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残り4節!! 今シーズン最後の代表ウィーク前までの動向をチェック :: TW15-18 :: WSL Watch #058

WSLは4月の代表ウィークで中断するんで、1節〜4節までをチェックした"WSL Watch 003"、5節〜8節までをチェックした"WSL Watch 017"、ウィンター・ブレイクのタイミングに開幕からウィンター・ブレイクまでの1節〜10節までをチェックした"WSL Watch #026"、ウィンター・ブレイク明けの11節〜14節までをチェックした"WSL Watch #041"に続いて'TW = Table Watch'、つまり順位表の確認の第5弾、3月中旬〜月末に行われた15節〜18節の振り返りを。今シーズンももう残り4節なんで、かなり佳境を迎えてて、いろいろ状況は整理されてきた感じはするけど。

この期間で最も多く勝点を稼いだのは?

下に貼ったのは14節終了時点と現時点の順位表。15〜18節の4試合だから稼げる勝点は最大で12ってことになる。ただ、ちょっとトリッキーな要素として、18節が行われた週末にコンチ・カップの決勝のアーセナル対チェルシーがあった影響で、アーセナルとチェルシーとブリストル・シティとトッテナム・ホットスパーは消化試合数が1試合少ないってのが留意点だったりする。

14節終了時点の順位表
現時点の暫定順位表

4戦全勝で勝点12を加えたのはマンチェスター・シティだけで、チェルシーは3戦全勝で勝点9。この期間を全勝で勝点を最大限積み上げたのはこの2チームだけで、さすが優勝争いをしてるチームって感じ。

その他は、獲得勝点が多い順にマンチェスター・ユナイテッドとリヴァプールとブライトン&ホーヴ・アルビオンは4戦2勝1分1敗で勝点7、アーセナルとトッテナム・ホットスパーは3戦2勝0分1敗で勝点6、アストン・ヴィラは4戦1勝1分2敗で勝点4、ウェスト・ハム・ユナイテッドは4戦0勝2分2敗で勝点2、レスター・シティとエヴァートンは4戦0勝1分3敗で勝点1、ブリストル・シティが4戦0勝0分4敗で勝点0。

順位表をパッと見ても、トップ・ハーフに関してはマンチェスター・シティが消化が1試合少ないチェルシーの上になった以外は変化なし。ただ、ボトム・ハーフに関しては11位だったブライトン&ホーヴ・アルビオンが勝点7を稼いで8位まで順位を上げたのが目を引くかな、やっぱり。あとは、勝点1しか稼げなかったレスター・シティとエヴァートンが意外っていうか、悪い意味でちょっと気になるかも。

アーセナルとのダービーを制したチェルシー

この期間の試合で一番注目を集めたのは、やっぱり16節のチェルシー対アーセナルの上位直接対決のロンドン・ダービーだったかな、やっぱり。アーセナルは優勝争いに残るためには勝ちが必須って状況だったけど、結果はホームのチェルシーが3-1で快勝、ちょっと運もあったけどシェーケ・ニュスケン(Sjoeke Nüsken)が2ゴール+1アシストの大活躍で。今シーズンのこの対戦に関してはリーグ戦はお互いにホームで勝ってて、さすがにどっちも譲らずって感じだけど、優勝争いを考えるとアーセナルにとっては痛すぎる敗戦だったのかな、やっぱり。

そういえば、この試合はアーセナルも1stキットのユニフォームで対戦しようとしたんだけど、両チームともソックスが白だってことが問題視されて、そのせいでキックオフが遅れて、もちろんアウェイ・チームのアーセナルが代えなきゃいけなくて、急遽チェルシーのメガ・ストアで黒のソックスを買って、ナイキのロゴとかをテーピングか何かで隠して試合をするって珍事件があったり。「ソックスくらい...」「チェルシーのイジワルな心理戦か?」みたいな意見もSNSでは見かけたりもしたけど、個人的にはわりと理解できるっていうか、サッカーっていう競技の特性を考えても、視線を落とした状態で他の選手の足が視野に入ったときにどっちのチームの選手か判別できることはかなり重要だし、だからこそ競技規則で定められてるわけなんで、お互いに条件は同じだって意見は(少なくともこのレベルのリーグでは)認められないだろうしも、やっぱり今回の措置自体は適切だったと思うかな。もちろん、「こういうのって、事前にちゃんと確認したりしないの?」とは普通に思っちゃったけど。

