イタリア・スイス・フランス旅行記①ローマ
こんにちは。お久しぶりです。10ヶ月ぶりの投稿になります。
最近何をしていたかというと、2022年5月に司法試験を受け、9月に合格を頂きました。11月末から1年間の司法修習期間に入り、2023年に弁護士登録となります。
また、文藝春秋からお声掛けいただき、WEB別冊文藝春秋で「透明ランナーのアート&シネマレビュー」という連載をしています。毎週1本映画か美術展について1万字ほどのレビューを書いています。週1連載は大変ですが好きなものを好きなように書いて楽しくやらせていただいています。
司法修習生には修習専念義務があり、海外渡航は許可制(原則不許可)となります。そこで修習が始まる前に海外に行っておこうと思い立ち、イタリア・スイス・フランスを周遊することにしました。パスポートが切れているのを知らなかったほど久々の海外です。
厳しい円安で泣きそうになりながら航空券を取り、成田からアブダビ経由でローマに向かいます。お気に入りのネックピローから空気が漏れておりほとんど眠れないままフィウミチーノ空港に到着しました。その分ロシア映画やボリウッド映画を観ることができたのでいいのですが。幸先の悪いスタートで逆にテンションが上がってきます。
朝6:30にローマに着き、まずは7:00から開いているヴァチカン市国サン・ピエトロ大聖堂に向かいます。昼過ぎには行列ができているので早めに向かうのがいいらしいです。
おお~。ベルニーニの天蓋とミケランジェロのクーポラですね。
出国直前に気付いたのですが、本日11月1日は諸聖人の日(オール・セインツ・デイ)というローマ・カトリックにとって最も重要な祝日です。システィーナ礼拝堂、ラファエッロの間、ヴァチカン宮殿絵画館などはすべて閉まっていました。しまった……。まあ直前に旅程を決めるとこういうのはよくあることなので仕方ないです。
それより予想外だったのは、ヴァチカンに向かう人の波に明らかに観光客ではないランニングウェアの人々がいたことです。そう、マラソン大会にバッティングしてしまいました。Google Mapとにらめっこしながら1分単位で動いている私にとってはかなりまずい事態です。バスの時刻が変わってしまうからです。なるべく地下鉄で移動するようその場で大幅に計画を変更しました(実はこの後別の街でもう一回マラソン大会に直撃します……)。
私がローマで行くと決めていた場所は4つあります。
1箇所目はローマ楽器博物館です。浜松にいたころ楽器博物館によく行っていたのですが、私のお友達がチェンバロを習い始めたと聞いてチェンバロに興味が湧いてきたところでした。
こちらは1537年に作られたチェンバロです。絵画のような素晴らしい装飾が施されています。
いずれも楽器としてのみならず装飾品・美術品としての機能も多分に意識されています。逆に今のピアノはどうして黒一色なのでしょう。色とりどりのピアノがあってもいいはずなのに。
そしてこれが本当にすごい!! ピアノの発明者であるバルトロメオ・クリストフォリが製作した世界に3台しかないピアノです。それぞれメトロポリタン美術館(1720年)、ローマ楽器博物館(1722年)、ライプツィヒ大学楽器博物館(1726年)にあり、ローマのものは世界で2番目に古いピアノということになります。浜松にレプリカがあり、いつかお目にかかりたいと思っていました。
2箇所目はバルベリーニ宮(国立古典絵画館)です。ルネサンスやバロック絵画のコレクションで知られていますが、なんとここでパゾリーニ展が開催されています。この情報を見つけたときワクワクしました。カラヴァッジョなどの所蔵品とパゾリーニの映像や資料とを組み合わせ、彼が追求したキリスト教のタブーや身体性を解き明かす試みです。
3箇所目はローマ国立近代美術館です。いきなり謎のゴリラがいていい感じですね。
これこれ!! こういうのが観たかったの!!
4箇所目はイタリア国立21世紀美術館。建築はTOKYOに作られなかったザハ・ハディドです。
ローマはその経済規模に比べて長らく現代アート不毛の地と言われてきました。あれだけ古代の芸術資源があれば現代アートが入る余地はなさそうですよね。その流れが変わったのがここ最近。きっかけはガゴシアンが2007年ローマに拠点を開設したことです。
ガゴシアンは世界3大メガギャラリーの1つで、現代アートを牛耳っている巨大な存在です。ニューヨークに5つ、ロンドンに3つ、パリに2つ、その他にもバーゼル、ジュネーヴ、香港などに拠点を構えています。そんなガゴシアンが突然ローマに出店したことは驚きを持って迎えられましたが、実は看板アーティストのサイ・トゥオンブリー(1957年からローマ在住、2011年没)の機嫌を取るためだということが後に明らかになりました。
そんな流れに乗って今注目を集めるローマの現代アート。その界隈を先導しているのがローマ近代美術館とイタリア国立21世紀美術館なのです。
今回ガゴシアン・ローマはtemporarily closeしていたのですが(一応外の写真だけ撮りに行きました)、私が訪れる1週間前まで「SETSUKO」の個展を開催していました。SETSUKOって誰?? と思ったらバルテュスのパートナーでした。
夜行列車でヴェネツィアに向かいます。いよいよヴェネツィア・ビエンナーレ!
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?