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一足一刀の口伝とは

「小野派一刀流における極意『一足一刀』の意味は三つある、昔は20年以上稽古しなければ教えてもらえない秘伝(口伝)の刀法原理だが、時代が変わったのでここに公開することとした。」と鶴山先生が書き残しています。

小野派一刀流は、塚原卜伝の「一つの太刀」に工夫を加え「一足一刀」の極意を完成させた。
意味① 間合之事 一足が畳半畳の間で、一足一刀で相手を完全に斬る刀法をいい、この間合に練達することが極意である。相打ちの場合は、相手よりいかに速く太刀を切り下げることができるか、この鍛錬が必要である。例えば、示現流の鍛練法がその必要性を現わし、よく知られている。速く切り下げるためには、いかに速く上段になるかが、ポイントである。
意味② 抜力之事 速く上段になるには、肩の力を抜かなければならない。初心者などでは肩に力が入ってしまい動きが阻害されるからである。
意味③ 秘太刀之事 一端上段になって斬るのは普段の稽古法であって、実戦では一足一刀で突くのである。

これは、大東流合気杖の記事で書いたように小野派一刀流を破る形としての新陰流操法の基礎として、非力の養成の意義に触れたメモの中にあったものです。なお、新陰流の勢法には一つの太刀を破る形(斬釘截鉄)があるので、結果として一つの太刀自体も動態保存されているのです。

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