小ネタだけど、キックオフ時間の延期を知らせるSNSの投稿もちょっと面白くて、アーセナルの投稿は"due to a kit issue"としか書いてないのに、チェルシーの投稿には"due to an Arsenal kit issue"って書いてあったりして。あと、勝ったチェルシーは試合後にもこのネタの投稿をしてたりして。なかなかイジワルな感じ。

もうひとつ、この試合のトピックとして、チェルシーが翌週のミッドウィークにUEFAウィメンズ・チャンピオンズリーグ(UWCL)の準々決勝を控えてたからだと思うけど、現地時間で金曜の夜にメンズ・チームのスタジアムのスタンフォード・ブリッジで行われたにも関わらずチーム史上最多入場者数記録を更新する32,970人が入ったってこともある。ちなみに、エマ・ヘイズ(Emma Carol Hayes OBE)監督はスタンフォード・ブリッジでのリーグ戦は全勝らしい。

チェルシーは詰める勝点は最大限積んで1試合多く消化してるマンチェスター・シティとの勝点差は3で得失点差は1、コンチ・カップの決勝は延長戦の末にアーセナルに負けちゃったけど、FAカップとUWCLもベスト4まで勝ち上がってるって状態。FAカップではマンチェスター・ユナイテッド、UWCLでは準決勝でバルセロナと対戦するし、リーグ戦の未消化分のトッテナム・ホットスパー戦が最終節の直前のミッドウィークに入ってるって点も含めてすごく過密日程なんだけど、リーグ戦だけに関して言えば、未消化分の試合で1点差でもいいから勝てば勝点でも得失点差でもマンチェスター・シティと並べるし、しかも、マンチェスター・シティとアーセナルとの直接対決がもう消化済みっていうのも大きなアドバンテージって言えそう。

パークのブレイクで勢いにのるマンチェスター・シティ

チェルシーより消化が1試合多い暫定順位で首位に立ったマンチェスター・シティのこの期間を振り返ると、良かったことと残念なことが両方あった、具体的には前者がマンチェスター・ダービーで快勝したこと、後者がカップ戦を2つ逃したことが大きなトピックとして挙げられるかな、やっぱり。

44,259人入った昨シーズンの数字には及ばなかったけど、普段はメンズ・チームが使ってるエティハド・スタジアムに40,086人集めたマンチェスター・ダービーは3-1で快勝。この試合の勝ちも含めて、この時期のマンチェスター・シティを象徴する存在は22歳のイングランド代表MFのジェス・パーク(Jess Park)のブレイクってことになるのかな、やっぱり。詳しくは"WSL Watch #053"でも書いたけど、今、まさに成長中っていうか、「期待の若手選手が伸びる時期ってこういう感じだよな」「'勢いがある若手'が'勝負を決定付けられる主力'になってきてるな」っていうのを目撃してる感覚すらあって。この期間のリーグ戦全4試合フルタイム出場してて、マンチェスター・ユナイテッド戦では2ゴール+1アシスト、その前のブライトン&ホーヴ・アルビオン戦でも1アシスト、直近のリヴァプール戦でも1ゴールって活躍を見せて4連勝に貢献してて、ちょっと勢いが止められない感じ。

ちなみに、ダービー後のパークのインタビュー動画がマンチェスター・シティのYouTubeアカウントにアップされてるんだけど、本人はフィジカル・バトルも好きだからWGよりもインサイドMFのほうが好みらしい。インサイドMFで出たときに近くでプレイする長谷川唯の話もしてるんだけど、「攻守に於いて予測がスゴイ。次に起こることがわかってるみたい。試合の流れを読む力が素晴らしい」みたいなことを言ってたりして。このインタビューに限らず、現地のメディアとか選手・監督とかのコメントを見てると、長谷川唯の話になると技術の高さより試合を読む力のほうが先に出てくる感じがあって、個人的にはけっこう興味深いと思ってたりもする。

