見出し画像

「ひるおび!」弁護士のデマ騒動―2

★見出し画像★
民主主義の至宝”とたたえられるドイツのメルケル首相が惜しまれつつ政界から引退する。上掲の「メルケル人形」が人気だそうだが、わが国では元前首相の「晋ちゃん/菅ちゃんまんじゅう」に続いて、新首相の「キッシーせんべい/まんじゅう」が売り出されたとか。長く飾られる人形とすぐ食べられてしまう菓子、何かどこか意味深だが、次期政権が連立に難航しているようで、メルケル首相の引退はもう少し先のことになりそう。
(画像は9月29日放送のTBS系「サンデーモーニング」より)

本番再トリム済IMG_20210914_045509

(↑)「ひるおび!」に出演中の八代弁護士。

八代弁護士、デマの意図は?

=前号からのつづき=

もう古い話題になりつつありますので、少し急ぐことにします。

TBS系「ひるおび!」の八代弁護士による9月10日放送中の共産党に対するデマは、10月31日(日曜)が投開票日の衆院選に向けた「野党共闘」を分断させようという意図が働いているように思います。

サイズトリム済20211005ひるおび野党討論会IMG_20211006_221607

(↑)10月5日「ひるおび!」は、野党4党討論会。出席者は、画像右から国民(玉木)、リモート出演の維新(松井)、共産(小池)、立憲(福山)、一人置いてリモート出席のコメンテーター・大谷昭宏さん。

上掲画像のように、10月5日の「ひるおび!」は、野党4党による生討論の模様を放送しましたが、維新代表の松井一郎大阪市長は政策論争そっちのけで、共産の小池晃代表を攻撃し続け、司会者は制御する素振りすら見せませんでした。

たまらず、コメンテーターの大谷昭宏さん(元読売新聞記者)は、「私は意識的な分裂を生むような松井さん(註:日本維新の会代表)の言辞も受け入れがたい部分があるんですね」と立憲・共産をフォローする一幕がありました。

その日、肝心の八代弁護士と共産党の小池書記局長の対決場面がないのが残念でしたが、大谷さんのコメントによって、八代氏のデマ発言の意図が明確になり、「野党共闘」とりわけ立憲民主党から共産党を引きはがしにかかる一種の世論工作ではないか、ということが証明されたように思います。

それだけ、自民党や自公(+維新)政権にとって、共産党の集票能力は脅威であることの証しともなります。

八代デマ、3つの問題点

そのことを前提に、話を進めますと、八代氏の発言には、大きく分けて3つ問題点があるように思います。

●一つ目は、同じ時間帯で最高視聴率を誇る昼のワイドショー番組、つまりTVという「公器」で事実とまったく異なるデマが、レギュラー出演(※1)の国際弁護士(※2)という高い地位と権威を持つ影響力の大きい人物の口から堂々と語られた、という点です。

サイズトリム済八代タレントIMG_20211008_064327

(↑)(※1)八代氏は、「ひるおび!」放送の月曜から金曜まで毎日番組に出演し、メインの恵俊彰氏が休暇中は自ら総合司会の席に座る――これならタレント業に徹したほうがよいのではと思ったら、八代国際法律事務所代表を務める傍ら、extention(エクステンション)というタレント事務所に所属し、同事務所にはTVでおなじみの弁護士の萩谷麻衣子、医師の友利新、作家の谷村志穂の各氏ほか、妻の八代華代子氏(フリーアナ、大学客員准教授)まで在籍している。

※2)八代氏は日本とアメリカ・ニューヨーク(紐育)州の双方で弁護士資格を持ち、ちなみにTVでよく知られる山口真由さん(元大蔵省官僚)もまったく同じ「日紐」で弁護士活動がおこなえる資格を持つ国際弁護士。

●二つ目は、デマ内容に直接かかわることですが、日本共産党は、1955年元旦の党機関紙「アカハタ」紙上と、同じ年7月の共産党全体会議「六全協」()で、「暴力革命」との訣別を国内外に宣言し、それまでの武闘路線をきっぱりと否定しているのです。
つまり、共産党の「暴力革命」は今さら言挙げするようなことでもなく、66年も前のできごと、「にっぽん昔ばなし」のようなものにすぎません。

)「六全協
1955年7月に開かれた日本共産党第6回全国協議会の略称。共産党が、それまでの極左軍事冒険主義(当方註:武装闘争方針)を転換し、今日の先進国型平和革命路線に踏出す、歴史的意味をもつ会議とされる。それまでの 51年綱領は事実上の軍事革命路線であり、52年以降の火炎瓶闘争はその実践であった。
(『ブリタニカ国際大百科事典』WEB版の「六全協」解説より前半部分を引用)

●三つ目は、見聞きしたわけでもない「暴力革命」のイメージだけを利用して、“日本共産党=怖い” という図式を「論拠」もなく、視聴者に刷り込もうとした点で、言葉の専門家である八代氏の罪は職業的にも重いと思うのです。

八代氏は、「暴力革命」という穏やかではない言葉に、どんなことを実体として思い描いたのか、「暴力」とは?「革命」とは?――と一度でも考えてみたことがあるのでしょうか。

(つづく)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?