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都市型狩猟採集のススメ・番外編~現代の秘密基地探求記・風雲篇~


また同じ木だと・・・出口は一体どこに・・・。


こ、これは! 猫師匠の言っていた青い花とはこれのことか!


ありがとう猫師匠・・・フォーエバーキャット!





「実は東京ドームに行ったことがなくて広さがいまいち実感できない」、あると思います

というわけで、前回に引き続き、横浜市瀬谷区に点在する様々な自然スポットを紹介していきます。

瀬谷区には追分・瀬谷・上川井・矢指にそれぞれ市民の森がありますが、今回主に紹介するのは3番目の大きさの『上川井市民の森』になります。

(横浜市サイト「市民の森・ふれあいの樹林ガイドマップ」より引用)

3番目と言っても土地面積は約10ヘクタール(東京ドーム約2個分)、高低差も多少あるので、景色を見ながら一回りすると1時間くらいはかかります。

(ちなみに最も大きい『追分市民の森』の広さは3倍の30ヘクタール)

それぞれの森の間には公道がありますし、分かれ道には大抵看板があるので、出口を求めてぐるぐるさまよう、なんて心配はもちろんありません。

(青い花が道標になってるということもないです、念の為)

ただルートによってはトイレもベンチも給水所も通らないようなワイルドな道程になる可能性もあるので、次の中継地点を確認しながら散策した方が体力を消耗しないと思います。

それでは後半戦スタート!




「ハラ減った〜」から始まる記事もうやめない?

本筋とは若干ずれますが、今回ご協力いただいた『瀬谷仮面』さんのギアがサバイバル感すごかったので、昼食風景と一緒に少しだけご紹介します。

サバイバルというよりはアウトドアの領域ですが、やはり椅子とテーブルがあると圧倒的に便利です。

野島海岸では弁当類を置くスペースがほとんどなかったので、ありがたみがヤバみ)

4人掛けの大きいテーブルに見えますが、椅子と支えの部分は折り畳めるので、持ち運ぶ時はほぼ板状になってくれます。

さすがに車なしで実用できるほどコンパクトな代物ではありませんが、土や砂や虫を気にせずあれこれ並べられるのは嬉しいところ。

『謎の先輩瀬谷ジスタX』さん持参の、数々の料理がうなります。

こちらはサバイバルの基本とも言える水を確保しておくためのウォータータンク。

飲料水としてはもちろん、汚れを洗い流す手段があるのはやはり安心感があります。

筆者も食事前の手洗いにしっかり使わせてもらいました。


今回のデザートはショコラテリーヌ。

アウトドアで飲み物にこだわるのは難しいところですが、本音を言えば紅茶やコーヒーと合わせて、優雅なティータイムと洒落込みたい一品・・・そこで登場するのが!

出ました、携帯カセットコンロ&ケトル!

コーヒーメーカー一式も用意されており、『野外で挽きたてコーヒー』というロマン溢れる一時を過ごさせてもらいました。

常に万全の態勢で望めるわけではないのがサバイバル。一方、こういう道具があればあるほど取れる手段が増えるのもまた事実。

裸一貫で生き抜くための知識も重要ですが、都市インフラを前提とした『防災としてのサバイバル』。

そういうシチュエーションにマッチしたキャンプギアにはやはり魅力を感じますね。




1分半で終わる総集編

さて、腹ごしらえも済んだので、上川井市民の森に向かいます。

【Googleマップ: 上川井 市民の森



To do リストのおさらいになりますが、

0.森林散策用の装備を整える。

1.三ツ境駅北口から116系統「若葉台中央」行きのバスに乗る。

2.「西部病院前」で降り、好きな森を散策する。

(以下は体力が余っている人向けのルートです)

3.「細谷戸エコ広場」に向かい、周辺を探索する

4.バス停「細谷戸第5」から「瀬谷駅」行きのバスに乗る。

5.「壱鵠堂瀬谷店」でラーメンを食う。

6.瀬谷区からクールに去る。

『西部病院前』から最寄りの入り口は、『瀬谷高校入口』交差点付近の『KA-5』になります。

『KA-5』から『南北抜けみち』を道なりに進むと、上記写真の『KA-4』看板が見えるので、ここから『シダのみち』を通って『KA-1』まで小さく1週するだけでも、結構雰囲気を楽しめます。

