賢い怠け者になる

私の中で豊かであることは、自分の所有する時間の多さに比例する。前職に就いていた時は、みな平等にある一日24時間の中で、人(会社)に所有されている時間の方が圧倒的に多いと感じて辞めた。

前職が専門職だったので、周りの人たちは「今まで勉強してきたのにもったいない」だとか「辛くても好きだと思う仕事をやるべきだ」と口を揃えて言ったが、私は自分の「業種」が好きかどうかではなく、その仕事の中で自分がどんな役割を果たすか、どこにやりがいを見出すかに焦点を当てた。頑張り方を変えたのだ。

26年の人生で、アルバイトやインターン、就職など一般的な「働く」経験を経て、私の考えは徐々に「働く」=「お金のため」では無くなっていた。何故か?単純に、お金のために働くのは楽しくないからである。成績を上げるために勉強するのはウンザリするのと同じだ。

至極当然のことだが、お金を稼ぐより時間を稼ぐ方が難しい。前に似たようなことを書いたが、私はずっと昔から時間を稼いで人生を潤す経験に投資をしていくサイクルを、とても大切にしている。仕事を少し早く終わらせ、好きな映画を観に行くような、そんな小さなことでも。
もっと有能な人ならここから更に突き詰めていき、自分の所有する時間だけでなく、人の時間をも上手に使うようになるだろう。そしてそのことに感謝されるまでになる。幸せな経営者にはそういう人が多い。

どこかで見た「金持ちのままで死ぬのは、不名誉な死だ」という言葉にとても共感する。本は買えても知識は買えない。地位は買えるが、尊敬は買えないのだ。お金は手段だからである。何を使ってどう自分の人生を潤すか?本質はいつもお金の先にある。

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