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『ザ・パブリック・イメージ・イズ・ロットン』

2021年10月7日(木)

アップリンク吉祥寺で、『ザ・パブリック・イメージ・イズ・ロットン』。

ジョン・ライドンのドキュメンタリー。これ観て彼に対する印象、けっこう変わったかも。ああ見えて意外と情に厚くて友達思い、ひとが好きな男なんだね。ひとたらし的なところもあって、だから回りも彼をほっとかない。突き放す態度をとってるようでいて、(ある時期を除けば)オルタナティブに思えていた楽曲にもどこか親しみやすさがあったりしたのは、そういうパーソナリティ故だったりするのかも。皮肉屋で知られるけど、憎み切れない正直者。それ故、メンバーのちょっとしたことも裏切りに思えて許せなかったり。まあなんというか、実に人間らしいひとなんですね。

ジョン以外のバンドメンバーのパーソナリティがまあまあわかったのもよかった。とりわけ初期P.I.L.におけるジャー・ウォブルとキース・レヴィンの人間性と重要性。P.I.L結成時の無敵バンドさが光りまくっている。ライドンもやはりP.I.L結成時からフラワーズ・オブ・ロマンスまでの才気煥発っぷりがハンパなく、研ぎ澄まされまくり。それとピストルズ期からこの頃までのライドンは、顔立ちが非常に美しく整っていて、単純にめちゃめちゃかっこいい。ど初期のライブ映像でウォブルが「パブリック・イメージ」のあのベースを椅子に座って弾いて、後ろからライドンが登場するそのシーンとか、興奮しないではいられません。

そうしたP.I.L.の黄金期に加え、フラワーズ以降のライドンの心理的葛藤や再生に向けての努力はこれまでそんなに知らなかったので、「ああ、そうだったのかぁ」と。ずっとひとりの女性を愛し続け、メディアには絶対に出さないという一貫した姿勢も誠実で。なんか今更だけど、ひととして見直しちゃったところ、あったな。観てよかった。


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