プロとして───

ザ・ファブル面白いですよね。

実はというかなんというか、私の妻もコントラバスを弾いてまして、主にクラシック畑、オーケストラで弾くことがほとんどなんですが、時々古楽なんかもやってます。

クラシックといっても色々あって、中でも現代音楽と古楽は全員が得意なわけではない分野です。私はクラシック界では割と現代曲をやる方でしたが(昔の話です)古楽はまるで縁がなく、もっぱら妻から伝え聞いて知っている程度です。

最近妻が熱心な活動をしており、『コントラバス、ヴィオラダガンバ奏者の櫻井さんによる通奏低音のワークショップ』をやってます。具体的にはメサイア(ヘンデル作曲の、ハレルヤが入ってる大曲ですね)を使って、通奏低音的にはこういう弾き方の引き出しもあるよ。みたいな。

バッハのカンタータとかその辺の曲は、コントラバスは通奏低音というグループで弾くんですが、まぁ言ってみればリズム隊です。これが話を聞けば聞くほどリズム隊で、面白いなぁと思います。

妻は宣伝及び日程調整をしつつ、自分でもレッスンを受けてるんですが、最近では他の楽器(チェロとか)の聴講希望も増えてるようで、かなり嬉しそうです。

プロのスキルアップ。これ意外とやってる人は、偉いなって感じなんですよ。やってる人ばかりじゃないっていうか。元々持ってるものを伸ばすのと、新たな引き出しを作るのとあると思いますが、どちらもやらずに日々の仕事をこなしていくだけのスタイルだと、スキルはともすれば頭打ち、いえ、ゆるやかに下降線を辿ります。

先述のワークショップに参加してる人はプロで何年もやってるコントラバス奏者達ですが、新たな知見を得てその後も積極的に参加する人が多いとか。本当に素敵なことだなと思います。

私のところに弓弾きを習いに来てるプロのベーシストが何人か居ます。「ミュージカルの仕事をやるとなった時に、エレキベース、ウッドベースは弾けるけど、弓は習った事無い…」という人に好評です。こちらも仕事をしながら新たなスキルを得ようとする姿勢が大変素敵だなと思うわけです。

私の活動範囲周りでは特に感じることですが、
『Aは素晴らしいけどBはイマイチ』
という場合、
『Aが素晴らしいのでBについては誰も指摘してくれない』
という怖さがあります。Bを伸ばすには、イマイチなのを自覚して鍛錬するしかないのですが、『イマイチなのは分かってるけどその界隈でクレーム出ない=現状でOK』としてる人が多いです。プロのキャリアが長い程、指摘する人なんか居なくなります。駆け出しの若者は、ダメ出しされるといい気はしないと思いますが、その有り難みが解る頃にはもう誰も指摘してくれません。

何が言いたいかって言うと、プロになってなお研鑽を続ける人々って尊いよねって話。

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