『KA-3』方面のルートを進むと起伏が多く、『KA-2』から左に曲がって『野境みち』を通り、『B5~B7』いずれかの出口まで歩くと、かなりいい運動になります。

(進行方向は異なりますが筆者もKA-3のルートを通りました)

もし細谷戸エコ広場まで行く場合は、『KA-2』から相沢方面の道を進み、付近にトイレと給水所がある『A6』出口を目指すのがオススメです。

A6出口付近から『細谷戸エコひろば』までのルートはこちら




驚愕(おど)ろくべき進化ッッ


今回最も面白かった植物NO.1はこの「ハナイカダ(花筏)」でした。市民の森のあちこちに自生しているものですが、何と言っても見た目のインパクトがすごい。


通常植物の花や実って、葉っぱとは別に生えているイメージだと思いますが、ハナイカダは葉っぱの上に花が咲き、やがてそこに実をつけるという不思議な植物なんです。

真ん中の実はもちろん、葉の部分も比較的クセがないため、天ぷらや混ぜ込みご飯にすると美味しくいただけます。

(写真のように実が熟していると葉は固くなっているため、山菜として食べたい場合は花が咲き始めた4~5月が狙い目)

葉の裏側に天ぷら粉を付けて、低温でじっくり揚げると、見た目も華やかな一品料理になるそうです。


↑こちらは秋の味覚の代表格たる栗、その花部分です。

めちゃくちゃ独特な臭いでしたが、むしろこの花の形状からどうやったらあのイガイガと丸っこい実が誕生するのか、そちらの過程が気になります。


↑こちらは『ヤマナシ』。梨の種類として有名な『幸水梨』や『豊水梨』のご先祖様とされている『ニホンヤマナシ』の一種で、地方によっては『イワテヤマナシ』や『アオナシ』と呼ばれることもあります。

渋みが強く食用には向かないようですが、9~10月に採れたものを水に浮かべて保存、冬場になったら霜がおりるくらいの寒さに晒すことで、渋みが抜けるそうです。

長崎県島原市の伝統的なスイーツ『かんざらし』や、蕎麦が有名な各地方で仕込まれている『寒ざらし蕎麦』など、寒ざらしによって甘みが増したり渋みを抜いたりする食材は色々ありますが、先人が発見した生活の知恵には驚くばかりです。




歩く、歩く


また、上川井も含めた市民の森にはいたるところに小川があり、場所や時期によってはホタルも見られます。

少し触ってみると、昼食後の眠気が吹っ飛ぶ冷たさでした。冬場ならそれこそ寒ざらしができそうです。


こちらは小川に架かっていた丸太橋。大した高さでもありませんでしたが、内心結構ドキドキしていたのは秘密です。


ジブリ映画に出てきそうな、ぽっかり空いた穴っぽい道。ちょっとホラーな世界につながりそうですが・・・、


別にそんなことはなく、木立に囲まれた一本道が続いていました。右側のピンクの目印がちょっとセーブポイントっぽくていい感じです。


この他にもミョウガの葉っぱがわさわさ生えていたり、


柿っぽい実がなっていたり、


カラフルな蝶(検索によると『ベニシジミ』だそうです)が舞っていたりと、自然の恵みとパゥワァを感じる散策になりました。あと翌日筋肉痛にもなりました。




”樹木”キメろォォ!!


