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先生!その取り組みの効果は?

新年度になり,さまざまな教育活動が始まっていることと思います。教育現場の場合はPDCAを繰り返しながら,活動を振り返っています。しかし,そのC(チェック)の段階では,それぞれの先生方の感想や考えをもとにしたアンケートで意見を集め議論して次に繋げるという内容になっています。学力調査などは数値で分析をしますが,実は教育活動を数値化して統計的に分析することはなかなかできていません。つまりその教育活動が「効果」があったのかについては印象で決めていることが多いということです。

そこで私は教務主任だった際には,取り組みを客観視するため,またA(アクション)して新しい活動にシフトするさに,参考となる数値化したデータを参考にしています。そのデータは「教育の効果〜メタ分析による学力に影響を与える要因の効果の可視化〜」という本を参考にしていました。

各項目ごとに教育の効果がバロメーターで示されています。効果的だったかどうかは,数値が低いと意味がなかったというわけではなく、実施すべきではないということではありません。逆効果,発達的な効果,教師の効果,望ましい効果というように段階で分かれています。指導による,条件によって結果が違ってくることもあります。どうしてそうなったのかや,どうすれば良いのかまできちんと説明がされているので,非常に参考になります。代表的なものを少しご紹介します。

1,学習目的を重視した学習

学習の最終目的を明確にしておき,子どもたちと共有しながら授業を進めていくことが現在の学習指導要領ではま求められています。OECDが示しているEducation2030でも「学びの羅針盤」ということで一人一人が課題の目的やゴールを明確に持つことが大切にされています。「がんばれ」というな目標よりかは明確に具体的に示すことが大事です。また、概念地図というような内容と過程,構造などを見える化したほうが望ましい成果が出るとの分析です。

2,解法付きの例題の提示

算数の教科書などは単元の主たる課題を例題として挙げて,その解き方を手順などを示しながら書かれています。このような指導方法は望ましい効果が得られるという分析です。複数の例題をあげたり,例題を演習を組み合わせることでより効果が高くなるとのことです。教科書はよく分析されているということです。

3,フィードバック

学習の「ふりかえり」ということがたくさん教育現場では行われています。フィードバックの学習方法です。こちらの学習効果も望ましい効果が得られています。特に映像教材での復習,目標達成とともにふりかえるもの,学習を喚起するふりかえりなどはより効果的でした。しかし,授業者の語りのフィードバックは効果があまり良くなかったようです。問題はふりかえりをする子どもたちの受ける姿勢が重要だということです。

4,チームティーチング(T .T)

チームティーチングは日本のいろいろなところで行われているものの,実はあまり効果的ではないとの分析でした。これはデータに誤差が多く,方法や教師による振れ幅が大きくあったからです。つまり,チームの体制や教師の授業力に左右されるのです。組織的に体制的にT .Tはきちんとやり方を考えないといけません。

5,能力別学習集団の編成

こらはよく学習塾などで編成されていることが多いように思います。私が子供の頃はそんな編成でした。こちらの場合は,発達段階によるということで効果はあまりみられないとのことでした。公平性に欠けるということだけではなく,意欲に関わるところで集団に影響を強く受けるとのことです。

このようにさまざまな取り組みと方法の効果が記載されています。是非とも現場で検証する際に参考にされてはいかがでしょうか?

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