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成功に運・根・鈍はすべて必要なのか?

最近思うことです。成功に運・根・鈍はすべて必要なのか?
そして答えはすべて必要、とくに「鈍」は必要ということです。

1 時間をかけないとやってこない好機というもの

いろいろな方のお仕事を見ていますと、すぐに急成長する方は少なく、ある程度の時間をかけて、少しずつ利益が出ていくのが普通のような気がします。一時うまくいっても、今回のコロナ流行のようなことも起こるので、なかなか気が抜けません。
また、事業も時間をかけてやっているうちに、チャンスがやってくることもあると思います。先日、芝の交差点でタクシーを待っていました。なかなか来ないので場所を替えたとたん、さっきまでいたところに続けて空車が3台も来たのです。
ある場所に10分に1台来るという法則があるなら、そこでまず10分まってみる方が賢明でした。好機が来る前にやめたり、方針を変更するのも、これに似たいるような気がします。

2 才気煥発だけでは仕事にならない

話を「運・根・鈍」に戻して、では、他の要素はどうなのか?ということについて考えます。運は絶対ありますね。予備校でやった問題が入試に出なかったら、大阪府立大学には受かっていなかったでしょう。研修先はしばらく運が良くなかったですが、後からは良くなりました。
根とは、そうした運の上下にかかわらず、粛々と勉強したり、技術を磨いたりすることを意味します。これも地味な作業です。
掃除とか資料の整理もこれに含まれます。
私がよく学生さんに言うことですが、
「開業をしたら助手の昼ごはんの手配まで院長の仕事になる」。獣医師として格好のいいことだけしていればいいのではありません。
雑務だって大事です。

3 技術者は職人である

獣医師も医療技術者です。職人と同じで、仕事をつづけなければカンも鈍るというものです。そもそもこの「鈍」というのは、職人の修行について最もよく言われることです。よって、自らを職人と思い、あまりお利口にならない部分も必要だと思います。

柳生新陰流の立ち合い

それは武道にその点、少し似ています。たまにとても頭のいい人で、サクサク上達する人がいるのですが、なぜかそのまま一直線とはなりません。その時間について、あまり考えない「鈍」も必要なのだと思います。停滞しているときにこそ、考えないで同じことを続ける必要があるのでしょう。

4 何もしない時間にも、物事は進んでいる

時間を切られている仕事はなかなかしんどいものです。受験や資格試験もその一つです。しかし、焦っても前に進めないときがあります。ある日、スカッと何かがわかる。それが「鈍」になることの楽しみであるような気がします。

脳はちゃんとその間も仕事をしています。最後に、こうした修行で大事なことは、「進路に疑問を持たない」ということです。周囲の雑音に耳を貸さず、自分を信じ切ることも大事であると思います。

【画像解説】柳生新陰流の立ち合い以外の画像は、和歌山で撮影したものです。たまたま一眼レフをもっていたのと、たまたまカメラマニアのような人が撮影していたので、その近くで撮影しました。素人も幸運を拾えます。

似内惠子(獣医師・似内産業動物診療所院長))
(この原稿の著作権は筆者に帰属します。無断転載を禁じます。)
似内のプロフィール
https://editor.note.com/notes/n1278cf05c52d/publish/
ブログ「獣医学の視点から」

オールアバウト「動物病院」コラム
https://allabout.co.jp/gm/gt/3049/


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