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『離婚弁護士シン・ソンハン』感想|おじさんの友情と子役とラーメンとトロットに乾杯

忘れられない入院中のお見舞いは「おじさん図鑑」のじゅんぷうです、こんにちは。

韓国ドラマ『離婚弁護士シン・ソンハン』
全12話視聴終了しました。
え、終わりなの?
エピソード的にクライマックスとは思ったけど
これで終わりなの? 最後、若干の
肩透かし感はあったけど
毎週配信を楽しみにしていたドラマでした。

まず主演がだいすきチョ・スンウです。
チョ・スンウでリーガルものといえば
『秘密の森』ですが、
今回のシン・ソンハンは
『秘密の森』での検事ファン・シモクとは
首もげるぐらい真逆のキャラクター。

感情も表情も〈無〉
何か食べようとすると電話がかかってきて
たいがい食べられない
そんなシモクがあっての
よく食べよく飲みよくしゃべりよく歌う
ソンハンの人間臭さの描写は
何だかシモクが昇華された感があって
それだけでも見ていて勝手にカムサ~。

緊張感と難易度マックスの『秘密の森』は
また別としても
難しい訴訟に独自の着眼点と切り口で挑んで
見せ場の法廷バトルで華麗に勝利、爽快~! 
みたいな劇的なリーガルドラマは
本作には期待しないほうがよいかと思います。

ソンハンという人自体が
法廷での勝ち負けでは
白黒つけがたいあやふやなもの…
人間の感情、心に重きをおいているので
そういう意味での物足りなさはありましたし
悪役が役割として中途半端だったかも。

12話という尺では理解できるのですが
ドラマ内3悪の挙動には
「まだ何かあるはず」
「まだ何か奥の手が」
と身構えながら終わってしまった感。

ソンハンが担当するさまざまな訴訟ごとに
クズは存在しているけれど
物語を通しての3悪はこの人たち。

ヨンジュ(演ノ・スサンナ)
・ソンハンの妹ジュファから略奪婚
・大手法律事務所クムファの広報理事

パク・ユソク(演チョン・ベス)
・ジュファの離婚訴訟を担当した弁護士
・ジュファの離婚を機にクムファに所属

ソ会長(演イ・ホジェ)
・大企業テナム電子会長
・ヨンジュの舅

もうスペックだけで
ぷんぷん臭うじゃないですか。
ジュファとソ会長の息子の離婚、
そしてジュファの死にも
上ふたりが関連しているだろうという
あやしさはずっと示されていただけに、
もっともっと
仕掛けてこられると思ってしまって。

だって、パク・ユソクはチョン・ベスですよ?
上に貼った記事にもあるけど
ウ・ヨンウのパパで←弁護士になれたんだね
『秘密の森』のチーム長だよ?
ソ会長のイ・ホジェは
『秘密の森』でシモクの大先輩検事でしょう?

ラストに向けてのストーリーは
ソンハンの甥っ子であるギヨンの幸せのため
ヨンジュ夫婦からギヨンの親権を
叔父ソンハンが勝ち取ろうとするというもの。

ドラマでの1件目の案件だったのが、
不倫相手とのベッド動画が流出したラジオDJ
イ・ソジン(ハン・ヘジン)の親権訴訟。
彼女はその後、息子を育てるため
ソンハンの事務所で働くまでになるけど
ソンハンが大事にするのはいつも
親の離婚で傷つく子どもの気持ち。
だから派手な演出の法廷バトルではなく
見ようによっては地味なお話です。
このソジンが、ソンハンにとってもっと
必要不可欠な存在に描かれることを
期待していたので、それもやや残念。

けど、このソジンの息子ヒョヌも
ソンハンの甥っ子ギヨンも
これまた子役がすばらしい…!
このドラマ、派手ではないけど
すばらしいポイントがありすぎる。

何と言っても主人公の幼なじみ3人組。
いつもわちゃわちゃしているいい年した
アジョッシトリオ。
ソンハンの事務所で事務長をしている
ヒョングン(演キム・ソンギュン)。
同じビルの1Fで不動産業を営む
ジョンシク(演チョン・ムンソン)。

わたしだって職場の近くにこのラーメン店がほしいよ!ワインが飲めるラーメン店が!

キム・ソンギュンも好きな俳優のひとりで
どこにいても気になる存在ですが
今回もよかった。
バツイチになって傷ついた彼が
ラーメンをすする横顔に
ラーメン店のソヨンさんが突然惚れてしまう
あのシーンは最高でした。
ラーメンすするシーンがスローになるって、
モッパンドラマ以外であります?
あのキム・ソンギュンの真顔、お願いやめて。

ああ、カン・マルグム演じたソヨンさんも
いいキャラクターでした。
ふたりの関係は少しずつ進展しますが
ほんと中年にやさしいドラマです。
このラーメンも美味しそうで。

ジョンシクのチョン・ムンソンは
『賢い医師生活』でマンション詐欺に遭った
胸部外科のドクターでしたよね。
今回は不動産屋に。彼もアツい役でした。
この3人のおじさんたちによる癒しシーンが
このドラマのメインといってもいい。

そして、3人のシーンでもありますが
ピアニストから弁護士に転身したソンハンは
煮詰まるとトロット(演歌)を
爆音で聴いて歌うんです。
少しずつ彼の背景や事情も明かされてくると
ピアノはもちろんなんですが
このトロットがずぶずぶ刺さる。
最近のトロットは
演歌とは違った特徴になってきてはいるけど
心のいやソウルとしての位置づけは一緒でしょう?
トロットのエモさに気づかされたドラマでもありました。

ちょっとか~るく感想書くつもりが
長くなってしまいましたが最後に。
だいすきなおじさんのひとり、
キム・ウォネさんもいいおじさんで出ています!


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