ただ、あえて欲を言えば、この4連勝でもう少し点を取って得失点差を稼ぎたかったところだけど。今後のタイトル争いを考えると。

あと、この期間にマンチェスター・シティはコンチ・カップの準決勝でチェルシーに0-1で、FAカップの準々決勝でトッテナム・ホットスパーにPK戦でそれぞれ惜敗しちゃったんで、試合内容はどっちも拮抗してたって意味も含めて、チームとしてこの期間に2つのタイトルの可能性を失ったって意味ではもちろん残念だし、けっこう痛かったんじゃないかな、と。

もうひとつ、この時期の試合とは直接関係があるわけじゃないけど、マンチェスター・シティ関連でちょっと心配なニュースとして、GKのエリー・ローバック(Ellie Roebuck)が左後頭梗塞から回復途上であることが3月31日にSNSで公表されたって件があった。

詳しい時期とかは公表されてないけど、気分が優れないことがあって、検査を受けたら左後頭梗塞って診断されて、脳卒中の一種らしいんだけど、視覚なんかにも影響があったらしくて、でも、その後の検査では脳へのダメージとか視覚への影響は見られなくて、現在は復帰に向けたプロセスにあるってことらしい。このタイミングでこういう内容を公表したってことは、とりあえず現状はポジティブっていうか、最悪の状況にはなってないってことなんだろうとは思うけど、ただただ気の毒だし、もちろんすごく心配。エリー・ローバックはイングランド代表歴もある24歳のGKで、昨シーズンはリーグ戦17試合に出てたんだけど今シーズンはまったく出てなくて、それでもベンチ入りしてる試合はあったから、シンプルにキアラ・キーティング(Khiara Keating)とのレギュラー争いの結果としてポジションを失ってただけなのかと思ってたんだけど。それこそ、ちょっと前には「バルセロナがローバックを狙ってる?」なんて報道もあったりしたし。まさか、こんなことになってたとは思ってなかったし、大きなケガとかとはまた違う心配ではあるけど、とりあえず、最悪の事態ではないらしいのは何よりだな、と。

優勝争いはチェルシーとマンチェスター・シティに絞られた?

"WSL Watch #056"で紹介したOptaの予想でもそうなってたけど、優勝争いはほぼほぼチェルシーとマンチェスター・シティに絞られたって言っていいのかな?

"WSL Watch #056"で紹介したOptaの順位予想

現状では消化が1試合多いマンチェスター・シティが勝点で3、得失点で1上回ってる状態なんで、未消化分の試合でチェルシーがトッテナム・ホットスパーに勝てば1点差勝ちでも勝点も得失点も並ぶ、2点差以上で勝てば得失点差でマンチェスター・シティを上回るって状況。チェルシーの強さと得点力を考えればマンチェスター・シティのリードはあってないようなものだと思うんで、最後までギリギリの争い、何なら得失点差とか総得点数を巡る争いになるかも。

で、今後の両チームのスケジュールを確認すると、以下のような感じ。

  • チェルシー
    4/14 - FAカップ準決勝 マンチェスター・ユナイテッド*
    4/17 - 19節 アストン・ヴィラ
    4/20 - UWCL準決勝 1stレグ バルセロナ*
    4/27 - UWCL準決勝 2ndレグ バルセロナ*
    5/1 - 20節 リヴァプール
    5/5 - 21節 ブリストル・シティ
    (5/12 - FAカップ 決勝*)
    5/15 - 18節 トッテナム・ホットスパー
    5/18 - 22節 マンチェスター・ユナイテッド
    (5/25 - UWCL 決勝*)
    *印はリーグ戦以外の試合

  • マンチェスター・シティ
    4/21 - 19節 ウェスト・ハム・ユナイテッド
    4/28 - 20節 ブリストル・シティ
    5/5 - 21節 アーセナル
    5/18 - 22節 アストン・ヴィラ

