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自民党・憲法改正草案・第九十九条(緊急事態条項案)と闘うための理論武装

 自民党・憲法改正草案・第九十九条(案)をしっかり読んでおこう。
 緊急事態条項案の内容を知らずに、闇雲に批判していても、敵=自民党政権およびその息のかかった勢力の弱点は見抜けないですよ😇

『緊急事態条項』条文案>>

1 緊急事態の宣言が発せられたときは、法律の定めるところにより、内閣は法律と同一の効力を有する政令を制定することができるほか、内閣総理大臣は財政上必要な支出その他の処分を行い、地方自治体の長に対して必要な指示をすることができる。

2 前項の政令の制定及び処分については、法律の定めるところにより、事後に国会の承認を得なければならない。

3 緊急事態の宣言が発せられた場合には、何人も、法律の定めるところにより、当該宣言に係る事態において国民の生命、身体及び財産を守るために行われる措置に関して発せられる国その他公の機関の指示に従わなければならない。この場合においても、第十四条、第十八条、第十九条、第二十一条その他の基本的人権に関する規定は、最大限に尊重されなければならない。

4 緊急事態の宣言が発せられた場合においては、法律の定めるところにより、その宣言が効力を有する期間、衆議院は解散されないものとし、両議院の議員の任期及びその選挙期日の特例を設けることができる。

<<条文案・終わり(2023年3月31日現在)

自由民主党による憲法改正草案より・緊急事態条項案文(第99条案)

 条文の全ての項にある『法律の定めるところにより』という文言が非常に重要である。ここはしっかり記憶しておくべきだ。

 つまり、緊急事態が宣言されると、内閣が独断で『法律と同一の効力を有する政令』を制定することができてしまい、大いに危険ではあるが、ここに『法律の定めるところ』の規制を別に設けて、内閣がむちゃくちゃな政令を発することができないように縛ることが可能になる。

 私たち国民が強く要求するべく、突くべき敵の急所なので、覚えておこう。

 また、同様に国会の事後承認についても、これをしっかり義務化するべく、別途『法律の定めるところ』の厳密な規定を求めてゆこう。

 そして、第3項にある通り、

『第十四条、第十八条、第十九条、第二十一条その他の基本的人権に関する規定は、最大限に尊重されなければならない』

……のだから、私たち国民は、この一条文を武器に政府の無謀と闘うのだ。すなわち、基本的人権を最大限に尊重するべきとあるのだから、人権を蹂躙する緊急政令など憲法違反であると、強く主張し続けることが肝要である。

 自民党のQ&Aによると、

>>緊急政令は、現行法にも、災害対策基本法と国民保護法(「武力攻撃事態等における国民の保護のための措置に関する法律」をいう。以下同じ。)に例があります。したがって、必ずしも憲法上の根拠が必要ではありませんが、根拠があることが望ましいと考えたところです<<

日本国憲法改正草案 Q&A https://constitution.jimin.jp/document/faq/ 

 そもそも、緊急の政令を発することは、現行法の運用だけで充分可能であり、憲法上の根拠が必要不可欠ではないと、提案者=自民党が自ら明確に述べている。

 ゆえに、こんな後づけの根拠など憲法に要らない。かえって余計な危険性を付加するだけであり、将来的に悪用される懸念のほうが遥かに大である。

 この論旨で、一貫して緊急事態条項の創設に反対してゆきましょう🤗

 理論武装は、何ごとにおいても必要ですよ。

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