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場末のディサービス(あの手 この手)

久しぶりに仲良しの皮膚科の先生の所に 塗り薬をもらいに行ってきた。
場末のディサービス時代に大変お世話になった先生で、利用者の方も
家族もお世話になっている。患者さんが多くて時間がかかるのだけど、
確実に丁寧に診てもらえる。昨日行こうと思うと電話をすると、
一緒に「ランチに行こう」と誘われ 「何時ごろに行けばいい?」と
聞くと 2時ごろと言うので 病院は12時までなのだが、患者さんが多くて
いつも2時ぐらいまで開いている。
前の日が休診だったので 3時過ぎまで診察があった。

男性の患者さんが先生から勧められたと言って面白いものを見せてくれた。
一人暮らしの方が背中が痒い時に使うものは・・・孫の手
一人で背中に塗り薬を寝るときに使うものは・・・あの手この手

冗談みたいだけど あの手この手は優れもの
孫の手に似ているが、手の先に軟膏を塗る所が付いていて
(猫の手みたいな感じ)角度も変えられる
背中の真ん中あたり 手の届きにくい場所に軟膏が塗れるようになっている
もちろん 孫の手の機能もある。
軟膏さえ塗ることができれば、無駄に掻きむしって血だらけにならなくて済むと
その男性は喜んでいた。

先生は便利そうだから 買ってみたらしい
値段も安いし、これだったら気にせず一人暮らしの人にプレゼントできると
忙しくてお買い物に行けない先生は 通販で見つけたようだ

遅くなったのでお昼は病院でみんな揃って ピザを食べた。
折角純ちゃんが神戸の山奥から出てきたから クーさんのお見舞いに行こうと
言うことになり、5時過ぎにくーさんちに。

退院後のくーさんは 痩せてぐったりしていた。

ベッド前のテーブルには夕食が残ったまま、薬のみには水分がそのまま
一人で 死を待っている感じがした。
私の顔を見て 「もうあかん」と 一言
「頑張って ご飯食べてよ 少しお水も飲みよ」と声かけはしたものの

顔を見ていると 胸が一杯になった。
「あかんね・・・」

先生と看護師さん 私の3人は 「帰るね」って声かけすると
くーさんの目から涙が溢れてきた。

帰りの車の中で
神戸の内科の先生は 毎月必ず体重測定をする めっちゃ鬱陶しいと
私が話したことから 「先月と同じ」って言ったらと看護師さん
ちなみに夫は パス1して来いって
先生
「で、どうなん 体重は?」「少しずつ 減ってるよ」

「よかったじゃん」

次は薬自慢
看護師さん 花粉症の薬 健康診断でAC1が高いって出た
先生 花粉症の薬 内科の薬 緑内症の目薬
純ちゃんは?と聞かれ 息子が2浪してから降圧剤を飲んでいる
と 話した

先生 私が最も尊敬する先生 場末のディサービスで仕事をしていて
この先生と出会えたことは 一生の宝物
くーさん宅で夜10時に往診に来てくれて 本当に助けてもらった。
主人の往診もしてもらった へんこな主人が先生の言うことだけはきく

くーさん 覚えてる?私に
逝く時は 迎えに行くからって言ってたの
私 主人がいるから 一人で逝ってよって くーさんが あかんって
言うたびに そんな冗談を言って笑ってたよね
今まで 何回もあったね。

迎えにこんでいいよ。がんばれ


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