見ての通り、チェルシーは現時点で確定してるだけで8試合、FAカップとUWCLも勝ち上がれば最大で10試合あるのに対して、マンチェスター・シティは同じ期間に半分の4試合のみで全部1週間以上の間隔がある日程になってる。対戦相手を見ると、昨シーズンのUWCLチャンピオンのバルセロナとのホーム&アウェイの2試合はもちろん重要だし、FAカップでも対戦するマンチェスター・ユナイテッド戦がリーグ戦の最終節っていうのもなかなか厄介そう。ともあれ、チェルシーはとにかく大変なスケジュールをこなしながら内容はともかく結果を出す闘いに注力する以上のことはできなそう。一方のマンチェスター・シティに関しては、チェルシーが取りこぼすことはあまり期待できなそうなんで基本的には残り試合全部勝つつもりで、まずは代表ウィーク明けの2試合、11位のウェスト・ハム・ユナイテッドと12位のブリストル・シティとの試合でなるべく得失点差を稼いで勝ってアーセナル戦を迎えたい感じかな。で、アーセナルに勝てれば優勝がかなり現実的なモノになるし、逆に勝てなければ基本的に他力本願になるって言ってよさそう。ただ、ちょっと好材料かもしれない点として、通常なら残留争いをしてるチームとのシーズン終盤での対戦はかなり難しくなりがちだけど、今シーズンに関してはブリストル・シティの降格がわりと濃厚な感じだったりするから、そこまで難しくはならない可能性がある気がする。アーセナルはもちろん強いけど、現段階でのマンチェスター・シティと消化が1試合少ないアーセナルとの勝点差は9あるから、仮にそこまでの試合を全勝同士で迎えたとしても勝点差6あって、マンチェスター・シティとチェルシーの両チームがそれなりに取りこぼさないとアーセナルの優勝は難しい感じなんで、マンチェスター・シティにとっては(1巡目の対戦では負けてることも含めて)乗り越えなきゃいけない壁っていうか、ちょっと極端な言い方だけど「アーセナルに1度も勝てないようなシーズンは、そもそも優勝する資格がない」くらいに考えたほうがいい気がする。もちろん、マンチェスター・シティもチェルシーも取りこぼす可能性なくはないし、何が起こってもおかしくはないんだけど。

ちなみに、来シーズンのUWCL出場権に関しては、上位3チームに与えられるはずなんで、最終順位はともかく基本的にはこの3チームでほぼほぼ確定って言ってよさそうかな。

延長戦の激闘の末にコンチ・カップを制したアーセナル

今シーズンのリーグ優勝はちょっと難しそうなアーセナルだけど、3月31日にウォルヴァーハンプトン・ワンダラーズのメンズ・チームのホームのモリニュー・スタジアムで行われたコンチ・カップの決勝戦で、延長戦の末にスティナ・ブラクステニウス(Stina Blackstenius)の値千金のゴールでチェルシーを1-0で破って見事に連覇を達成。WSLを代表する強豪チームとしてのプライドを見せたっていうか、早々にUWCLから脱落しちゃって、FAカップではベスト16の段階で当たっちゃったマンチェスター・シティに負けて、リーグ戦でも上位2チームに差をつけられちゃってるって意味ではちょっと不甲斐ないシーズンになっちゃってると思うけど、そんな中でもちゃんと面目は保った感じなのかな。

試合自体はさすがにかなり拮抗した内容で、どっちかが主導権を握り続けるような展開ではなくて、試合の流れが行ったり来たりしつつ、互いに耐えるときはしっかり耐えて...って感じで、かなり緊張感があったし、どっちに転んでもおかしくない試合だった印象かな。

個人的に印象に残った選手を挙げるなら、アーセナルの右SBのエミリー・フォックス(Emily Fox)だったかな。"WSL Watch #021"の中でも触れてるけど1月の移籍ウィンドウで加入したアメリカ代表選手で、加入後すぐに主力としてバリバリプレイしてるんだけど、この試合でもチェルシーの強力なWGを相手に守備でも効いてたし、積極的な攻撃参加も効果的だったし、120分フル出場して見事に優勝に貢献してた。タフでダイナミックでスケールが大きいSBになりそう。

あと、この試合のポイントとして、リーグ戦では使われてないVARが導入されてて、チェルシーのマイラ・ラミレス(Mayra Ramírez)のゴールが取り消されたなんてこともあった。

