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 日の出寸前、海の向こうに黎明を感じながら、大きく息を吸い込んだ。
 冷たい空気が一気に入って、気管支から肺胞までも、氷の粒を取り込んでしまったかのように思える。
 弥山は細く息を吐きながらしゃがみ、無線を耳に突っ込んで、相手の動向を探る。
 

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