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老体も枯れてススキのモテ期かな

人生、なかなか上手くいかないものだ。

いよいよ来年は後期高齢者入りをする。免許返納のために、バスの運行表を検討し、掛かり付け医への移動手段は何とかなる。食材の買い物に関しては、パルシステムを試してるが、1ヶ月間過ぎて問題なく暮らせる。目先を変えるなら、他の食品宅配も充実してる。衣服に関しては、ユニクロで上下室内着と外出用をネット購入して、サイズ合わせをして確かめた。店にはないサイズが、通販では各種揃えられてる。

用意万端整った。わずかな年金だが、建物の修繕などが無ければ、何とかいけるだろう。ただ毎日が、死ぬほど退屈になるだけ。


昔の知り合いに会った。娘夫婦と同居し、三世代で暮らしてるそうだ。来年に免許返納して車も廃車にすると、毎日がヒマで、もうどうして良いか分からないくらい退屈になるだろう。そんな話をしたら、同居しても良いよだって。速効断ったけど。

この歳まで生きてきて、年々不具合が増え、腰痛だけではなく変形性膝関節症になり、他人の家族まで養って、だって。自分名義になってる家に、このご時世にいろいろ大変とかで娘家族が入ってきた。子供の面倒から夕飯の買い物と食事の支度など、自分の家なのに年金まで使って買い物をし、自由時間もないとぼやいていた。

内縁とではなく、単に同居という事で、年寄り同士助け合いながらの生活で。掃除や家事全般、互いに半分ずつ協力して、などと言うが、嫌なこった。別れた元亭主がギャンブル依存症で、週に何回か夕飯を食べに来るらしい。その依存症が原因で別れたのに、喰えなくなると来るので顔も見たくないとか。


タカ姉も店の仕事を全て子供に任せて、家を小さく改築して子供家族とは別所帯にした。やはり一緒に住んでいると、難しい問題も出てくるらしい。棟続きの一人暮らしで、夕飯だけ一緒というのも良い関係だ。茶道用に改築し、庭も作り替えた。

小さな台所と六畳と、十畳ほどの寝室がプライベート空間として用意してある。メインは茶室や茶道具、華道などに使う部屋で、長男の嫁がタカ子の華道と茶道の元お弟子さんなので、今も一応はお弟子さんらしいが、いずれは佐恵子さんだけの家になると言ってた。経済的にも恵まれ、家族にも恵まれ、何不自由ないように見えるが、時には一人になりたいらしい。男のように遊べないから、せめて一人になりたいとか。


この歳になり、もう枯れて朽ちるだけなのに、急にモテ期に入ったらしい。若い子などからも話しかけられ、仕事の悩みなど電話も来るようになった。70歳前までは人も物も、どのくらい使えるかという計量的に見ていた。単なる物としての存在だった。

70歳を過ぎた頃から、次第に考え方や捉え方が変わってきた。その物はそのままの姿が最も綺麗だと思えるようになった。若いときの悩みも中高年になってからの悩みも、捉えようでは大きく違うように見えても、70を超えてくると皆同じ様なものになる。

楽しんでる姿も良いし、悩むことも、より良い生き方を見詰められる糧になる。人の悩みも生き死にも、自然界の姿も、何となく同じ流れに見えてしまう。それぞれがその立場で、精一杯に生き楽しめれば良い。物欲もなくなり、金さえも生活が出来ればそれ以上は望まない。持っていても無駄になるだけだ。だからとパチンコで使い果たすことはしないけど。


年寄りよりも、若い人と話すのは嬉しい。出来れば女性の方が、何となくワクワクと楽しくて良い。もう枯れて、ただ倒れて朽ちるだけになり、モテ期に入ったような、それともグッドバイが近いのか。

思うように動けなくなってモテても、男同士なら良いが、女性と二人になると、老いた我が身が悩ましい。老いて安全性が担保できるようになり、やっとモテ期が現れてきたのかな。



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