全ての人はクリエイターである。~古事記の暗号 1
古事記において、最初に現れた神は、天之御中主神(アメノミナカヌシ)です。
続いて二柱の神、高御産巣日神(タカミムスビ)と神産巣日神(カムムスビ)が現れました。
高御産巣日神(タカミムスビ)と神産巣日神(カムムスビ)に共通するのは、神名に産(ムス)という字を持つことです。
産(ムス)とは、産み出すことで、つまり創造することです。
では、この「産(ムス)」は、現代の私たちにどのように対応しているでしょうか?
私たちはみんな、父と母があり、その対極的な陰陽の統合という働きによって、この世界に産まれました。
産まれた私たちはみんな、父と母のムスコかムスメです。
ムスコとムスメの語源は次の通りです。
ムスコ=産(ムス)子=産(ムス)男
ムスメ=産(ムス)女(メ)
私たちは、みんな産(ムス)男か、産(ムス)女のどちらかです。
つまり、何かを創造する男か、何かを創造する女、なのです。
全ての人が創造するために生まれてきたのであり、全ての人がクリエイターなのです。
私たちは、毎日何かを創造しています。
一番分かりやすいのは仕事です。
仕事の場合、形として目に見えるモノ、或いは目に見えないサービス、といった違いはあったとしても、何らかの他人の役に立つ創造があり、そこに対価が支払われています。
じゃあ、仕事をしていない人は創造していないかというとそんなことはありません。
資本主義経済の枠組みの中では、生産性などという言葉から、経済的な価値が低い創造は評価されませんが、それは本当に資本主義経済の枠組みの中だけでの話です。
宇宙的には創造自体が価値なのです。
私たちはみんな、生きている限り、創造しています。
何を?
私たちそれぞれの世界を、です。
私たちは誰でも、間違いなく、今この瞬間、何かを体験しています。
体験とは、あなたの肉体、あなたの五感を通して、目の前の世界を感じることです。
あなたが感じた感覚は、あなただけのものです。
あなたが感じ取ったその世界は、あなただけのものです。
あなたの体験は、あなただけのものです。
あなたは、全ての瞬間において、あなただけの体験を創造しています。
実際のところ、それぞれの人が持っている「わたし」というのは、体験を創造するために開かれた「場」みたいなものです。
そして、どのような体験であったとしても、体験自体が価値なのですから、そこに「いい・悪い」も「優・劣」もありません。
私たちは誰でも、生きている限り、全ての瞬間において、自分だけの体験を産み出し続けている
産(ムス)男であり、
産(ムス)女(メ)
なのです。
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