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誰でも暴君になる可能性を秘めている!?キングダムから学ぶ社会人の心得

先日観に行った実写版「キングダム運命の炎」は面白かった。キングダムの世界へ一気に引き込まれていく壮大なスケールは素晴らしく、原作を知らなくても充分楽しめていた。

それが、ふと...

ここ1週間体調を崩してしまったせいで自宅に引き篭り、布団でコロコロしながら不意にNetflixを起動してみたところあなたへのオススメにアニメ版キングダムが挙がってきた

何となく、ポチッとして観た

そして...

すんごい、面白かった!

心配になるのは今後、どこまで実写化が可能なのか…

Netflix以外でも広くサブスクで配信されている。アニメは映画で端折られていた部分がきちんと観ることができるため深く楽しめてワクワク。

と同時に

「2,000年前の史実の中には人として学べることがいっぱい」で感動してしまった。小学生の頃アニメ三国志にハマり、派生して「三国志演義」の読書感想文を書いたのは良い思い出だ。
「劉備と関羽、張飛の友情」に喜んで
「曹操がいる魏国は悪者であり弱小国である蜀を応援するんだ!」
と盛り上がっていた。
三国志は蜀の目線から描かれるので魏が悪者のように感じてしまっていた。しかしながら歴史を楽しく学べたため、親がいつもより微笑ましくアニメ鑑賞を許してくれたのが懐かしい。

今人生2度目の「中国史ブーム」が来ている。キングダムは三国志よりも更に数百年も遡る春秋戦国時代が舞台だ。主人公は「秦国」出身の信(李信将軍)であり嬴政(後の始皇帝)との絆が随所で観られる場面は胸にジンとくる。ただ、子供時代と異なり現在の私はこの二人の友情に涙して終わるほど短絡的な考えではない。

大人として、社会人として学べる部分がある

そういう心境に陥って鑑賞すると
人間の本質に思いを馳せたくなる

そんなわけで、本日のnoteはキングダムから学べる大人の心得について。投稿主が現代にも通ずると感じるエピソードについて呟きたい。

悩みながら転職を繰り返すベテラン将軍と若い力の台頭

廉頗(れんぱ)将軍という武将がシーズン2で登場する。
彼が所属する国は

趙→魏→楚

2回国替えをしている廉頗将軍

である。

山陽の戦いにおいてはに所属しており、敗戦した事で国から追放されてへ移住している

人生の前半は趙国で武功を挙げて名声を轟かせていたが、次第に趙国王との相性が悪く、武将として戦争に出陣する機会に恵まれなくなる。
ついに、廉頗将軍はその待遇に納得ができずにへ亡命。

現代でいうところの転職
キャリアチェンジ

新天地の魏では、ライフワークの「将軍業」に邁進したいと奮い立つ。山陽の戦いは、その結果を披露するに相応しい舞台だった

戦にかけては大ベテランの廉頗将軍

しかし、敗戦

一方、対戦国の秦は蒙驁軍が纏める将軍らの人材が豊富だ。
王翦(おうせん)や桓騎(かんき)という頼もしい将軍の元に下記の若手が控えている。

そう、キングダムの主人公群

飛信隊を率いる信 
→キングダムの主人公
楽華隊の蒙恬(もうてん)
玉鳳隊の王賁(おうほん)

若い力の台頭

この3人は史実で秦王政の中華統一への貢献度が高い。

結果として、山陽の戦いは秦が勝つ

能力の高い若手を擁する秦国は頼もしかった

秦は武将の層が厚い
次の世代も育っている

まるでサッカーW杯のサムライジャパンのように敵を討つべく良作を練る秦の武将達

と、だいぶ前置きが長くなったところで...

廉頗将軍が秦に負けた時のセリフが印象的である

「ワシは既に趙を去るときに終わっていたかもしれん」

廉頗将軍は「国に忠誠を尽くす」より「戦」で闘うことに誇りを持っているタイプに見える。

だからこそ魏へ亡命してまで戦に出向きたかった(転職1度目)
転職をしたお陰で自身の能力がわかった、前職の上司(趙国王)の判断はそれなりに正しかったのだ。
現在の上司(魏国王)は即戦力として廉頗将軍を採用しているので、これから育てるようなことはなく敗戦の責を取らされる。(転職2度目)

なんか、世知辛い 泣

廉頗将軍は現代ならば、優秀なフリーランスのプレイヤーだ。

合従軍の戦い、各軍は互いの利益に応じて手を組む

シーズン3に進むと合従軍の戦いが始まる。

合従軍とは...

