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煩悩について

煩悩とは何か。
一言で申せば『生きようとすること』だ。

食べる。
食べるために闘う。
存在しようとする。
自分が自分であろうとする。
子孫を残そうとする。

これらに伴う一切の行いと併せて生じる数多の感情。
その全てが煩悩だ。

生きるものとしてこの世にある限り必要なことばかり。
だから煩悩があって当たり前。
煩悩は悪ではない。

しかし煩悩は苦しみや恐れの元ともなる。
すなわち得られたものを守ろうとするから。
失うまいとして苦しみそして恐れるのだ。

ここで知恵が必要になる。

生きるために求めるのは必要なこと。
いっぽう万物は一定不変ではないと知るべし。

形あるものは必ず失われる。
得られたものにいつまでも固執しても仕方がないのだ。

ゆえに煩悩『生きようとすること』を手放すときがくる。
煩悩をいつか手放すのだと予め分かっていれば苦しみや恐れを経ることもない。

仏法は常にそのことを説いている。
仏法に触れそのことを予め覚る者は幸いである。

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