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安全・安心と武術3

ところで、安全・安心を脅かすヒューマンエラーに関して、安全心理学の立場から、近畿大学の島崎敢(かん)准教授は、次のように語っています。「人間が物事に向けられる注意の量は一定で、増やすことはできない。いつもと違うことが起これば、ほかの事柄への注意の量が減る。事故が起きるのはこうした時が多い。人間のこの特性を踏まえ・・・カバーすべきである。」

この記事を読んで、マジカルナンバーのことを思い出しました。その要点は「人間の情報処理の能力は4~7ぐらいである」から「口伝や各種の教えを活用し、できるだけ頭の自動化処理に委ね、余裕の部分でその場の対応をする必要がある」ということでした。

江戸柳生系合気柔術習得の目的は、護身法・脱出法をマスターするところにあります。暗殺をねらった不意打ちを察知・回避し、多敵の中から脱出する。そのために、あらゆる状況を想定した疑似学習をするのです。何が来るかわかっていれば(想像がつけば)、対処しやすい、といことです。

このような発想から、鶴山先生は心得として、自己防衛術-日常生活の心構-を残しています。その一部は、本noteにおいて「日常生活の心得」として、紹介しています。



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