見出し画像

上村松園・松篁・淳之の展覧会へ

最近、加齢のせいもありますます眼が見えづらくなってきた。

右眼は黄斑変性症でもう治る見込みはない。左眼も見えづらくなってきているのはたぶん白内障だろう。

ここまで来ると、メガネをかけても外しても見えにくい笑

右眼がほとんど見えないので、左眼の白内障の手術をするリスクが大きく、医者は手術を勧めない。

そんなこともあって、何とか見えるうちに観ておきたいという心理が働き、最近は行きたいと思った美術館、展覧会にはためらわず行くようにしている。

昨日は日本橋高島屋で開催されている上村松園・松篁、淳之の展覧会へ足を運んだ。


親、子、孫と三代続けて日本画の美をそれぞれ追い求め、その功績で文化勲章を受章した。

松園は、格調高い美人画で1948年に女性として初めて文化勲章を受賞。
松篁は自然を描く新たな日本画表現を大胆にして1984年に受章。
自然の神秘を描写し続けてきた淳之が2022年に受章した。

それぞれのモチーフや画風は異なるが、描くことへの情熱や根底にある美意識が受け継がれ、現代に繋がれている。

1875年、明治8年生まれの松園。
この時代に女性が画家として生きていくのは多くの困難があったであろう。


その絵を見ていると邪念の起こらない、またよこしまな心を持っている人でも、その絵に感化されて邪念が清められる・・・・といった絵こそ私の願うところのものである。

芸術を持って人を済度する。
これくらいの自負を画家は持つべきである。                
       (棲霞軒雑記より)


という松園の言葉がある。

相当な覚悟を持って絵に打ち込んでいたことが想像できる。

私のように趣味で絵や音楽をのんびり楽しむ人間とは姿勢が違うのだと身が引き締まる。

これからは、もっと作者の意図を感じ取れるよう真剣に観覧しようと思った。

もちろんこちらはゆっくり楽しみながら😉

私は上村松園・松篁・淳之の絵画の気品のある色合いが大好きだ。

京都生まれの3人の絵画には、日本人にとっての美意識がとても感じられる。

実は、私の父は京都生まれだ。

父は私が5歳の時に病死している。
まだ40歳だった。

父の実家も現在は無くなっているため、私自身は京都には何回かしか行ったことがない。

京都の思い出といえば、中学生の時の修学旅行ぐらいだ。

私もこの歳(アラカン)になって、父はどんな風に育てられたのだろうか、また早世した父は生きていたら本当は何がしたかったんだろうかとふと思う時がある。

そんな気持ちから京都への憧れもあって、松園の美しい美人画に惹かれるのかもしれない。

歳をとってもまだまだいろんな発見がある。


この記事が参加している募集

今こんな気分

一度は行きたいあの場所

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?