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場末のディサービス(43)

「じゅんこさん 薬 ちょうだい。またおなかが きりきり
痛いねん」 と みーさん。
「朝 飲んできたやろ?もうちょっとしたらきくよ、
それまで ベッドで寝といたら・・・」

みーさんは数年前から一人暮らし それまでは介護度5の
ご主人の介護をしながら 場末のディサービスを利用していた。
ご主人が寒がりだからとマフラーやネックウォーマーをたくさん
編んで たまに スタッフも頂いたりした。

ご主人が亡くなられ、みーさんに肝臓がんがみつかり
腹腔鏡手術をした。悪性ではなかったとケアマネより連絡があり
安心していた でも そのころから
「おなかが痛い」の訴えが多くなり 自宅では鎮痛剤を時間に関係なく
服用して困っていて 薬は 本人の手の届かないところに保管してあり
夜間にヘルパーが入った時に 渡しているとのこと。

ご家族から ディサービス利用中に腹痛の訴えがあったときに
飲ませて下さいと薬を預かった。
鎮痛剤では なく ラムネだった
独居になって 手術をして  少しずつ認知症が進んできたように
思う ディサービスで腹痛の訴えは頻回になり
編み物やカラオケ、ゲームをしている時は 訴えはなく
隙間の時間に多かった。みーさん リハビリが嫌いでリハビリ前に
 「おなかが痛い」 
歩行訓練をしながら 近くの公園に散歩
散歩中 みーさんは「ご主人が死んで 寂しい」
「娘たちは 仕事で 忙しいので 来てくれとは言えない」と
ずっとおしゃべり そんな日は 薬のことも忘れ 楽しく過ごされて
帰宅。  いつも同じようなサービスが提供できるといいが・・・

介護保険ではスッタフの配置にしばりがあり、オーナーからは
スッタフが多いと言われてた。

  25人定員だと3人の配置でいいと言うことになっている。
お風呂にスタッフが2人  フロアーに1人 トイレ介助につくと
看護師と機能訓練士だけになってしまう。
 スタッフが一人休むと とても回らない。 
場末のディサービスは年中無休だったので スッタフのやりくりは
しんどかった 穴埋めに私が今日はお風呂、明日は厨房と
動いていた。

介護は人 スッタフがいれば ゆっくり話ができる
楽しいゲームもできる。
ディサービス利用中は 寂しい思いをしなくてすむ。

 「今日は楽しかった」と 笑って帰れる

  

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