ちなみに、この試合の入場者数は21,462人で、コンチ・カップ決勝の最多記録を更新したとのこと。モリニュー・スタジアムのキャパシティは約32,000人らしいんで、満員になったわけじゃないみたいだけど、ウェスト・ミッドランズのスタジアムでロンドンのチーム同士の対戦だったことを考えても、すごく立派な数字な気がする。ちなみに、ちょっと気になってGoogleマップで調べてみたらロンドンからウォルヴァーハンプトンまでは約224kmらしくて、東京から浜松が250kmちょっとみたいなんで、感覚的には浜松のちょっと手前、磐田とか辺りって感じっぽい。もちろん、方角は違うし、交通網の事情も違うだろうから距離だけで単純には比較できないけど。

もうひとつ、この試合のプレイ中にアーセナルのノルウェー代表MFのフリーダ・マーナム(Frida Maanum)が突然倒れるって出来事があって。接触とかじゃない場面で倒れてて、昏睡状態だったらしくてピッチ上で応急処置が行われて、試合が10分くらい中断して、結局は担架で運ばれて交代したんだけど。詳細は発表されてないけどどうも心臓の問題だったらしくて、4月4日にアーセナルが発表したリリースによると状態は安定してて、現状では心臓に問題は発見されてなくて、安静にしながら経過を見守ってる感じっぽい。マンチェスター・シティのエリー・ローバックもそうだけど、ただただ気の毒だし、もちろんすごく心配。問題なく復帰できればいいんだけど。

あと、この時期のアーセナルにはもうひとつ発表されたことがあって。それはスウェーデン代表DFのアマンダ・イレステット(Amanda Ilestedt)の妊娠。発表されたのは3月13日だったんだけど、個人的にけっこう注目してた選手なんで、ちょうど「最近試合に出てないけど、どうしたんだろ?」って思ってたらこんなことになってて思わず納得。しばらくプレイが観れないのは残念だけど、それどころじゃないおめでたいニュースってことで。

レスター・シティが監督を解任

上位3チーム以外で大きなニュースっていうと、レスター・シティのウィリー・カーク(Willie Kirk)監督の解任には触れざるを得ないかな、やっぱり。理由は成績不振じゃなくて、詳しいことはあまりわかんないけど「選手との(不適切な)関係」とのことなんで、なかなか穏やかじゃない感じ。

経緯としては選手の1人からの申し立てがあって、3月頭に暫定的にウィリー・カークの職責を停止して、その間はジェニファー・フォスター(Jennifer Foster)とステフェン・カービー(Stephen Kirby)に現場の指揮を任せつつ事実関係を調査してたらしいんだけど、調査の結果として今後も指揮を執らせることはできないって結論に達したってことらしい。いろんな報道を見ても詳しいことはわからない感じなんだけど。

当面はジェニファー・フォスターとステフェン・カービーが引き続き指揮を執るとのことなんだけど、この件の影響もあるのか、この期間のレスター・シティは4戦0勝1分3敗の勝点1で、かなり残念な結果だったかな。ただ、試合内容は全然悪くなくて、大敗したチェルシー戦を除けばそれほど悲観する内容じゃないと思うけど。クラブ史上初めてベスト4まで勝ち上がったFAカップも含めて。

1月に加入した宝田沙織と籾木結花もすっかり主力って感じだし。特に籾木結花は得点に絡む仕事が増えてて、ブライトン&ホーヴ・アルビオン戦で1アシスト、アストン・ヴィラ戦でも1ゴール+1アシストを記録してる。加入当初はWGでも起用されてたけど、最近は4-3-3のインサイドMFか4-2-3-1の2列目の真ん中で固まって感じかな? ビルドアップの出口になったり左右に幅広くパスを散らしたりボックス近辺でフィニッシュに関わる仕事をしたり、特に保持局面での存在感は絶大。どの試合でもだいたい見せ場を作れてるし。特にアストン・ヴィラ戦での得点はまさに技アリって感じの見事なゴールだったし。宝田沙織もCMFとして攻守に奮闘してて、ブライトン&ホーヴ・アルビオン戦ではアシストを記録してたし、惜しいシュートを打ってたりもするし、今後がますます楽しみ。

残りのリーグ戦に関しては、アーセナル戦とマンチェスター・ユナイテッド戦を残してるんで、現状の実力を測る試金石になりそうかな。もちろん、リーグ再開前の4月14日に予定されてるFAカップのトッテナム・ホットスパー戦が目の前の大きな目標なんだけど。