森林浴にはストレスホルモン『コルチゾール』の濃度を下げる効果や、フィトンチッド(樹木が発する揮発性の物質)により副交感神経が高まることで血圧・脈拍数が低下し、リラックス作用があるそうです。

どこまでも続いていそうな瀬谷区の森。ひょっとしたらどこかで木霊があなたを覗いているかもしれません・・・フフフ。





↑ここまでが本編 ここからも本編↓


無事に森林散策を終え、瀬谷駅に辿り着いた俺は。

腹が、減っていた。


しかし土地勘もろくにない場所で、あてどもなくふらふらする気力はすでにない。

駅前広場から国道401号線に出て西側に進み、国道18号線と交わる交差点からデカデカと見えたその店、『壱鵠堂』。

どこかで聞いたことがあるような名前だ。うん、この店に決めた。


ラーメン屋というと『コ』の字型のカウンターに所狭しと椅子が並べてあるようなイメージだが、広めの店内にはゆったり感があり、ファミレスめいた4人掛けの席も用意されている。

孤食が一世を風靡した時勢の影響もあるだろうが、テーブルには個人注文用のタッチパネルに、氷のたっぷり入ったピッチャーまで完備。恐れ入った。

こうまでオススメされては一見の客として下手な冒険はできまい。王道の白味噌か対抗の赤味噌か・・・いやいやここはいいとこ取りの濃厚味噌で行こう。

たかが40円、されど40円。疲れた体にはこの価格差が効くのだ。味玉もつけちゃおう。箸休めに餃子も頼んでしまえ。


きたきた来ましたよ、カロリーが。

ネギを中心にチャーシュー・メンマ・味玉の三銃士が揃い踏み。麺を取り囲むように配置されたもやしこそ、いぶし銀の名脇役。

どうせならあとひとつトッピングを頼んで、北を守護する玄武ポジも欲しかったかな?

玄武は海産・水産系っぽいから海苔とかどうだろう。いやどうでもいいな。いただきます。

もちもちした麺にまろやかな味噌が絡んで、口の中が旨味でいっぱい。

20代の時は唐辛子やらにんにくやらブラックペッパーやら、パンチの効いたラーメンばかり食べていたが、最近は食材の出汁をじっくり味わえるタイプも好きになってきた。

鍋物のシメの雑炊やうどんって、どうしてあんなに楽しみなのかしらん。


そうこうしてるうちに餃子も登場。タレの流儀・黄金比は人それぞれだが、個人的にはお酢多めを推したい。

餃子がメインの餃子パーティならともかく、ラーメンやチャーハンのコンビとして召喚するなら、さっぱりとした味わいに仕上げたいもんです。いや美味しければなんでもいいけど。

最近は市販の餃子も十分美味しい。企業努力の粋を凝らしただけのことはあるが、肉の存在感が強く、押し出しの強い商品が多い気がする。

それに対してこの餃子はニラやにんにくの強烈な風味もなく、肉っ気はあるが野菜の甘みも感じられる。バランスのいい餃子だ。

6個という片手で数えられない数もいい。5 + 1というプラスアルファにお得感がある。


さて腹6分目か、というところで食べ終わってしまった。

15時を過ぎてたからといって大盛りにしなかったのは失敗だったな・・・どうしよう。


ええいままよ、と旭川醤油ラーメンを追加で頼んでしまった。しかも再度味玉付きで。

ライスを追加で頼むという選択肢もあったが、ライスのお供とするにはスープの量が足りなかった。思った以上にスープが美味しかったのがいけない。

腎臓さん、今日は残業だな。大変申し訳ありません。

それにしても味噌ラーメンに比べると、醤油ラーメンはかなりあっさりとしている。

麺も細めで、昔ながらの味わいを忠実に再現したような落ち着いた一杯。

旨味が口に飛び込んでくるというよりは、醤油のキレとその奥にある隠し味を感じては密かに堪能する、そんな遊び心が必要かもしれない。

運動後のヘコヘコ腹が求めるものではないが、もし飲み会の後に注文するとしたらこっちだろう。子供の頃に一度だけ、父親と一緒に食べた屋台のラーメンもこんな味だった気がする。酒なんて一滴も飲めないような父親だったけど、料理が美味い店はたくさん知っていたな。



思いがけずしんみりした気分で店を出たが、お腹がパンパンだと暗い気分は中々続かない。

むしろマックのソフトクリームが頭を掠めるあたり、食欲を省みる謙虚さが自分にはないことを思い知る。七つの大罪に『暴食』が含まれるのも致し方なし、だ。

結局ソフトクリームは食べなかったが、近くのイトーヨーカドーでちょっと高級なバナナと母親が好きなキャラメルショコラサンドを買った。

瀬谷、また来よう。