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【首相動静2024】日米首脳会談で、岸田首相が世紀の“言いまつがい”

▲(トップ画像)日本製鉄による買収で紛糾している<USスチール問題>で、岸田首相は揉み手スリスリの表情をバイデン大統領に向けていた。世紀の言い間違えは、この日米のゆるやかな応酬の直後だった。
(結局、日本製鉄による買収は、USスチール臨時株主総会で日米会談直後に承認され、買収反対のバイデン大統領とトランプ候補にとって面目丸つぶれに)

「同盟国である中国」とバイデンに言い

4月11日未明、日米首脳会談の終了後、共同記者会見がおこなわれた。

NHKの中継を見ていたら、岸田首相が、またやっちゃってくれちゃったよ、という場面に出くわした。

岸田首相は、バイデンにときおり微笑みかけながら、日米が中国に対して今後どのような態度で臨むか、という共同通信記者の質問に、予定原稿に目を落としながら、4分間ほど答えた。

そのさなかのハプニングだった。

「今回の日米首脳会談においては(中略)中国をめぐる諸課題においては、えー、このう、ご指摘(註・記者質問)の力または威圧によるあらゆる一方的な現状変更の試み、えー、これに強く反対することを含めて、グローバルなパートナーである日米が引き続き緊密に連携していく。えー、こういったことで一致致しました。ま、同時に、先ほども申し上げましたが、中国と対話、これも継続していく。えー、共通の課題については協力をしていく。えー、こうしたことの重要性も確認した。えー、こうした、ま、会談でありました」

NHK中継からの書き起こし

――問題はここからだ――

「あの、引き続き同盟国である中国と、……おー……あっ、失礼、同盟国たる米国、失礼(笑って)同盟国たる米国と強固な信頼関係のもと、中国に対して、えー、大国としての責任を果たしていくよう、えー、働きかけて、えー、まいります。(後略)」

NHK中継からの書き起こし
▲岸田、世紀の大失態。「同盟国である中国」と言い間違え、あわてて訂正したが、後の祭り。

「聞く力」ばかりか「読む力」「話す力」もね、首相

かつて、糸井重里氏の人気本に「言いまつがい」シリーズというのがあったけれど、これは世紀の“言いまつがい”と言ってもいいんじゃないだろうか。

村社会ニッポンの国会なら、岸田首相、また“読みまつがい”、“言いまつがい”をしてしまったよ、とスルーされただろうけど、ここは首相悲願の“晴れ舞台”、それも全世界が注目する大舞台。

バイデン大統領に“言いまつがい”の箇所が正しく通訳されたとは思えないが、もしされても何事もなかったかのように、彼もその場を取りつくろってスルーしただろう。

でも、岸田の在任中は実現しないだろうけど、もしもこれが習近平国家主席とかプーチン終身大統領との共同記者会見で、“言いまつがい”があったら、国際問題に発展するやもしれぬ、それくらいの大チョンボだったように思う。

台湾元総統の言い間違いは「わざと」?

で、その中国がらみで、似たような“言いまつがい(?)”があった。

ときは日米首脳会談と同じころ、中国の習近平主席と会談した台湾の馬英九前総統は、「我々(中台)は同じ中華民国に属している」と語り、さらに「中華民国」「中華民族」と言い直し、台湾の桃園空港に降り立ってからも、報道陣に同じように語ったという。

「中華民国」は台湾の国名であり、中国本土は「中華人民共和国」だから、「我々(中台)は同じ中華民国に属している」と台湾の政治家が対面で語るのは中国にとって侮辱ものだ。

台湾の通信社は「馬氏の「いい間違え」は「故意だ」」と報道している。
その意図ははっきりしないが、国内向けのアピールであることは明らかだ。
(2024/04/12付朝日新聞)

いずれにしても、国名の“言いまつがい”は、自国民を脅威にさらすこともあるから、セーラームーンだったら「月に代わっておしおきよ!」となるところだが、これが台湾の馬英九前総統のように「故意」だったとしたら、岸田首相の株は<タフな政治家>として中国で爆上がりしたかもしれない。

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