見出し画像

これからの社会インフラづくりの途中経過(2023年3月の頭の中の記録)

久しぶりにnoteを書く。
しばらくは時間と心に余裕が無かった。

文章を書くのは楽しいが、とても疲れる作業である。
だからnoteAIのβ版で、切り口の提案を生成してもらったが、こちらからインプットする情報がイマイチだったのか、あまり良い切り口を手に入れることはできなかった。

自分の語りたいことを表に出してくるのは、まだ自分の脳にしかできないようだ。

チャレンジスタートから2年が経過しようとしている

2021年3月からcommonというアプリをはじめて、もうすぐ2年が経過しようとしている。
PRでは「地域共助プラットフォーム」と呼んでいる地域SNSのようなサービスだ。

はじめてのアプリというツールを使ったサービス開発。
正直、当初は2年後の今の状況をイメージできたかというと、(根拠のない自信はあったものの)解像度高くイメージはできていなかった。

当初想定と比較して現在の状況が良いか、悪いか、というとこれはとても難しい。

単純に成功/失敗と評価するのには難しい、この2年間の1日1日の体験を通し見えてきたものや得られたものが山ほどある。

日々の悩み、メンバーとの試行錯誤、顧客の反応、、、もちろんそうした情報は"事前に"本で読んだり、人から聞くことはできていたが、自分で体験すると、全く異なる景色が目の前には広がっている。

今の時代環境や自分自身の年齢から、チャレンジをしていない・リスクを取らないことこそが人生最大のリスクだと信じて日々過ごしてきた。

まだ振り返るには早すぎるが、こうした景色を今見えているのも、この2年間周囲のメンバーに恵まれながらチャレンジできたお蔭だと感じている。

素晴らしいメンバーとの素晴らしいモノづくり

アプリの良し悪しの評価は、世の中的にある程度オーソライズされた基準がある。
まず、そうした数値基準から見たcommonは「まあまあ良い」。

また定期的にユーザーへのインタビューも実施している。
そうしたリアルな声を聞いていると「これからの世の中に求められるサービス」だと実感する。

もちろん、やらなければいけないことはまだまだ山ほどあるし、現状に全く満足してはいない。

アプリの良し悪しを超えて、今の状況が「結構良い」な、と感じているのは、そのモノづくりのプロセスと、そこから感じる未来に向けた可能性にある。

今、commonは社内外含めて約10名程度のメンバーで開発と運営をしている。

そして、そのメンバーの熱量、探究心がとても良い。
こちらは開発パートナー会社のエンジニア秋田さんのインタビュー。

そして、ディレクター服部さんデザイナー長谷川さんのインタビュー。

これらの記事が彼らの会社の採用目的ということを差し引いても、それぞれのメンバーの自分事にしている度合いや、サービスが実現したいビジョンへの解像度の高さを感じて頂けるのではないかと思う。

彼ら3人に限らず、社内/外注先といったレベルを通り越して、メンバーの共創無くして今のcommonは存在していない。

世の中に見えるのは、スマホ画面サイズの中にあるアプリという「機能」だが、その裏側にはかなりの時間のメンバーの試行錯誤がある。

関わっているメンバー全員が、自分事として顧客課題を捉え、深く考え、議論をぶつけ合いながら、機能として収斂されていく。

そして結果として提供した「機能」を通じて、多くの人々の行動変容を促しているという実感がある。

最高のメンバーとの最高のモノづくり、そして顧客からの喜びの声。

これだからモノづくりは止められない。

創りたい世界の0.2%も実現できていない

今は、日々成長していくcommonを見ているのは楽しい。
これからも毎日今まで通り頑張れば、成り行きでも成長していける、という感覚もある。

しかし、真に「これからの世の中に求められるサービス」の実現までには、まだまだ遥かに遠い、という思いもある。

最終的に創り出したいのは、過去100年の間で都市化した社会に対して、その負の部分を埋めることができる新たな社会インフラだ。

これまでの社会インフラと言えば、制約された空間に人口が集中する社会に対して、道路、公共交通網、上下水道、住宅、商業施設など、最低限人間が住んで暮らすための生活を物理的に支える存在だった。

