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【流行】私はしくじり猫マンガ編集長…。

「流行をなめてはいけない!」
私は7~8年前、猫マンガ雑誌で
しくじってしまいました。

その頃、猫マンガ雑誌が
群雄割拠していて、
色々な出版社が競い合い、
月に10冊くらいは出てた。

一番人気のある雑誌は、
「ねこぱんち」だったけど、
二番手、三番手以降は
ドングリの背比べでした。

私も何かやるなら、
猫マンガの雑誌を作ってみようか?
「ねこぱんち」だって、
追い抜けるんじゃないか?
一流作家にお願いして、
看板作家をズラリ揃えたら、
負けるはずがないにちがいない!
いや、絶対に負けないぞ!

とかなんとか、上司に言ったら
じゃあ行けえ!となった。
私は人生で初めて、
「編集長」なる称号をいただいた。

正直、ちょっとビビりました。
そんな急に、上司がゴーサインを
出してくれるとは思ってなかった。
今思うと、準備不足だったかも…。
涙。

でも、猫ブームも
いつパタリと静かになるかわからない。
のんびり構える訳にもいかなかった。

ああ、初めての「編集長」。
正直、自分ができるだろうか?
ぜんぜん楽しめていなかった。汗。

さあ、いざ、猫マンガ雑誌創刊。
確かに、書いてくださった方々は
贅沢なラインナップになりました。
でも、なかなか苦戦に苦戦。
あれ?あれ?あれ?
「ねこぱんち」に負けない
豪華な作家陣の日常的な猫エッセイが
ズラリ読める一冊なのに。

でも、猫マンガ業界は、
実は私が分け行った頃、
大きな潮目にあった…。
それに私は気づいていなかった。
バカですねえ。汗。

猫マンガ業界は
それ以前から、つまりブーム前から、
色々ありました。
人気作家が飼ってる猫と自分のことを
ふわふわとライトに書いてく
猫エッセイ漫画は、
人気マンガ家の日常も知れるし、
リアルに猫のことも知れて
マンガ読みには、
たまらない読みものでした。
最初はゆるふわ実話エッセイが主体。

でも、まあだんだん読者も、
ゆるふわ猫エッセイばかりで
ちょっと飽き始めていきました。

業界一位の「ねこぱんち」は
何十ものショートばかりでしたが、
ほとんど全部、
フィクション、物語ばかりでした。
エッセイはなかったんです。

私は、猫マンガ業界に入る時、
ちょこっとしたフィクションより
人気も実力も高い猫好き作家の
エッセイが圧倒的に強いと考えましたが、
フィクション漫画中心の
猫漫画ブームに変わり始めていた。

私は悲しいかな、
その潮目の見分けがつかなかった。
ああ、あれは悔しかった…。
当時は、どこを向いても
漫画、ドラマ、映画、色々と
猫だらけでした。
イケると思ったんだけどなあ。
涙。

猫マンガ業界なんて、
ニッチなマーケットですが、
どんな業界にも色々な事情が
あるみたいです。

今、猫マンガ業界は、
もう縮小されました。
「ねこぱんち」がかろうじて
出てるけど、部数もすっかり
おとなしい感じです。

今は猫ならいい訳ではなく、
猫なり飼い主なりが
魅力的なキャラクターに
造型されているか?次第ですね。

つまり、マンガ本来の条件に
戻ったんですねえ。
一時期は、猫も杓子も
「ねこねこねこ」でしたが、
今は、流行りには関係なく
猫を描きたい人が描いている。

ブームの見極めには、
つくづく気をつけなくては…。
はあ。

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