トップ4を死守したいマンチェスター・ユナイテッド

優勝争いの次のグループは、マンチェスター・ユナイテッドとリヴァプールとトッテナム・ホットスパーの4位争いがなかなか熾烈な感じ。トッテナム・ホットスパーは消化試合数が1試合少ないことも含めて。UWCLの出場権は上位3チームのはずなんでトップ4に入っても特別な見返りがあるわけじゃないと思うんだけど、シンプルにプライドの問題としてマンチェスター・ユナイテッドはトップ4は死守したいだろうし、リヴァプールとトッテナム・ホットスパーはトップ4に入れたらものすごく名誉だろうし。相変わらずマンチェスター・ユナイテッドのパフォーマンスはそれほど安定してない印象なんだけど、それでも勝点を積み上げてるのはさすがって感じではある。リヴァプールもトッテナム・ホットスパーも、多少の波はあるけど全体としては好調を維持できるって評価でいいのかな。今後の対戦相手を見ると、中断明けにそれぞれFAカップの準決勝を闘った後のリーグ再開初戦の19節にはマンチェスター・ユナイテッド対トッテナム・ホットスパーの直接対決があって、リヴァプールは20節にチェルシー戦があって、21節にはリヴァプール対マンチェスター・ユナイテッドの直接対決があって、トッテナム・ホットスパーは最終節前のミッドウィークに未消化分のチェルシー戦があって、マンチェスター・ユナイテッドは最終節にチェルシー戦があるんで、最終的にどうなるか、全然予想できない感じ。

ブライトン&ホーヴ・アルビオンもこの期間で大きく勝点を稼いで順位を上げたチームで、特にノルウェー代表FWのエリザベス・ターランド(Elisabeth Terland)が12点取ってたりして、ちょいと面白い存在になってる印象。他はそこまで目を引くチームはない感じ。1月の移籍ウィンドウで加入してから主力として印象的なパフォーマンスを見せてたオーストラリア代表MFのカトリーナ・ゴリー(Katrina Gorry)を今シーズン絶望レベルのケガで失ったことがちょっと心配されたウェスト・ハム・ユナイテッドもよっぽどのことがない限り残留はできそうかな。やっぱり清水梨沙がCMF起用されてたり、選手のやりくりは苦しそうだけど、実は試合の内容はけっこう良くなってる印象もあるし。林穂之香のゴールが取り消されたことがけっこう話題になったチェルシー戦なんかも、かなりチェルシーを苦しめてたし。

得点王レースはショウが快走中

シーズン終盤のこの時期になると得点王争いも気になってくるけど、今シーズンに関してはマンチェスター・シティのジャマイカ代表FWのカディジャ・ショウ(Khadija Shaw)が現状では独走状態に入った感じかな。18試合で19ゴールなんで、文句なしって感じ。2ゴール決めた直近のリヴァプール戦でもボックスの外からのゴラッソがあったし、いろんなカタチで点が取れる万能型ストライカーとしての能力の高さを遺憾なく発揮してる。昨シーズンはアストン・ヴィラのイングランド代表FWのレイチェル・デイリー(Rachel Daly)に2点及ばなかったけど、今シーズンはこのままぶっちぎりそう。

ちなみに、2位は13ゴールでチェルシーのローレン・ジェイムズ(Lauren James)、3位は12ゴールでブライトン&ホーヴ・アルビオンのエリザベス・ターランドが続いてて、2桁を超えてるのはこの3人だけ。アーセナルとかマンチェスター・ユナイテッドの選手の名前が入ってないのがちょっと意外でもありつつ、両チームの苦しさを物語ってるのかな...とも思いつつ。

ラスト4節になったシーズン終盤の注目ポイントは?

代表ウィーク明けのスケジュールを見てみると、まずはリーグ戦の前の4月14日に開催されるFAカップの準決勝(詳しくは"WSL Watch #049"を参照)があるんだけど、リーグ戦に関してはやっぱり5月5日の21節のアーセナル対マンチェスター・シティってことになる。まさに優勝の行方を左右するビッグ・マッチって感じなんで。もちろん、どういう状況でこの2チームがこの試合を迎えるのかって部分も含めてだけど。

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