しかし、これから必要となる社会インフラは、地球環境に負荷を与えずに持続できる経済システムであり、交通事故など理不尽な理由で人の命が奪われない都市空間であり、人間の創造性や生きることの実感を通した尊厳を支える社会的ネットワークだと考えている。

そうした次世代の社会インフラを創りたい。

今の時点の地域SNSのようなcommonというアプリは、あくまでその第一歩目の足を上げかけたところに過ぎない。

都市化した社会が持つ根本的な課題の一つが、そもそも社会の担い手である一人ひとりの生活者が、自分の周囲の環境(「町」と呼んでも良い)のことを認知したり働きかけることが困難、という気づきから、まず、生活者と町を繋ぐインターフェースとしてcommonというアプリを作った。

ややこしい表現をしたが、要はテクノロジーのおかげで世界中の情報にアクセスすることは容易になったが、例えば、隣の家が困っていて周囲に助けを求めていたとしても、それに気づくことすらできない社会が現在の我々を巡る状況ということだ。

やや極論だが、都市とは、それ以前の社会では困難だった隣人の顔や名前を知らなくても社会を継続できる仕組みをOSとして備えている。

そのOSはとても上手く機能して現在に至っているが、周囲に対して、もしくは公共(みんなのこと)というものに対して関心を下げる、という副作用も生んでしまっている。

だから、まずは地域社会の一員であることの気づきを得る体験づくりとしてcommonを作った。

2年かけても、実現したい姿の0.2%しか創れていない。

焦ってもしょうがないけど、2030年くらいまでには30%くらいまで持って行きたいし、そのためには、資金、メンバー、そして事業収益などあらゆる面での規模を拡大していかないといけない。

次への「大きな一歩」に向けて

プロダクト開発には、666ロードマップというフレームワークがある。

良いプロダクト開発は、以下の時間軸を同時に考えることが大事、という考え方だ。

次の6週間:直近の改善案をやる
次の6ヶ月:将来から逆算して重要なことをやる
次の6年 :将来の大きな展望を描く
https://note.com/shin_sasaki/n/n294ab56842b7

今まさに問題だと感じているのは、ここでいう6週間、6ヶ月後のことだけに時間を費やしていることだ。

日々起こる問題への対応や、直近半年くらいの数値目標に対しての対策を考えること、そして毎日データを見ながら一喜一憂して1日が過ぎていく。

もちろん、こうした活動は現状のサービスを安定させたり、短中期の成長をしていく上でとても重要なことだ。

しかし、最近特に危機感を感じているのは、自分自身の中での次に進むべき道が、複数の選択肢は見えているものの、自信を持って「この道を進むべきだ」と言えないことだ。

これまで真っ暗な中を小さな光を追いかけるように、掘り進んできた。
掘って進めば進むほど、見えてくる世界がある。
当初の想定していなかった景色もたくさん見えてきた。

そして、だからこそ、今見えている新しい景色を前に、この先の4年、5年後に向けて何を作っていくのが良いのかが、自分の中で迷いが生じてきている。
戸惑いと言っても良いかもしれない。

これまでの2年間、それなりのサービスの形を作れたのは、その更に前の数年間の探索の期間があったからだ。

2020年の新型コロナをきっかけに、「リスクを取るのは今この瞬間」と背中を押されるようにサービスを開発してきた。
この3年間アウトプット中心でここまできた。

そして、コロナが収束しそうになっている今、力強く一歩を踏み出すのを躊躇っている自分がいる。

ーー

1週間前にこのnoteを書き始めたのも、最近感じ始めた言葉にならない自分自身の気持ちと向き合うためだった。

そして、なんとなく頭の中でモヤモヤしていたのはこういうことだったのか、ということに気づくことができた。

文章書くというのは、内省するために本当に優れた方法だ。

そして、今自分に必要なのは、創り出したい世界に向かって「大きな一歩」を踏み出すという目線を持つことと、そのための「探索の時間」だということに気づいた。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?