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入身投の基本(上)

入身投の基本は直線的な動きであるとする鶴山先生のメモです。実際、植芝盛平の『武道』の入身投も足を引き半身になるだけです。富木謙治系の入身投(相構え当て)も養神館系の入身投も足を引き半身にはなりますが、足を引きながら大きく回る捌きはしていません。
なお、本メモにはプロレス転向後の輪島の話題が出ていますが、その技と鶴山先生の入身投(スペシャル)は雰囲気が似ているので取り上げたのでしょう。
 
最近、演武大会でやっている大東流合気柔術の技法と、植芝合気道の技法は全く違っていると強調する人が多くなって来た。それだけ『図解コーチ合気道』で私(鶴山先生)が指摘した植芝合気道は大東流そのものであるという問題提起が社会問題化してきた証拠でもある。
『合気道マガジン』8月号では「大東流には合気投はあるが、呼吸投はない」という主張をする人もいる。

植芝吉祥丸氏によれば、「呼吸力と合気の動きを一致せしめた合気呼吸投げは、合気道技法の華といえる(『合氣道真諦』176頁)」とのことだが、「呼吸力」という技術的に曖昧な表現、「合気の動き」という意味不明なものを「一致せしめて」何が生まれるのか疑問である。植芝合気道が呼吸投げと称しているものは大東流合気柔術における合気投の名称を変えたものに過ぎない。合気投と言ってしまうと大東流になってしまうので名称を変更したのである。本当のところ、柔術系の大東流の関係者は植芝合気道の実態を知らないし技法の系統が違うので理解できないし、植芝合気道の関係者は大東流を知らないのである。そこで、それぞれの憶測から勝手な主張をしているに過ぎない。

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