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永遠の都ローマ展@東京都美術館

東京都美術館
2023年9月16日(土)〜12月10日(日)
福岡市美術館 
2024年1月5日(金)〜3月10日(日)

永遠の都ローマ展 開催期間

永遠の都 ローマ展
Rome, the Eternal City

行ってきました。
既に沢山の方が詳しいレポをしてくださっているので今更ですが...備忘のために記録します。

基本的に写真NG 唯一撮影可能である作品は2つだけ

モエシアの艦隊(トラヤヌス帝記念柱からの石膏複製)
デケバルスの自殺(トラヤヌス帝記念柱からの石膏複製)


美術館2階に展示されている上記の2点のみ撮影許可が下りています。この2つのレリーフはトラヤヌス記念柱の一部であり、ナポレオン3世の依頼で復元されています。高さ38mあるトラヤヌス記念柱は物理的に目が届かず細部を鑑賞できません。今回は肉眼で帯状彫刻の一部を観覧できる貴重な機会でした。レリーフ上下のラインは緩やかなカーブ状になっていて、実際の柱では螺旋状にレリーフが繋がっていることが想像できます。

奇跡の初来日カピトリーノのヴィーナス

奇跡の初来日といわれるカピトリーノのヴィーナス。ローマの地を離れるのはこれで3度目だそうです。1度目はナポレオン統治下時代にルーブル美術館へ運ばれ、2度目は米国ワシントンのナショナルギャラリーの展覧会。今後、このビーナスがイタリア国外へ出品されることはないだろうと云われています。美術館1階へ上るとすぐにヴィーナスが見えます。実際のカピトリーノ美術館では八角形ドームの部屋(キャビネット)で展示されており、それを踏襲して東京でもヴィーナスを中心に六角形の空間が演出されています。さらに粋な計らいを発見!ビーナスの足元、床の模様がカンピドリオ広場の楕円模様があしらわれていました。ヴィーナスは恥じらいのポーズをとっています。360度ぐるっと観察できるのも眼福でした。肌の質感や束ねられた髪の毛、どれも美の象徴。お尻の上にはエクボがありました。このエクボを含め臀部にキレイな菱形が発見できます。この菱形が「美尻の黄金比」だそうです。

カピトリーノの牝狼

ローマ建国神話の象徴カピトリーノ牝狼は美術館へ入ってすぐにお目見えしました。この像を含む4体が寄贈されたことによりカピトリーノ美術館がはじまったと伝えられています。ローマを建国した兄弟ロムルス・レムスの伝説をあらわしており、日本でいうところの古事記の神話、イザナギとイザナミのような存在でしょうか。私にはふと、もののけ姫が思い浮かびましたが…(山犬にそだてられた少女サン)
ローマの起源といえばコレ!という存在で、セリエAのチームロゴにも使用されているほどローマ人の誇りであり愛されている像だそうです。

ロゴ可愛い

カンピドリオ広場は天才ミケランジェロが設計

ミケランジェロが設計したカンピドリオの広場。古代の建物が不揃いに建てられていた場所は天才ミケランジェロの設計により芸術的に美しい広場となりました。位置が不揃いの建物を「台形」に配置取りをして広場の枠を設計しています。中央に「円」ではなく「楕円」の図形模様を施すことで不揃いの違和感を感じることなく奇跡のバランスを保ち、昔の建物を崩すことなく活かして融合させる心意気が素晴らしいです。

コンスタンティヌスの頭部

まずサイズの大きさに驚きました。頭部だけで約1.8mあります。しかもこの迫力ある顔立ち。頭部だけではなく、左足や左手の複製も展示されていました。これらを繋げていくと12mの巨像になります。鎌倉大仏が台座を含めて13.35mなのでだいたい同じくらいのサイズになります。このサイズを天井が高くない屋内の部屋でみるとインパクトが大きいです。今後もさらに修復、復元する試みが続いているようで楽しみです。

ローマ教会の擬人像

ローマ教会が絶大な権力を誇っていた時代にローマ教皇インノケンティウス3世が発願して作られたモザイク。ヴァチカンの旧サン・ピエトロ大聖堂内を飾るモザイク装飾の一部だったそうです。顔の輪郭線、モザイクタイルの彩りやデザインに至るまで素朴且つ可愛らしい仕上がりで癒されます。雄々しい彫刻を鑑賞する合間にほっこりする作品です。

ディオニュソスの頭部

美術館2階、展覧の後半にさしかかるとこの像に出会えます。この像に既視感があるのにはワケがあります。学校の美術室や絵画教室でこの像のレプリカが使用されているそうです。なるほど、無自覚にこの像を目にしていた…デッサンをする時の教材となるディオニュソス像、そのオリジナルが鑑賞できます。

ミュージアムショップにて

1,500円

数枚のポストカードと共に購入した本がこちら。ローマ帝国の繁栄の歴史やカピトリーノ美術館の展示作品解説がいっぱい。オールカラーでとても見やすく読みやすい内容でした。
今回の展示
「永遠の都ローマ展」の次は

「テルマエ展」

テルマエ展は現在、大分県立美術館で開催中。2024年4月6日から東京、パナソニック汐留美術館で始まります。

行かねば!

Junko Summer


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