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わたしのからだは、私のもの。幼きあの日の#MeToo

明けましておめでとうございます。Instagramに書いた文章の反響が大きかったため、投稿したいと思います。
本当に沢山の方からメッセージをいただきました。同じ悩みを抱えた方からの共感の多さに、嬉しい反面、悔しい気持ちも感じました。反響を受け、こちらでは少しだけ文章を変え、少し踏み込んだ内容も付け加えてあります。とても勇気を振り絞ったので、最後まで読んでいただけたら幸いです。

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平成最初の流行語大賞が「セクシャルハラスメント」だったのは知ってるかな?そして平成最後の流行語には #MeToo が選ばれました。沢山思うところがあったので、想いを書かせてください。

成長期、「おっぱい大きくなってきたね~」という何気ない大人の一言で、自分の身体が大嫌いになった。学校では「どの女子の胸が大きいかって男子が噂してる」という話が耳に入ってきた。塾で毎週会う英語の先生は、授業が終わると私に膝枕を要求してきた。

いつだって、他人との接触によって、自分の身体について自覚させられる時間は【地獄】と同じものだった。

全ては言えないけれど、幼かった私が私の身体であるが故に「されてきた」ことで、もっとおぞましい事実もある。大きくて重たい人間が、自分の上にのしかかり、幼い私はそれに抵抗する力を持ち合わせていなかった。知っている顔のはずなのに、知らない顔をしていて、こちらに向かう視線に気付いた時に恐怖を覚えた。「なんだかよくわからないけれど、この場を否定してはいけない」、そんな気持ちになったのが最後、記憶は途中で途絶え、長らく思い出せなかった。全ての記憶を取り戻したのは、ずっと後の話である。臨床心理学を学ぶ過程で、その「記憶喪失」を「解離症状」と呼ぶことを知った。そしてその一連の流れが「性的虐待」であると自覚したとき、恐ろしい秘密を抱えさせられてしまったことに気が付いた。でも私には、何も、本当に何も、成すすべがなかった。

彼らは今も、何も自覚せず、普通に暮らしている。でもこの世の中で、その事実を告発するのってめちゃくちゃ難しい。だってそうすれば「誘惑したんじゃないか」とか、「喜んでたんじゃないか」とか、「自衛しなよ」と言われてしまうから。

小学校高学年あたりで第2次性徴期に突入した私は、体の変化を自覚すればするほど、背中を丸める癖がついた。だって背中を丸めたら、凹凸が強調されなくて済むから。気にしすぎ?ううん、だれにも相談できなかったその時の私は、それくらい追い詰まっていた。

そして私の背骨は、整体でも指摘されるくらいに曲がっていった。

高校生になると、今度は逆に「体のライン」が出る服を着るようになった。これってよくあることだけれど、人って「理由のつけられないこと」よりも「理由が明確なもの」の方が受け入れやすかったりする。「いくら隠しても、女性として見られてしまう」という終わりのない悩みを抱えて生きていくのなら、「見せてるから、そう見られて当然だし。」の方が納得しやすかったのかもしれない。
(まぁそもそもどんなに露出しようが、好きなファッションを楽しめないことがおかしいのだけれど。)

そして、今度は「男らしさ」についても研究するようになった。もともと声は低かったけれど、もっと低くなる練習をしたし、髪だって刈り上げてみた。動作は大きくしたし、胸の目立たない服を着るようになった。そうすると「男勝りなんてモテないよ~」なんて言われるようになる。でもそれに対して「モテるために生きてるわけじゃない!」と思ったときに、『性別なんて「魂を入れる箱」にすぎないのに、私が一番とらわれてるじゃん』ということに気が付いてしまった。そこに囚われるように仕向けたのは、紛れもなくこの世の中だとも感じた。

私は今やっと、女性とか男性とかそういうものではなく「人間」として生きている感覚がある。私が「どうでもいいや」って思えるようになったら、周りの目だって変わってきた。もちろん、過去に傷ついたことだって完全に忘れてはないし、それでも生きていかなきゃならない。

明日だって明後日だって、私は私の着たい服をきるし、したい態度をとる。誰かのために「馬鹿なふり」はしないし、自分が好きな時にしか「愛嬌」は振りまかない。女であることに悩んでいた時期、大人は「皆が通ってきた道だから」と誰も守ってはくれなかった。だから私は私を守る。そして守れるようになったら、今度は困っている人たちの力になる。それは幼かった時の自分との約束なの。

飲み会で体を触られることも、痴漢されても仕方ない?内閣に女性が少なくても仕方ない?「女性らしさ」や「男性らしさ」を押し付けられても仕方ない?「女はいいよね、最後は身体を売ればいいじゃん」って言われても仕方ないことなの?ジェンダーギャップ指数が110位でも仕方ない?

どんなことであったとしても、私は「しょうがないや」と、自分で苦しいことをバランス取らなきゃいけないような世の中で生きたくない。「"上手く"生きなきゃ」なんて思うことが果たして当たり前なんだろうか。大切な人たちにだって、そんな場所で生きて欲しくない。

自分にできることは、(性別関係なく)声を上げられない人たちの代弁をすることと、そういった人たちに寄り添うことなんだ。

とっても長い文章、最後まで読んでくれて有難う。あと3ヶ月足らずで、年号が変わります。地続きかもしれない、でも多くの人が「平成が終わって、時代が良い方向に変わっていった」と実感できるといいなぁ、なんて。どんな方法でも良いから、みんなの意見も聞かせて欲しいな。

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以上です。もし思うことや共感することがありましたら、シェアしていただければ幸いです。しんどい想いをしている人や、過去に蓋をしてしまった人たちが、過ごしやすい世の中になりますように。

#gender #youtoo #セクシャルハラスメント #MeToo

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