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【技術士】EVが普及した社会における課題について

経済産業省
「EVグリッドワーキンググループ」https://www.meti.go.jp/shingikai/energy_environment/ev_grid_wg/index.html
(リンク切れにより下記に修正)
EVグリッドワーキンググループ とりまとめ(METI/経済産業省)



経済産業省
「充電インフラ整備促進に向けた指針」https://www.meti.go.jp/shingikai/mono_info_service/charging_infrastructure/20231018_report.html

経産省資料のまとめです。
令和5年度二次試験でも類似のテーマが出題されました。
attach_9634_1.pdf (engineer.or.jp)
なお、この記事は解答例というわけではありません。

R5過去問

背景

 EV/PHEVは自動車分野におけるカーボンニュートラルを実現するために重要な位置づけである。政府は2030年に新車販売台数のうち20~30%をEV/PHEVとする目標を掲げている。さらに2035年にはすべての乗用車を電動車とする目標がある。また、充電インフラについては、2030年で30万基が普及していることを想定する。

EVが普及した社会の将来像

 電力系統におけるEVの活用により、カーボンニュートラルの実現に貢献する。将来像で満たすべき項目としては以下の3つ。
①ユーザにとってのEV価値の強化
②産業競争力の強化
③電力系統への適合

将来像実現のための取り組み

大きく分けて

上記の実現のための取り組みを大別すると3つに整理できる。
①従来車と同等の利便性
②EVならではの価値
③ユーザの追加経済価値(電力インフラへの貢献)

技術的な課題のみをまとめると

①従来車と同等の利便性
 ・高機能な充電サービスが可能な基礎充電器が普及していない
  ⇒遠隔制御等の機能を持つ充電器の開発、住宅への導入促進が必要
 ・配電用変電所や上位系統の増強工事が完了するまで基礎・目的充電が抑制される懸念がある
  ⇒増強工事だけではコスト高、そのため増強費用を抑えながら容量を拡大していくための取組(例:想定潮流の合理化)

②EVならではの価値
 ・系統電力の非化石電源割合の高い時間帯にEV充電等を遠隔制御できる仕組みの推進が必要
 ・リユース電池のエコシステムが確立されていない
 ・レジリエンス価値を発揮できるV2X機器等のコストが高く導入が進まない

③ユーザの追加的経済価値
 ・スマートチャージ・V2X実現のための遠隔制御機能等のコストが高価
 ・制御するための機能・システムが普及していない
 ・制御するための情報が十分ではない(蓄電池状態、充電率、系統情報等)
 ・データ項目、情報の取得先・方法、通信プロトコル等についての整理が必要
 ・指令に基づく充放電によって蓄電池が劣化する、劣化を考慮したスマートチャージ・V2Xが実施できる仕組みが必要
 ・潮流(混雑情報)の見える化ができていない
 ・混雑箇所・量とフレキシビリティ提供可能箇所・量が必ずしも一致しない

感想
資料中に出てくる「充放電の遠隔制御」「V2X、スマートチャージ」
といったキーワードや、これらを実現するための下記の取り組みが重要になると考えます。
・充電器自体の普及、高出力化
・充電インフラが取得すべきデータ項目、情報の取得先、通信プロトコルの整理
・制御機器の低コスト化
・非化石電源の活用やバッテリの劣化を配慮した制御
・電力系統の増強(送電容量の拡大)
このあたりの深堀はまた別の記事で。


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