアというボランティアの女性が、遺跡の地下に保護猫シェルターを造り、猫たちのケアにあたりました。

これがトッレ・アルジェンティーナ・キャットサンクチュアリの始まりです。

そして今でも当施設は、遺跡の中で猫の保護に努めています。

開館時間は、毎日12~17時です。
元旦まで開いていたのには驚きました(笑)

それにこの施設、とても明るく、おしゃれなのです。

柱や壁にはかわいらしい絵が描かれていたり、インテリアにもこだわりが見られました。

柱に描かれたかわいい猫の絵
同上
ゴミ箱も猫仕様(笑)
年末年始につき、ケージにはクリスマスの靴下が飾られていた


これは見学に来た方もテンションが上がります。

そして施設内では、チャリティーグッズの販売も行われていました。

チャリティーグッズと施設の看板猫


どのグッズもおしゃれですが、年始ということもあり、私はチャリティーカレンダーを1部購入しました。

キャットサンクチュアリのチャリティーカレンダー
1部15ユーロ
標記はイタリア語(笑)

トッレ・アルジェンティーナ広場の猫たちを撮影した、センスのいい壁掛けカレンダーです。

年末年始に保護猫シェルターを訪ねると、このようにチャリティーカレンダーを販売していることがあります。

マルタの保護猫シェルターでも、年明けはチャリティーカレンダーを販売していました。


トッレ・アルジェンティーナ・キャットサンクチュアリ、2度目の訪問で、初めてその存在を知ることができました。

これも石畳を歩いていた人懐こい猫と、キジ猫の看板に導かれたおかげかもしれません(笑)

古代遺跡で悠久の歴史ロマンを感じた後は、じっくり猫と触れ合うのはいかがでしょうか。

猫たちに癒される上、ローマの保護猫活動の歴史を垣間見ることができる、愛猫家にはぜひ見ていただきたい施設です。

キャットサンクチュアリの活動について興味のある方は、下記Webサイトまで。


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