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好きよりも大好きという言葉は軽い

「好き」よりも「大好き」という言葉は軽い。

文字面では、好きを5としたら大好きは10のように見えるが、実際は2か3くらいのような気がする。

感覚的な話だけど、「好きです」と言われると、こちらもそれ相応にしっかりと答えなければと思うけれど、

「大好き!」「大好きだよ」と言われると、この人は僕のことを好いてくれているんだなぁ嬉しいなぁありがとうと、どちらかと言うと"異性としての告白"ではなく"愛情表現"としてありがたく受けとってしまう。

なのでこちらも諸手を挙げて大好きだよ!と返すことができる。


またドラマで、大好きの意味を込めて、「大嫌いっ!」と言うシーンを見たことがある。

これはこれで尊いが、「好き」という言葉ではなく、LINEで「しゅき」とか「しゅぴ🥺」と言われると、なんだかキュンとしてギューっとしたくなる。

あぁこの人は好きということを伝えたいのに、"むきだしの好き"は恥ずかしくて言えず、でもどうにかしてこの想いを伝えたい、と心のそこから出た言葉のように感じるからだ。



ただ「好きだよ」は時に残酷な感情をも引き起こすことがある。



彼「好きだよ」
彼女「私も好き♡」

彼「今日も好き」
彼女「早く会いたいね、好き!」

彼「おやすみ~好きだよ」
彼女「おやすみ好き♡」

……

………

………………


でもだんだんと
「好きだよ」と言うと「ありがとう」と返ってくることがある。


「最近あんまりLINEできてないけど好きだよ!」
「ありがとう~明日朝早いから寝てね!おやすみ」


あぁ、と思う。

だいたいこの先には別れが待っている。

あぁもう終わりなんだなぁ、ジュッと蝋燭の火が消えるにぶい音が聞こえる。



今まで終わりの確認作業をするために、「好き」と言ったことがあった。

そして「ありがとう」を回避するために、「大好き!」と言ってみたこともあったっけ。大好きはただの愛情表現なので、ありがとうと言われても大丈夫。

そうきっと大丈夫……


言葉って切ないぁと思う。(決して良いとは限らない)その言葉に含まれている言葉以上の意味を内包していることがあるからだ。



昔、別れ際に「もっと察してほしかった」と言われたことがあった。

「察してほしいってなんだよ!何をだよ!説明してくれ」と思いながら、その人との別れはとても後悔していたので、それから察することに注力した。

・前髪切った?
・ネイル春っぽくなったね。いつも可愛くしてくれてありがとう
・今日いつもよりしんどそうだけど大丈夫?少し休もうか?
・最近忙しくて寂しくさせちゃってたよねごめんね。毎日想っているよ

そのおかげで、そのへんの男より察することができるようになった気がする。



それでも、終わりが近いのを察してしまうのが怖くて、僕は軽々しく好きだなんて言えなくなってしまったのだった。





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