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絵本「はじめてのおつかい」を使って伝える

私は学級開きでいつも絵本を読んで,子どもたちに「こんな学び手になってほしい」と伝えています。言葉ではなく絵本の挿絵をクラスの目標として掲げています。ここ最近は「はじめてのおつかい」という作品のワンシーンを取り上げています。

1,絵本「はじめてのおつかい」との出会い

私が絵本の「はじめてのおつかい」に出会ったのは少し遅めでした。当時娘が小さく,毎週幼稚園の取り組みとして,各家庭で絵本を読み聞かせすることをしていました。そんなこともあり、娘が絵本にハマり,隣の市の美術館で開催されていた「林 明子 絵本展」に行った時でした。どかんと玄関に展示されていたのが大きなパネルになった「はじめてのおつかい」の主人公である「みいちゃん」の可愛い笑顔でした。牛乳を抱えてニコッと笑うみいちゃん。笑顔が素敵でした。

2,ぎゅっと握った小さな手と紅潮したほっぺた

当時,「非認知能力」について色々調べていたこともあり,「はじめてのおつかい」のワンシーンに目が止まりました。主人公のみいちゃんがお店のおばさんに勇気を振り絞って大きな声で「ぎゅうにゅう くださあい!」と叫ぶシーンです。みいちゃんの可愛いほっぺたが紅潮し,小さな手がぎゅっと握られ,前のめりで叫ぶところです。「一生懸命に取り組む。」という言葉を表情と姿で表すならこの姿だと思いました。

3,毎年「はじめてのおつかい」の絵を教室に飾る

それから,毎年のようにみいちゃんの素敵な姿を教室に飾り,子どもたちとみいちゃんと一緒に成長しようと頑張っています。言葉では言い表せない,もしかすると言葉よりも切実に伝わる「絵」を目標として掲げることもいいのではないかと思っています。

4,林明子さんの絵本は伝わる

以降,何かと林明子さんの絵本を読むことが増えました。「もりのかくれんぼう」「きょうはなんのひ?」「あさえとちいさいいもうと」なんだか林明子さんの絵を見ると小さな子が切なくなり,愛おしくなります。本当に。我が子も,クラスの子も,ぎゅっとしてあげたくなります。(クラスの子はぎゅっとしたらあかんけどね。)

5,本物の学び

本物の学びということは何も言葉を介してだけではないですね。姿で伝わるものがあります。そこから受け手がどう見るか、どう考えるかです。子どもたちには様々な受け止め方ができる多様性を感じ取れる受け手であってほしいと思います。本物の学びができる人は感じ取ることが上手な人なのだろうな。


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