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応急処置法11

(承前)かつてこの方法を私が教えて、法政大学のラグビー部とアメラグ部が使っていました。やかんの水や今はやりのコールド・スプレーではなく、当時は、相手方と激突してひっくり返った選手のところにコーラの瓶をもって飛んでゆく。あいつらコーラなんか持って何してるんだろうと、私の隣の観客2人が不思議がっていました。やがて痛んだ選手はフィールドに見事に立ち上がって戦線復帰しました。

この治療法は切傷、裂傷にも同様に効きます。いろいろ応用できますので、各自考えてください。

大事なことはこの方法が患側に対する痛みの消失ばかりでなく、治療効果があるということです。つまりいろいろの医療と併用すれば治療期間がものすごく短縮します。これは大事なことなので覚えておいてください。いつか必ず役に立ちますから。

私自身や仲間も山登りのときどんなに助かったか知れません。
しかし、普通は教えても二、三回使うくらいで忘れてしまうのが一般です。石っころで治せると教えてあるのに、自分でやりもせず治してくれなどと頼んでくる。冗談じゃない、しっかり自分でやれ、です。

昔、南フランスのある農村でこれを教えたことがありました。半年後そこを列車で通ったとき、妻が「あなた、見て、見て」というので車窓から見ると、道ばたで金髪のお母さんが子どもの足を石っころでたたいていた。その姿は今でも目に鮮やかです。ちゃんと実行しているとは、ありがたいことでした。(同書113~115頁 引用終り)

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