見出し画像

骨法の堀辺が来た9

「佐川さんの大東流ですが、武田惣角には半年しか習っていない、あとは親父(子之吉)さんの技で、自分で免許皆伝と言ったり、宗範とか言って宣伝しているが、佐川氏は免許皆伝をもらっていない。伝書も全部自分が作ったものですよ。」と言うと、これに反発して、
「誰にどれくらい習ったかは問題ではない、自分が確信を持ったものがその人の武術である。」と反論してきた。骨法52代の弁論をしているらしいので
「私は佐川さんをよく知っておりますし、佐川さんも私のことを知っています。佐川さんは大変よく研究する人ですが、それはあくまで大東流の一部でそこを研究追求しているのです。」と言うと、彼は急に
「私は大東流をそれほど研究した訳ではない。私が創始した骨法はベースボールマガジンでその一部を公開しましたが、まだ、その全容を発表していない。」と弁解してきた、
「そうですね、『空手と武術』の表題が『近代空手』と変わったから連載できなくなったのでしょう。」と言うと、「そうだ」と納得。
「私は貴方のように本を1冊これまでまとめていない。その一部しか発表していないのに、このように15回も内容批判を連載することに納得できない。」
「骨法は貴方が創始したもので、まだ、その全体像を発表していないうちに、これを批判するのはおかしい、というのでしょ。そのことはよく判ります。しかし、私は骨法の批判などやっていない。貴方がベースボールマガジンでこのくらい(指先で示す)大東流と骨法を比較した記事を書いたでしょう。私はその大東流の見解について、その誤りを正すと書いている。それにT君のレポートを紹介しただけだ。」と言うと、彼はそのことをやっと思い出したようで、シマッタという顔をした。最初に文句を付けたのは自分だと気づいて、「訂正記事は出さなくて結構です。」と言い出した。
「折角やって来られて、具体的にその内容が指摘されたのですから、これは出しますよ。」「いや、それは良いです。」と重ねて言う。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?