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感想を述べる〜クリスマス休戦

クリスマス休戦。

第一次世界大戦でイギリスとドイツが戦っていた戦場で、クリスマスの日に両手を振り友好的に近づいてくるドイツ兵をイギリス兵は見つけます。相手が武器を持っていないことに気付いたイギリス兵は撃たずに自分たちもじめじめして冷たい塹壕からはい出し、彼らと一緒にサッカーに興じたり、サインや食べ物を交換したりしてクリスマスを楽しんだといわれています。

昨日、この「クリスマス休戦」を題材にしたオンライン授業を息子と受けました。先生は日本語音読指導者養成講座で同期の曾根田敦さん、武道の道場をされている人です。毎週水曜にリベラルアーツの授業があり、私たちは体験参加させてもらった形です。

身体をほぐし瞑想から始まった授業、息子も私もはじめてずくめ。
前準備が終わるとZoomの画面共有された地図を見ながら「世界地図を書いてみよう」これも新鮮でした。ざっくりと世界地図を描き、それからヨーロッパのドイツとフランスの国境をマーク。
第一次世界大戦に至るまでの世界情勢を曾根田先生が説明してくれます。第一次世界大戦についてはひとりの子がとうとうと説明をしました。息子は「すごいね」と感心していました。その子の説明はとても長くて大人の私でも把握するのが大変だったのですが、他の子たちは次々とチャットボックスに説明を受けた感想を入れてきます。「宣戦布告ばっかやん」などなど。みんな大した日本語了解能力です。

そしてクリスマス休戦。その前に第一次世界大戦ならではの新兵器などを皆言い合い、その兵器対策で塹壕戦であったことを先生が説明、その塹壕がいかに悲惨な状態であったかを兵士の手記から想像。そんな戦線でのクリスマスの日に起こったのが冒頭に述べた「休戦」でした。

「このことから、何がわかる?」

先生はみんなに問いかけました。
「戦争はいけない」「戦争をしたいのは上の人だけ」いろんな意見が飛び交い、チャットが埋まりました。
末端の兵士はみんな戦いたくないんだ、と私も思いました。
肝心の息子はなかなか感想が出ないようでした。やっと「塹壕の中は冷たくて足が凍傷になっちゃう、戦争やっちゃいけないと思った」と書き込みました。その前に「クリスマス休戦のことを知れてよかったです」と書こうとしてましたが、それは感想とは言えないんじゃないかなと私に阻止されました。

「~が知れてよかったです」
この文言は息子の学校のプリントによく書かれています。たまに指摘しても事態は変わらず、もう六年生になってしまいました。学校の先生の花丸が横についています。自分の責任を棚に上げて、学校はこういうの何とかしてくれないものだなあと思います。

「感想を述べる」こと。
知識一辺倒な息子には難しいのかもしれません。この子には感性がないのか、ということではなく、これも自然に出る子もいれば出ない子もいるのだと思います。学校では感想を書く機会はあるけど、いつも「~が知れてよかった、すごかった」で終わり。これ、気にしなくてはいけないなと思いました。自分の気持ちを表現できるようにさせてやる。そういえば先日松永先生が子供に作文を書かせるには、その子に「好奇心」を持つこと、よく「観察すること」と話されていました。

毎日息子にこうしようというヒントが見つかります。
そしてこれはみんな日本語音読指導者養成講座で学んだことから出てくるのです。
日本語音読を通して息子と向かい合うことで、なんて豊かな時間を手に入れられたことでしょう。

今日、息子は探究学舎のオンライン授業で永遠に証明できないといわれていたフェルマーの最終定理を証明した数学者ワイルズのことを学びました。ふと思い立ち、「どうだった?」と聞いたら、「すごいと思った」とお決まりの感想が返ってきました。

これが少しずつでも変わるように、私の「好奇心」と「観察力」が盛り上がらないと。そして音読を進める。

冬休みが楽しみ♬




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