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女子護身術2

先輩の意向に添って、当日披露されたテクニックは、女性が日ごろ身の回りにつけているものの利活用に主眼が置かれていた。このことは・・・

一刀流の秘伝書に「万物味方の事」がある。
およそ先を取り、勝ちを取らんとするに、何ぞ刀剣の必要あらんや。急なるときはその座にあり合う火入れ・茶碗・燗鍋を取り、打ち付けば、敵気をくじき、その間に応ずる手当あるべし。打ち付く方に口伝あり。例えば、熱湯の入し鉄瓶又は火鉢等はこれを天井に打ち付け、熱湯・灰や火を散乱せしむ。茶の湯席なれば、水差し・釜のふた等すべてその座に合うものを心がけ、覚悟すれば皆味方なるべし。心がけなくば、燭台に行き当たり、火鉢につまづきなどして、皆敵となるなり。よくよく注意、油断するべからず。

とあり、その身辺にあるものは、いかなるものでもこれを利用することを教えていることにしたがったものである。
 
講座では、先ず鶴山先輩が小生を相手に手順を分解し説明しながら形を数回ずつ公開する。これを見て助教部員が女性たちの中に入ってコーチするわけだが、助教クラス自身が初めて見る技が多く、助教の半数は何かととまどいを感じていたようでもあった。これは予め事前打ち合わせか、臨時講習をすべきであった、と反省したところである。

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