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仏のような人

悟りを開いたような人。
今日そんな人と数時間過ごしました。

今日は西荻窪の音読道場の勤務でした。
初の作文指導をする予定だったので、勢い込んで行きました。
いつもより少し遅い8時40分くらいに西荻窪駅に着き、道場のあるV-netの前に50分くらいから待っていたらR先生が来ました。

R先生は若い男性の先生、待っている私を見て驚いたようでした。
鍵を開けてくれ、中に入ると流しで雑巾を湿らせて絞り、クイックルワイパーに装着して床掃除を始めました。そんな光景を見るのは初めてです。私も指示をもらいテーブルを拭きました。

V-netの中をぐるりと回ってテーブルを拭いているとあることに気が付きました。パソコンが一台もないのです。何時にどの生徒が来てどの先生が指導する、といったようなマーカーがたくさん引いてある表が置いてあります。

音読とサイコロ暗算が終わると子供たちはキャロムボードで遊びだしました。この後作文だからか憂鬱な表情の子が、
「1人×1人で対戦したい」と言い始めました。
R先生がすっとやってきて、「じゃあまず君が抜けようか、提案者である君が実践しないと」と静かに言うと、「2対2でやる」という返事が返ってきました。こんな穏やかに言うこと聞かないお子を聞かせちゃう先生いるんだ!

その後、作文指導をする相手の子は普段作文を習っている先生じゃないから帰ると言い始めました。R先生はまた静かに語りかけました。
「じゃあ、マンカラでもまずやって落ち着こうか」
マンカラを私もプレイしました。初めてだったので、その2年生に瞬く間に負けました。R先生はその子を作文に促します。
「R先生とやってから」
2年生が言うので、R先生はとんでもない強さでその子を打ち負かしました。その子はとても強い子なので、驚いたに違いありません。私はR先生が非常に美しい手つきでマンカラの玉を動かすのに気づき、それを言いました。

作文指導の時間はあと10分しか残っていませんでした。
R先生はその子を打ち負かした後に「10分で作文やろうか」と声を掛けます。その子は「こんな話にするんだ」とマンカラに以上に強い人のお話を考え始めました。「そのマンカラマンは非常に美しい手つきで豆を鼻に入れると思ったら・・・」と続けたら、一緒にマンカラを囲んでいた1年生が大笑い。すっかり気をよくして、短いながらもしっかりと結んだ作文を書きました。

R先生は一度も声を荒げることなく、終始穏やかに子供たちに語り掛け、子供たちが進んであるべきほうに行くようにしてしまいました。
松永先生とは違う印象ですが、この方も100%子どもの味方。
穏やかで悟りを開いているとしか思えない。

20ほども年下の彼に大変深く学ばせてもらった土曜午前。

そしてマンカラが非常に面白く、家でマンカラセットを作り、息子と心ゆくまで対戦し、夜遅く飲み会から帰宅した旦那さんと興じたのでありました。


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