見出し画像

インターンシップなどない時代に...

いろいろ理論を述べる前に、淡路さんという女性に登場願おうと思います。

淡路さんは、私が大阪府立大学在学中に、教授のところによく来ておられた、保険外交員の女性です。淡路さんは当時50代で、業績は所属営業所で販売成績がダントツという方でした。なぜか私は淡路さんに気に入られ、よくお話をする機会がありました。

その淡路さんが、娘さんの就職に際して、とった秘策を伝授いただいたことがあります。以下に書いてみます。
・・・・・・・・・・・・・・
「当時はねぇ、大卒の女の子が一般企業に就職するという考えもなかった時代でね。娘も当然就職を考えないといけなかったんだけど、とにかく採用がない。それで、ある方法を考えた。」

「その方法とは?」⁉
「まず、活動を始めたのは、3年の夏から。私の娘と、その友達二人で始めた。いろいろ調べて、自宅から行ける企業をいくつかリストアップする。その会社にかたっぱしから電話をする。」

「なるほど。」
「電話をして、何をいうのかというと、私は今学生で、いろいろな企業で研修をさせていただきたいと思っています。夏休みの1週間、そちらで研修をさせていただくことは可能でしょうか?アルバイト代などは一切結構です。」

「研修は各社1週間ずつする。夏休みが二ヶ月あると、8社いけるよね?」「はい、そうですね。」
「そうして、来てもいいという会社に1週間ずつ行く。これで3年はおわり。4年のとき、同じ会社に同じ会社にもう一度電話して、来てもいいというところにまた研修に行く。」

「それで?」
「研修が終わったとき、就職試験を受けてみないか?と言った会社が2社あったの。それでそこを受けて入社できました。」

ちなみにその1社はD通だったそうです。
今でこそ、「インターンシップ」などという制度ができていますが、淡路さんは自力でインターンシップを作ったのですね。

賢い人は、道がなくても自分で作る。
名前はあとからついてきます。

人はみな、「試食」に弱いもの。難しい試験や面接を通ってきても、その人が本当に職場に溶け込んで、よく働くかはわかりません。
先に働いているところを見せるのは、有効な方法です。

また、ひとは面倒くさがりなもの。
目の前に、まあまあの人材がいれば、広告会社に多額のお金を払って、時間をかけて面接までしません。

ご参考になりましたでしょうか?

画像は私が帯広滞在中にお世話になった牛、832さんです。帯広の研修もいろいろな方のおかげで実現しました。次はそのことを書こうと思います。

似内惠子(獣医師・似内産業動物診療所院長))
(この原稿の著作権は筆者に帰属します。無断転載を禁じます。)
似内のプロフィール
https://editor.note.com/notes/n1278cf05c52d/publish/
ブログ「獣医学の視点から」

オールアバウト「動物病院」コラム
https://allabout.co.jp/gm/gt/3049/


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?