日記170929

新居の訪問。
家の選択は彼にまかせっきりにしていて、来年から自分が住む予定の家だというのに、写真も見ずに二つ返事で承諾した。昔から、彼の決断には絶大な信頼を寄せている。

彼と恋人と言う関係になってもう七年経つが、緊張の欠いた馴れ合いの関係ではなく年来、懇意の間柄を築けていると思う。
新居は新築のマンションで二人で住むのに丁度良い具合の広さだった。日当たりの良い10階の角部屋。白い床に光が反射してきらきらして見えた。インテリアが中途半端なので少し殺風景だ。リビングの、少し大きめのグレーのソファは私が選んだ。ソファの上で私の膝を枕にして安らかな顔をしている彼の前髪を手の甲で撫でていると、身体の内側に灯がともったように温かい気持ちになれる。

新居に来たら一緒に飲もうねと約束していたマッカランを開けた。ロックグラスが無かったので、なんだか不恰好だと二人で笑いながらヒューガルデンのグラスになみなみ注いで飲み干した。熱い感覚が喉を通り過ぎるのに慣れた頃には二人ともすっかり酔っ払ってそのまま寝た。ロマンチックを繕おうとしても、いつも中途半端になってしまう。それでも幸せを感ぜずにはいられなかった。

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