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いちばん好きだった人


婚活を頑張っている全ての皆さま、お疲れ様です。

今年こそ恋人を作って幸せに暮らしたい、という神頼みをすることはや数年、ついに今年の初詣で二礼二拍手ののち、「神様お願いします、今年こそ恋人ができますように」と祈ったところで、ここは神社じゃなくてお寺だったことに気がつきました。

八百万の神の信仰で生きているので、救ってくれるなら神様でも仏様でも観音様でも何でもいいです。


さて、毎年この年末年始の時期は、1人の元彼を嫌でも思い出してしまいます。
別れてもう2年経つのに、いまだに鮮明に覚えている、それぐらいまだまだ未練が断ち切れない、忘れられない人。

新年早々に今年の抱負でも目標でもなく、過去の振り返りnote書く人なんて私だけでは??
(よければお付き合いください)

きっかけはマッチングアプリで彼から送られてきたいいね。
友達に撮られたであろう、とても自然な笑顔の写真が、当時好きだった俳優に似ていて「イケメンだな」と思っていいねを返した。

そこからメッセージのやり取りをして、私がクラフトビールにハマっている、と送ったところ、「俺もハマってる!実は気になってるクラフトビールのお店があって」と返ってきた。

彼からの誘いも待たず、「じゃあ一緒に行かない?」と私の方から誘って、トントン拍子で週末の初アポが決まった。

マッチングアプリは何度もやっているけど、後にも先にも私からデートに誘ったのは彼1人だけ。
メッセージの感じややり取りのテンポがとにかく心地よくて、特に何も考えずに誘っていたし、とにかくこの人と話してみたいと思った。

待ち合わせ場所はお店に1番近いから、という理由で鶯谷駅。あまりの渋すぎチョイスのため、アプリでよくある「どこにいますか?」のやり取りもなく、改札出たらもはや彼以外の人がおらず、間違えようもなかった。

その日なんの話をしたかはもう忘れたけど、12時に合流して別れたのは21時

初回デートで9時間はさすがに恋愛セオリーぶっ壊しすぎだろと思うけど、まったく疲れなかったし、話題が尽きなかったし、何よりそれでも喋り足りないというぐらいに楽しかった。

1回目で、この人のことを好きになるという直感と、こんなイケメンが私のことなんて好きになるはずがないから、傷つかないためにも本気にならないでいようという決意で揺らいでいた。

すぐに2回目のデートの約束をして、その週末の金曜日の仕事終わりに飲みに行こうということになった。あんなにも週末が待ち遠しかったのは初めてだった。

待ちに待った金曜日。
未だかつてない速さで定時ダッシュを決めた。
待ち合わせ場所にいた彼は、仕事終わりのスーツ姿で、胸キュンなんてどころではなかった。死ぬほどかっこよくて、平静を装ったまま心の中で大ガッツポーズを決めていたけど、多分顔に出てたと思う。

19時前に合流して、3軒目まで行った。
時間を忘れるほど盛り上がってしまい、本当にナチュラルに、気づいた時にはお互いの終電の時間が過ぎていた。

金曜の夜の渋谷。
目の前には、会うのが2回目の好きな男。

①タクシーで帰る
②カラオケやファストフード店で始発まで時間を過ごす
③ホテルに入る


3つの選択肢を私から順番にあげていった。
正直どれでもよかった。
たとえホテルに入ることになったとしても、この男は絶対に手を出してこないという不思議な安心感と信頼感を感じていた。

結局③で入ったホテルで、告白され付き合うことになった。同じベッドで寝ても、やはり彼は手を出してこなかった。
あとあと聞いたら「マジでめちゃくちゃ我慢した」と言われた。すごく可愛かった。

「運命の人っているのかも」

彼と初対面で会った時、素直にそう感じた。

マッチして、付き合うまでの期間は2週間ぐらいだったと思う。
自分でも早いなとは思ったけど、上手くいく人というのは、やり取りがスムーズだし、予定がすぐに合う、いろんなことのタイミングが自然と上手くいくんだと思った。

それ以外にも、
・初対面なのにずっと友達だったみたいに自然で違和感がない
・連絡頻度が心地いい
・一緒にいると妙な安心感がある
・香水や柔軟剤ではなく、相手の体臭がいい匂い
といったことは、不思議と感じていた。
よく言う「遺伝子レベル」で相性がいい人だったのかも(と思いたい)

まあ、運命の人とかスケールでかいこと言っときながら、結局彼とは上手くいかず、半年足らずで破局してしまった。

たぶん、お互いにまだまだ未熟な部分があったのだと思う。未熟ゆえに相手に期待しすぎてしまって、理想と現実のズレにうまく対応できなかったのが原因だったと思う。

これが世間一般で言うところの「価値観の違い」って破局理由なのかと、初めて分かった。

今でも、あの時ああすれば、こう言ってれば、という後悔はある。それでも、たくさんの初めてとたくさんの幸せを実感した期間だった。

自分が好きになった人が彼氏になるということ。
あんなに嫌いだった電話が、好きになったこと。
四六時中彼のことを考えてしまう、意外と恋愛体質だったこと。
Twitterばかり開き、平気で1〜2日返事しない未読無視常習犯の私が、仕事の合間にすぐLINEを返していたこと。
普段の何気ない言動や眼差しから「愛されている」と実感できたこと。
一生縁がないと思っていた恋愛ソングを永遠リピートしたこと。
サプライズされる喜びとそれだけの愛情を感じたこと。
好きな人と肌を重ねる幸せと、人肌の温もりを初めて感じたこと。
将来一緒にしたいことの空想をたくさん語り合ったこと。

恋愛をしてこなかった私には、いろんな「初めて」があって、これまで彼氏ができなかったのも、彼に出会うためだったのだと冗談抜きで思った。

勉強と部活だけだった学生時代と相殺しても余るぐらい、彼と過ごした時間は理想と青春を詰め合わせた福袋みたいな毎日だった。

一つ弊害があるとすれば、男性の「本気で好きになった人」への態度や言動を身をもって知ってしまったせいで、その後アプリで会った人の「あーこれは私の優先順位が低いやつだな」と損切りするのが早くなったことぐらい。

あんなに違和感なくすんなり付き合った人ですら、価値観の違いですれ違ってしまうんだから、連絡が遅いとか、コミュニケーションに違和感があるとか、その時点で少しでも不安を感じる相手とは、多分付き合い続けてもうまくいかないと思う。

初回デートのクラフトビール


付き合ってからの伏線回収がもう一つある。

彼にいいねを送ったとき、「なんかこの人私が推してる俳優に顔似てんな」と思ってたら、本当に兄弟だったらしい。

そんなことあるんだ…と思いながら、話聞いてたら、その俳優に家族公認の彼女がいるという知りたくなかった情報を教えられて、オタクとしては大変ショックを受けたのだった。

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忘れられない恋物語

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