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Episode5:避けては通れない申請問題

前記事のEpisode4はこちらから。

また全エピソードはこちらから!

自分の大好きな飲食店はじめ全国のお店を守るためにできることを考え、「各店が自走できる仕組み作り」を志しました。

全国の飲食店の完全無料自社ECサイト作りを目指す「無料通販化計画」
FREEC Shop Project

このプロジェクトは、
大好きな飲食店を救いたい思いで走り出した僕と、そこに共感してくれた安藤さんと、全国飲食店の皆さんのお店が、自分たちで無料で全国に商品を販売できるページ作りの仕組みを作ったお話です。


前回のMTGを受けての僕ができること

前回のMTGでページの大方針が決まったので、あとはお店との進捗の共有に。

前述の確認事項に沿って、打ち合わせ。

・保健所への通販申請のスケジュールの確認
・使える決済手法の確認(Paypay、LINE PAY)
・店舗HPのサーバーへのアクセス可否
・出品するメニューと金額
・サイトに使用する各種画像の手配

やはりここでも一番ネックになるのは「通販にかかる申請」。

Qはこの時すでにテイクアウト・デリバリーなどは行っていましたが、それは「いつもお店で出しているものを調理して提供すること」なので、通常の飲食店営業許可である程度行うことができるそうです。


通販は店内提供とは異なり「誰がいつ食べるのか」がわからないので、
商品に「賞味期限」や「アレルギー食材表示」、「製造責任者」等の記載する義務があるそう。。

ここで僕は、このプロジェクトの肝になる申請に関して調べてみました。

※渋谷区保健所に実際に電話で伺った内容をまとめています。
※あくまで、東京都をベースに記載をしています。
※各都道府県により条例が異なる場合があるので、必ず最寄りの保健所に確認をしてください。


通販開始にあたり必要な申請

実際に通販を行うにあたって、どんな申請や手続きが必要なのか?を、今回は渋谷区保健所に聞いてみました。
(既存で営業している飲食店が対象なので、飲食店営業許可と食品衛生責任者は申請している前提です)

(参考:東京都の保健所一覧)


結論から言うと、
食品を通信販売で売るためには、飲食店の営業届とは別の申請を管轄の保健所に出す必要があるそうです。


通販に関わる主な法律は2つ。

<食品衛生法>
飲食店の営業届を含めて申請を出しなさい、というもの

<食品表示法>

賞味期限やアレルギー食材表示、製造責任者をラベルに書いて、というもの

なので、通販に関しても申請が必要なものは「食品衛生法」になります。
(表示法は、きちんとみんな守ってね、というものと認識しています)


食品衛生法を満たして通販を行うためには「各種製造業許可」が必要です。
販売する物によって異なるので、詳しくは管轄保健所に問い合わせてください。


(東京都の申請に関してまとまった資料、https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/shokuhin/kyoka/files/2019tebiki.pdf より引用)


また、この許可をとるためには必要な要件がいくつかあるそうです。

・飲食店として必要な設備が全て整っていること
飲食店の営業届けを出しているので問題ないはずですが、通販だけの申請でも設備は全て必要のようです。

・キッチンがフロアと区切られていること
汚染を防ぐために、壁や板で区切られた「キッチンエリア」が明確にないとこの申請が通らないそう。


一般的な「飲食店」と言われる、キッチンで調理をして店内で食事を振る舞っているお店に関しては、通販を行うときに「店舗で調理した料理(又は仕込みの段階の料理)」を冷凍して販売すると思います。

カレーやパスタソース、煮物、餃子などがわかりやすい例ですが、かなり多くのものが「惣菜」として扱われる様子。

つまり、「惣菜製造業許可」を取れば、多くの食料品の通販ができるようになります!

お肉や魚、乳製品などなど、細かく分けると28の製造業があります。
必要な申請の詳細は、保健所に確認してください!


ただ、この話は加工したものを販売する場合に必要な申請です。

素材をそのまま売る場合は「各種販売業許可」が必要です。


ただ、こちらは7種類しかないので、当てはまらない場合申請は必要ありません。(肉とか魚などは必要、野菜は必要なし)


実際の申請の進め方

4/28時点で渋谷区保健所の方に聞いた話です。
詳細は各自管轄保健所に問い合わせてみてください。


・必要な書類
基本的には、各管轄保健所のホームページに「営業許可申請」という形で掲載されているようです。
飲食店の営業許可同様申請を行ってください。

<渋谷区の場合>
https://www.city.shibuya.tokyo.jp/jigyosha/eisei/shokuhin/eigyo_kyoka.html
・必要な期間
書類提出後、通常時は1週間で審査を行ってくださるようです。
実店舗への立ち合い検査が最後に行われ、問題ない場合は翌平日に許可が降りるそう。

ただ、現在はコロナウイルスの影響で、若干長い可能性があるそう。
大体2週間程度が目安と言っていました。
・コロナウイルスに関わる特例など
基本的に、この申請にコロナウイルスに関わる常勤緩和とかはありません。
通常通りのフローで申請をしてください。


本当にみんな申請しているの?

この章は小口の独り言です。。

今の状況で通販を始めたお店が全て申請をして、許可が降りた後に営業しているかというと…だと思います。
きっと知らずにやっている方も多いでしょう。

とはいえ、法律に関わることなので、申請は必ず行ってください!
ここで違反してお店が閉まったら、元も子ももありません。

ただ、生活に関わるほど苦しんでいる飲食店さんもあると思います。
そんなときは無断で開始するのではなく、一度保健所に相談してみてください!

僕も初めて電話して気づきましたが、保健所の方も苦しんでいる国民の一人なのです。

申請がなくても販売できる商品など、手取り足取り教えてくれますので是非お試しください!

今回参考にした、厚労省からの資料もこちらにシェアします。

営業許可制度の現状について


申請関連のまとめ


・「農家直送」など、加工しない食材を送る分には問題なし

・飲食店が売るであろう加工品は「各種製造業許可」が必要

・おそらく「惣菜」で申請すれば、幅広く対応可能

・申請は管轄保健所ホームページの様式から

・約1週間(コロナで忙しい今は2週間程度)で許可がおりる

・自治体の条例ごと内容が異なるので、詳しくは管轄保健所へ!


そしてQの通販が驚きの事態に

なんと、、、
保健所にも確認したところ、Qは通販ができないことになりました。。

と言うのも、Qはスタンディングバル。
キッチンがロの字の客席のド真ん中にあるのです。。

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前述の通り、仕切られていないキッチンなので申請が下りず、、

なので、いまQは近隣の許可が降りているお店を探して共同で販売することを画策しています!
こちらは別途案内しますね。


全国の飲食店さんに知ってもらいたい!

ただ、僕らがやりたかったのは、Qはもちろん全国の同じ悩みを持つ飲食店を助けること。
だからこそ、今回は全て無料で僕たちの歩みを公開しています。


全エピソードはこちらから!


申請に関しても、改めて保健所に電話して確認しておりますのでほぼ合っているはず。(何かあればコメントでお教えください。。)

全国の飲食店の皆さんが、きちんと申請して販売ができて、美味しいお店がいっぱい営業できますように。

少しでもみなさんの役に立てればと思っています。


次回は、実際のページ全体を公開するまでを安藤さんに記載いただきます!乞うご期待!

つづく。



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