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大東流の三大技法(続)32

大東流三大技法は武田惣角自身が作った技法群ではありませんが、惣角のための、惣角に託されたものであったことは間違いありません。幕末に整備され、名称がなかった技法群とその体系、歴史から消え去る寸前でした。プロジェクトリーダーであった西郷頼母が惣角を見いだし承継者として育て、大東流という流派名を付け、さらに箔を付けるため、様々な伝説を付加し、伝書のひな型を作り、英名録(門人帳)や謝礼帳を整備し、謝礼金額を定め、添状(推薦書)を書き・・・とあらゆる支援を行ったのです。これをもって惣角の生活が成り立ち、結果、日本武術の至宝であって唯一無二の技法群が後世に伝わり、武道界に多大な影響を与えることが出来たのでした。

惣角は字が書けない人でしたから、メモをとって置くことなどできません、頼母他から教わった実技・口伝等すべて記憶するしかなったのです。恐るべき記憶力です。そして惣角は生涯頼母の指示を守り続けたのです。したがって自ら宗家などと名乗っていません、自らは大東流の継承者であるとの認識をもっていたからでしょう。

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