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四方投1

合気武道をご存知の方なら誰でも知っている「四方投」。合気道でも有名ですが、大東流合気柔術の中核技法でもあります。今回から、四方投について鶴山先生のメモを中心に紹介します。
 
まず、四方投とは『図解合気道入門(寺田精之著(養神館系))』によると「相手の手首をつかみ、左右いずれかの足を軸にして回り込み、相手の腕を振りかぶり肩口に折りたたむようにして、四方八方に投げるわざ」と定義されています。ツッコミどころはいろいろありますが、イメージはつかめる表現です。
 
さて、大正11年武田惣角から植芝盛平は江戸柳生系合気柔術を教わりました。惣角からは、この技法の公開指導を禁じられていたにもかかわらず、盛平はこの禁を破り公開し、後の合気道につながるのです。昭和13年に盛平が発行した『武道(非売品)』は、江戸柳生系合気柔術の技法等を紹介していますが、惣角を意識してか同書には技法名の記載がありません。参考のため、四方投に関する部分を引用紹介します。

『武道』 技法図解竝(ならびに)解説の項 第三 徒手対徒手 横面
(12)技法真髄にある横面の鍛錬に準ず
仕 気勢を以て敵の横面打を導く
受 右足より一歩前進しつつ、右手刀を以て敵の左横面を打つ
仕 左足をわずかに左に開き、左手刀を以て敵の右手刀を斬り下げ、
  右手を以て面を打つ。左手を以て敵の右手首を握り右手を添えこれを
  頭上に振りかぶりつつ、左足を右前方に踏み込む(第32、33図)
  次いで左足を軸とし約180度右に転回し敵を投ぐ(後方の敵を斬る要
  領)
注意 敵の右腕を刀と心得て動作するを要す、また右手の拇指にて脈部を
   制するには肝要なり

写真はKODANSHA INTERNATIONAL『BUDO』から

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