小説家の初心者が目標にするべきこと

小説家初心者には、シンプルな物語をきちんと書けるようになることをまずは目指してもらいたいと編集者として思います。

壮大な世界観のオリジナルファンタジーシリーズよりも、1巻で完結するもの。
魅力的なキャラクターが織りなす群像劇よりも、主人公1人がメインで進んでいくストーリー。

設定は単純なほうがいいですし、登場キャラクターはできるだけ少なく。ストーリー構成も簡単でOKです。できるだけシンプルな物語にすること。

シンプルさのなかに、物語&小説の基礎があります。その基礎をまずはちゃんと書けるようになること。


シリーズものをちゃんと書ききって完結させることも、全てのキャラが輝いている群像劇を書くことも、難しいんですよ。小説としての難易度が高いです。

初心者に複雑な物語を書き切ることは難しく、完結させる前に挫折してしまうことが多いです。

それだと小説を書くことの経験値があまり入らないので、小説家としてのレベルアップに繋がりません。


「複雑なものを書こうとして挫折」
よりかは、
「シンプルだけど完結」
という経験をするほうが、小説家としてのレベルは大きくあがると思います。

「自分が考えた物語を、1つの小説として書ききって完結させること」
このことが持つ価値はとても大きいです。



まずはシンプルな設定をちゃんと書けるようになること。そうやって1歩ずつ着実に小説家としての力を高めていくこと。初心者は自分の成長を目標にしてほしいです。

いまの自分の現在地を冷静に把握して、ちゃんと達成できそうな小さな目標を用意して、1つずつ確実にクリアしていくことが大事だと思います。いきなり理想の物語は書けません。「いつか理想の物語を書くために自分に何が必要なのか?」を考えて、1つずつ手に入れていく。

そういった目標に対して遠回りに見える、地道なコツコツとした積み重ねが、実はもっとも近道であると思います。

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