オンライン小説講座の記録-3ヶ月目

私が開催しているオンライン小説講座、3ヶ月目の記録です。
今回も講座のなかで私が話したことや感じたことをまとめていきます。

↓講座についてはこちらをご覧ください↓

この講座は参加者それぞれで課題を設定して行うので、全員が同じことはしません。既存作品の改稿をする人がいたり、公募を目指して新作に挑戦する人がいたりと様々です。

7月、3ヶ月目が終わってみなさん進捗が出てきました。新作を書こうとしている人もプロットは出来上がって原稿に進んでいます。いいペースですね。


参加者の進捗や原稿の精度が上がっていくのを見ていて、私としてもこの講座の①マンツーマンで②期間を長めでの開催、というやり方に手応えを感じられてきました。

もっといろんな人に向けてこの講座をやりたくなったので、追加で参加してくれる人を募集しようと思います。3人ぐらいでしょうか。またTwitterでお知らせします。


ストーリーの構成の仕方

プロ作家の小説を読んでいると、ストーリーの構成に一定のパターンが見えてきます。そのパターンは小説をおもしろくするものであり、自分の作品にもそのパターンを取り入れることができるとストーリーの構成がぐっと良くなります。

今回お話ししたのは、特にラスト部分の構成について。
そして主人公の幸福度、エピソードの瞬間に主人公は不幸を感じているか?幸せを感じているか?に着目して構成を見ていきます。

だいたいの作品はラストのエピソード構成が、

大きな幸せ→作中で1番の問題が起きる=作中で1番の不幸→問題を解決してハッピーエンド

という順番になっています。


主人公は、なにか嬉しい出来事があってとても喜びますが、その喜びも束の間。

作品のなかで最も大きな問題が発生し、そのせいで主人公は作中で最も厳しい状況に追い込まれます。

そんなピンチのなかで主人公は、自分の力のすべてを出し切って問題を解決。見事ハッピーエンドに!

といった感じです。


最初は小さな問題や小さな喜びのエピソードを出していき、大きな喜びや不幸をもたらすエピソードは後ろにとっておいてラストで一気に出す。

優れた作品を見てみるとそんな構成になっていることが多いです。



「知り合いから『昭和くさい』という感想をもらうのですが…」

このような質問は作家さんとやりとりしているとよく出てきます。
「以前に読者から感想で『〇〇』と言われたのですが、」と。

こちらは参加者の1人からいただいた質問です。

「自分の小説を読んでくれた知り合いから『内容が昭和くさい』と言われるのですが、なぜそう言われてしまうのでしょうか?」

こんな時に私はいつも、なぜその人の作品が読者にそのような印象を持たせたのか?の原因の特定を試みます。

読んだ人が昭和感を感じたのであれば、作品になにかそう思わせる要因があるはずです。


今回は「作者の描く女性主人公のキャラクターが、エネルギーに溢れた行動的で前向きな女性であることが多い。それは最近の女性主人公に多い、受け身で内向的なキャラクターとは正反対になる。その『主人公のキャラが今どきではない』という理由が読者の『昭和くさい』の感想に繋がったと思われる」

といったところに考えが行き着きました。作者さんが海外文学が好きでよく読んでいることも原因の1つでしたね。アメリカやイギリスの作品の女性主人公はパワフルで行動的なイメージがあります。そのような作品が好きでよく読んでいるので、書く作品の主人公も自然とそのようなキャラになった、と。この答えに作者さんは納得していただき、スッキリとされたようでよかったです。


このように、作家さんが読者からもらった何気ない感想がずっと気になってしまっていることは多いです。読者の人は感想だけを述べることが多く、「なぜそう思ったのか?」の理由までは教えてくれません。しかし書いている方としてはそのような感想を持たれた理由が気になってしまうと思います。

「自分の小説がどうなっていて、どのような印象を読者に与えているのか?」
そういった分析をこの講座ではお話ししています。

「自分の小説のどこがよく書けていて、どこが不十分なのか?」
自己分析としてこれが把握できていなければ、改稿をしようにもポイントや直し方が分かりません。公募で何度も同じラインで落ちてしまう方は、まずはきちんと自分の作品を分析することが必要なのだと思います。

しかし実際のところ、自分が書いたものを客観的に見て適切な分析をしていくのはとても難しい作業なので、この講座では作者が自分の小説のことを知るためのアドバイスをしています。


参加者の方が書いてくれた講座のまとめ

こちらもぜひ。知らない人が見ても分かりやすくまとめてくれています。



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