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【韓国ドラマの<屋台>スケッチ】#3“ひとり屋台”(1)~「医心伝心~脈あり!恋あり」&ハリ麻酔で抜歯した体験

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母が入所する施設の上空に、規模は小さいけど<うろこ雲>が浮かんでいた。ようやく秋の到来だが、地球温暖化どころか「灼熱化」(国連事務総長の発言)にあって、日本も酷暑の夏と暖冬ばかりになり、春と秋が消えようとしている。

「医心伝心」のテーマは、西洋と東洋の医学の融合だった


「医心伝心」の韓国オリジナル宣伝画像より。現世にタイムスリップしてきた鍼術の達人を演じるキム・ナムギル(左)と、大病院のエリート外科医に扮したキム・アジュン

韓ドラ「医心伝心~脈あり!恋あり~」(キム・ナムギル×キム・アジュンのW主演、2018年)のキャッチフレーズはこうです。

「朝鮮時代からやってきた鍼術の達人と現代のエリート女医が400年の時を超えて右往左往!?運命の出会いが人生を変える、超史劇的タイムスリップ・ラブコメディ!」

このドラマが面白いと思ったのは、「鍼術の達人と現代のエリート女医」の恋愛(タイムスリップを越えて)が成就するかどうか、というのも気になるけど、それより、西洋医学から下に見られていた東洋の漢方医学がその医術を見直されるという、その対立と融合がテーマなのだと分かったあたりからです。

「医心伝心~脈あり!恋あり~」のページはこちら
☛ https://kandera.jp/sp/ishindenshin/

西洋医学の大学病院に東洋医学研究所ができたときの驚き

――話はちょっとそれますが、東京女子医大に東洋医学研究所(クリニック併設)が開設されたと知ったときはホント驚きました。
 
この研究所では、「一人ひとりの体質や自覚症状に合わせた漢方診療・鍼灸治療」(病院HPより)がおこなわれており、叔父がハリ治療で肝硬変が治った(完治というより寛解かもしれませんが)という例を身近に知っていましたので、文化交流のように、もっと西洋と東洋が医学でも互いにいいところをミックスできればいいなと思ったものです。
 
でも、東京女子医大のような病院はまれで、仕事で大学病院まわりをしていると、ほとんどの教授(講座を持ち臨床医でもある)は、漢方医療など歯牙にもかけず、気にも留めないという印象でした。

エリート外科医の<屋台>ひとり酒

「医心伝心~脈あり!恋あり~」の話に戻すと、外科医ヨンギョン(キム・アジュン)の父親は現役の漢方医であり、タイムスリップしてきた鍼灸の達人である“伝説の名医”ホ・イム(キム・ナムギル)と偶然に出会い、その卓越した医術を知ったことにより、将来を嘱望される外科医ヨンギョンの心は、医師として人として女性として、激しく揺れます。
 
そんなとき、外科医ヨンギョンは、庶民的な屋台で、ひとり酒にひたります。

「医心伝心」(CSアジドラ放送)より

その場面に、“史上最高の歌姫”美空ひばりのヒット曲「悲しい酒」がかぶさるようにして聞こえてくるような気がしたのですが、それはまた次回の韓国ノワール「警官の血」で――。

【後記】抜歯のときにハリ麻酔をした歯科医の話

●東京・渋谷の歯科医は、ハリ麻酔で無痛の治療をおこなうというので、評判でした。
不安もありましたが、すがる思いで施術を受けることにしました。
というのも、それまで抜歯時に麻酔を何本も打たれ、出血がひどく、術後に処方された薬を飲んでも、腫れがおさまらず、つらい思いをしたことがあるからです。
 
わたしが受けたハリ麻酔は、患部や手に何本もハリを打ち、そこに微弱の電流を流して麻酔が効くまで待ち、やがて医師がヤットコのような道具を持って現れ、奥歯をすっと抜くのです。
終始、痛みはまったくありません。出血もわずか。念のために処方された鎮痛薬を飲む必要もありませんでした。
 
医師の説明により、麻酔注射の代わりにハリと微弱電流で、痛みを感じる神経の働きをブロックするのだという理屈は分かっていましたけれど、それでも、魔法にかかったような気分でした。
 
●「医心伝心~脈あり!恋あり~」にも、そうした<魔法体験>がいくつも出てきます。
韓国ドラマは、恋や復讐や家族劇のなかに、<韓国社会の現実>を教えてくれるので、いつも<タメ>になっています。

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