中国の戦国時代の外交策。
転じて、状況に応じて各勢力が結び、また離れる様。

weblio辞書

今回の合従軍は秦を倒すために結成された軍で

趙、楚、魏、韓、燕の5カ国が
連合する(斉は不参加)

1対5なんて不利すぎる状況!
敵群には
趙の李牧(りぼく)と
楚の春申君(しゅんしんくん)という優秀な知力、武力を兼ね備えたチームが秦に挑んでくる。

秦にとって最大の危機

でも視聴者は知っている

秦が強いことを

史実を知っている

秦がこの後、中華統一をするから
「勝つ国」であることを知っている

キングダム史上最大、面白い合従軍の戦い

勝つか負けるか、よりも

どうやって秦国が合従軍を駆逐するかを楽しむのがキングダム

両軍の知略を凝らした策が面白い

井蘭車(せいらんしゃ)って初めて知った!

井蘭車 車輪のついた巨大な櫓

櫓の中にハシゴが内蔵された新設計

昔の人ってなんて頭イイの!!

2,000年以上前にこんな櫓を開発できる知恵が素晴らしい

秦の都、咸陽に聳え立つ不落と云われる「函谷関(かんこくかん)」の国門が崩れる時がきた。

井蘭車の内部は階段があり、兵士が城壁内に移動する通路となる。同時にハシゴも内蔵されているので、今回のように城壁に届かない場合は橋を架けて侵入が可能になる優れもの。

アニメでは魏の呉鳳明による発明とされていたが史実では秦の王賁が井蘭車をお家芸として使っていたらしい。

秦を討つために複数の他国同士が手を組む戦い

太古から人はどうして戦をやめないのだろう

秦は中華統一をした僅か10数年後に滅びてしまう、なんて儚いことか

為政者の欲が進むほど一般民は疲弊するのは現代も一緒だ。

呂不韋(りょふい)の成り上がりがコワイ、超優秀なコンサルのよう

一介の商人から秦のNo.2にまで上り詰める男、呂不韋の欲がすさまじい。嬴政が王でありながら、長らく実権は彼が握っていた。隙あらば嬴政の暗殺を目論み虎視眈々と頂点を目指す。

驚くのは、嬴政の実母が呂不韋の元婚約者であったこと

そして、呂不韋と嬴政の母が不倫関係であること

さすがに不倫がバレるのはマズイと危惧した呂不韋は、ニセ宦官の男を嬴政の母にあてがう狡猾さ

驚きの連続である

呂不韋は計画的に、勝算を持ってコトに当たっている

趙国の人質時代の子楚(嬴政の父)に目を付け、世話をして先に恩を売り
実権を担う

計画的に先を見通せる優秀なコンサル

だいぶ悪どいけど 怖

国内の政治と外交を一手に掌握する
呂不韋はクーデターを起こすものの「王」にはなれずに最後は自殺をしたと見られている

私欲のためには手段を選ばない男の最期があっけない。

誰でも暴君になる可能性がある?国家統一前と後は求められる能力が違う

群雄割拠した戦国時代を制した秦。
国内に呂不韋という敵を抱えながら王である嬴政は更に用心深くなる。

中華統一した後は自らを

始皇帝

と名乗り、「王」より上である事を
対外的に宣言。
キングダムに登場する嬴政は思慮深く勇敢で聡明な人格者に見えた

史実に残る印象とは違う
殊更に匈奴(モンゴルの遊牧系騎馬民族)を恐れて万里の長城を建築し民は疲弊、思想弾圧の焚書坑儒で対象者を生き埋めにするなど残虐な行いの記録と遺産が残っている

てっぺんを獲るまでの能力
てっぺんを獲ったあとの能力

いかに求められる能力に違いがあるかを記録した文献がある。
中国の唐の時代に編纂された
「貞観政要」だ。徳川家康も江戸幕府を治めるにあたりこの書を参考にしたと伝わっている。

この本には王の「しくじり記録」が書かれており、長い治世のためには

「人の意見を聞く大切さ」

が肝要であると教えてくれる。
てっぺんを獲った後はひたすらに謙虚な姿勢を保ち、自分に苦言を言う人を疎ましがらずに受け入れよう

秦の始皇帝に及ぶ短命政権の所以についても記載されているのだ

この本はあくまで「指導者」の取扱説明書であるものの、誰にとっても読むべき本だろうと思う。自分にとっての現在の上司や先輩に対する態度はどう在るべきかを考えてみたり、小さなコミュニティで自分も先導する立場になる日があるかもしれない。

日常には大小様々な上下関係があるのだから、学ぶべきことは沢山

知らない間に自分は暴君になっていないか?

を心の中に問うていきたい。

キングダムで信や嬴政が華々しく活躍するのを楽しく視聴しながら、そんな事を思い耽る8月の猛暑の朝。

今日も明日も暑いけど頑張ろう!

Junko Summer




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